その他の海外

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2022/03/01

ロシアのウクライナ侵攻を受けCSKAモスクワから主力フォワード、トルニケ・シェンゲイラら5人がチームを離脱

 ユーロリーグは、2月27日までにロシアの強豪クラブとして知られるCSKAモスクワから元NBAプレーヤーのトルニケ・シェンゲリアとイフェ・ルンベルクがチームを離脱し、翌28日にはジョエル・ボロンボーイがチームを離れたことをCSKAがクラブとして発表したことを、リーグ公式サイトで伝えた。同サイトではCSKAからさらに2人が同様の行動をとる見込みであることも明らかにされている。理由はいずれも「ロシアとウクライナの現状とそれにまつわる動向にかかわる私的な理由(For personal reasons related to the current situation between Russia and Ukraine, as well as its possible consequences)」となっている。


 シェンゲリアは2012年から2シーズンにわたりNBAのブルックリン・ネッツとシカゴ・ブルズでプレーした経歴を持つフォワード。今シーズンはユーロリーグで平均12.7得点、4.7リバウンド、2.5アシストを記録し、10月にはラウンド3でMVPになるなど、CSKAの主力として活躍していた。シェンゲリアのチーム離脱に関する報道は日本時間2月27日から発信されており、それによればすでにシェンゲリアはスペインで家族と合流しているとのことだ。


 ジョージア代表のキャプテンを務めたシェンゲリアのCSKA入りは2020年で、その当時は2008年に母国に侵攻したロシアの軍部と深いかかわりを持つCSKAに加わるという決断に、ジョージア政府の首脳からも批判を受けたという。今回のチーム離脱にあたり、欧米メディアはシェンゲリアがジョージアのラジオ局Commersantとのインタビューで、ロシアのウクライナ侵攻に対する抗議の姿勢を鮮明にするコメントを残したことを報じている。ただしシェンゲリアのマネジメントを務めるオクタゴンのニコス・ヴァルラス氏がツイッターで投稿したところによれば、シェンゲリアがメディアに向けそのようなコメントをした事実はないとのことだ。相反するこれらの情報が飛び交う現状は、当事者・当事国の混とんとした状況を象徴するものだ。しかしCSKA側の発表により、ロシアのウクライナ侵攻が原因であることは動かぬ事実となった。

 


 シェンゲリアとともにチームを離れたルンベルクはデンマーク出身のガードで、やはりCSKAの主力の一角。今シーズンは平均9.1得点。2.4リバウンド、2.0アシストのスタッツを残している。ルンベルクはすでにデンマークに帰国したことを明らかにするとともに離脱の理由を、今回の戦禍により世界全体に広がった極度の緊張の中で家族の安全確保を第一に考えたことを挙げている。


 ボロンボーイは紛争のさなかにあるウクライナ東部ドネツク出身のロシア国籍のフォワードで、2016NBAドラフトでユタ・ジャズの2巡目22位(全体52位)指名を受け、ジャズとミルウォーキー・バックスで2シーズンプレーした経歴がある。今シーズンは平均5.9得点、4.1リバウンドのアベレージで、主にフロントラインのバックアップとして貢献してきた。

 

 CSKAがこのほかに公表した離脱見込みのプレーヤーは、リトアニア出身のマリウス・グリゴニスとドイツ代表フォワードのヨハネス・フォートマン。チームの発表は、5人の決断と行為が契約違反かつチーム規約違反であることを明確にする一方、個々の状況に対する理解を示す内容にもなっている。また、5人はチームを離れたものの、これにより即座に契約解除とはならず、社会の緊張が解けリーグ運営が平常に戻ればCSKAに戻ってプレーする可能性が示唆されている。


 CSKAのクラブ名は、「Central Sports Club of the Army(陸軍中央スポーツクラブ)」のイニシャルを、拠点とするモスクワの都市名と組み合わせたもの。成り立ちからロシア軍部と深いかかわりを持っているクラブだ。ロシア国内ではVTBユナイテッドリーグで歴史的に圧倒的な強さを誇る強豪。ユーロリーグでは今シーズン、2月28日時点で14勝10敗の成績で18クラブ中6位だが、過去に8度のチャンピオンシップ獲得に成功している。


ユーロリーグ公式サイトが公にしたCSKAモスクワの声明


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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