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2022/02/23

カリー&レブロンが輝いた2022NBAオールスター・ゲーム

 NBAの創立75周年を飾る特別なオールスター・ゲームは、その内容としても世界中のファンを満足させるに足りる、感動と興奮に満ちた展開となった。チームレブロンとチームデュラントの対戦は、163-160でチームレブロンが勝利した。

 

 ターゲット・スコアの163点に到達するゲームウィナーを決めたのは、会場のロケット・モートゲージ・フィールドハウス(オハイオ州クリーブランド)からほど近いアクロン出身のレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)。MVPに輝きコービー・ブライアント・トロフィーを持ち帰ったのはステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)だった。4度に渡ってNBAファイナルで戦った両者は、ともに歴代最高の75人で構成されたリーグ創立75周年記念チームにも選ばれており、名だたるレジェンドたちとともにその栄誉を称えられていた。実はカリーもアクロン生まれであり、しかも信じられないことに、二人は誕生した病院も同じという奇跡のスーパースター同士でもある。

 

 

 各クォーターの勝敗が、チームレブロン、チームデュラントそれぞれが紐づけられた地元コミュニティへの寄付額に直結しているのもおもしろみの一つ。それが序盤から中盤にかけての展開にピリッとした空気感をもたらしていた。そして最後はターゲット・スコアに到達するまでの緊迫感あふれる真剣勝負となっていく。社会への還元も含めて、オールスター・ゲームでできるすべてを詰め込んだような見応え満点の時間が、あっという間に過ぎていった。


 中でも驚愕と表現できるのは、やはりカリーの3Pショット27本中16本成功を含む50得点という記録と、ジェームズが右ウイングからジョエル・エンビードのコンテストを交わして決めたフェイドアウェイ・ジャンパーで勝利を手にしたエンディングだ。どれだけ決められるんだろう? どんなに遠くから決められるんだろう? 故郷の大観衆が見守る中、試合の最後にボールが回ってきて、あのマッチアップであのショット、あの距離から。どうして決められるんだろう? そんな瞬間が次々とやってきた。


 カリーは約90秒間に5本の3Pショットを成功させた流れがあった。センターサークルのロゴやコフィンコーナー付近ディープな位置からも、お安い御用と言わんばかりにズバズバ狙っていく。左サイドのベースライン際でドリブルからフワッと浮かせるフローターで得点したシーンもあったが、そんなに高い弧を描くの? それ、入れちゃうわけ? というような、自分がディフェンスをしているわけでもないのに「お手上げ感」を感じ、唖然とした人もいたのではないだろうか。

 


 試合後ジェームズは、カリーについて「違う惑星からやってきた男ですから。文字通り自動狙撃装置が腕に装備されているんですよ(This guy is from a different planet. He literally has an automatic sniper attached to his arm)」と感心と敬意を込めた笑顔を浮かべて話した。「あの場でアクロン生まれのアイツがあんな決め方をして…。信じられないし、スゴいですよね(To be out there and watch that kid from Akron shoot the ball the way he shot it, it was unbelievable. It was pretty cool)」


 そのカリーを、クリーブランドのファンはブーイングで“冷遇”した。NBAファイナルでの対決ではカリーのウォリアーズの3勝に対し、ジェームズが所属した当時のキャバリアーズは1度しか勝つことができなかったからだ。しかしカリーのシューティングは、大観衆を盛り上げ、グイグイ引っ張った。


 カリーは試合後、「声援は聞こえませんでしたね(I didn’t hear the cheers)」と冗談を含めながらオールスター・ゲームを振り返っていた。「皆さんブーイングにも疲れたことでしょう。僕はそれをプレーに振り向けながら楽しもうとしていました。早いうちに調子が上がってきたのでちょっと魅せてやろうと頑張ったら、楽しいだけではなくお祭り騒ぎになっていったんです。最高の終わり方になりました。僕はMVPをもらえたし、レブロンが決勝の1本を決めたんですから。僕たちのこれまでの対戦の歴史や、二人ともアクロン生まれということを思うと、これ以上は描けないような流れでしたね(It takes some energy to boo. I tried to channel that into a good performance and have fun with it. Got hot early, tried to put on a little bit of a show and the joy came out in the celebration. It was kind of a perfect ending. I was MVP and (LeBron) hit the game-winner. All the history of our (Finals) series, given that we’re from Akron, you can’t really draw it up any other way)」


 ジェームズのゲームウィナーは、本人にとってもやはり特別な一撃だったようで、「これ以上ない夢のような瞬間でしたが、それが実際に起こりましたね(I couldn’t have dreamed of that moment any better than the actuality that just happened)」と感激の表情でその瞬間を振り返っていた。そのショットは、マイケル・ジョーダンをほうふつとさせるバックダウン・ドリブルからのターンアラウンド・フェイドアウェイ・ジャンパー。「ずっとMJのようになりたいと思ってやってきていましたからね。(I always wanted to be like MJ growing up)」と語るジェームズの言葉は、あたかも少年時代に戻ったかのような、素直なコメントに聞こえた。「ゲームウィナーがMJに惹かれて身につけたフェイドアウェイだったなんて…(It’s crazy that the game-winning shot was a fadeaway and it was inspired by MJ…)」


 ジェームズが故郷のクリーブランドでオールスター・ゲームに出場したのは今回が初めて。それだけにゲームウィナーの感慨もひとしおだ。「ファンからの大歓声を聞いて、やっぱり11年間僕のキャリアを見てくれた人たちだなと思いました。その多くが僕の旅路をずっと見守ってきてくれた人たちです。超うれしいことでしたし、ありがたかったです(Hearing the ovation I got from these fans, they saw me 11 years of my career. So many of these guys have followed my journey. It was super dope and I was appreciative)」

 


 両者の活躍が相当良いところを持っていったので、他のオールスターたちの働きぶりがややおとなし目に感じてしまう。しかし、手抜きを知らないヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)の豪快なブロックショットや、2年目とは思えない図太いプレーぶりが光ったラメロ・ボール(シャーロット・ホーネッツ)、史上5人目のドラフト外オールスターとして歴史を作ったフレッド・バンブリート(トロント・ラプターズ)、第4Qに得意のミドルレンジからビッグショットを決めたデマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)などなど…。見るべき瞬間をそれぞれのプレーヤーが提供したことも、最後に記しておきたい。

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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