月刊バスケットボール6月号

NBA

2022.02.21

楽しさいろいろだった2022NBAオールスター・サタデーナイト

 NBAの2月恒例のビッグイベント、NBAオールスター・ウイークエンド。日本時間2月21日(北米時間20日)には、サタデー・イベントのスキルズ・チャレンジ、3Pコンテスト、スラムダンク・コンテストが行われた。


☆スキルズ・チャレンジ


この日最初のイベントだったスキルズ・チャレンジは、3人のルーキーで構成されたチーム・ルークス、ホストのクリーブランド・キャバリアーズを代表して3人が登場したチーム・キャブス、そして昨シーズンのオールスターMVPとファイナルMVPに輝いたヤニス・アデトクンボの兄弟3人によるチーム・アデトクンボの3チームで争われた。

 

 ゲームとしては、最初にシューティング、次にパスの精度とスピード、続いてパス→ドリブル→フローター→3Pショット→コーストトゥコーストからのレイアップ(あるいはダンク)と続く規定メニューを3人で行い、その速さを競うという3つのゲームを経て、上位2チームでハーフコートショット合戦による決勝に突入する流れ。決勝は3人がランダムにハーフコートショットを打ち、短時間で1本決めたチームが勝ちとなるフォーマットだった。


最初のラウンドではチーム・ルークスがトップに立ち、チーム・アデトクンボとチーム・キャブスが同点という状態となり、3Pショットのノックアウトゲームで決勝進出を決めることに。ここでタナシス・アデトクンボがミスしたのに対しダリアス・ガーランドが1本目をズバリと決めて、チーム・キャブスが決勝に進出した。


チーム・キャブスとチーム・ルークスによるハーフコートショット合戦は、先攻したチーム・ルークスのケイド・カニングハムが開始から9.9秒で1本成功させたが、続くチーム・キャブスのルーキー、エバン・モーブリーがわずか5.5秒で決め、チームを優勝に導いた。


■スキルズ・チャレンジ結果

予選ラウンド

1位 チーム・ルークス/スコッティ・バーンズ(トロント・ラプターズ)、ケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)、ジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー)

2位 チーム・キャブス/エバン・モーブリー、ジャレット・アレン、ダリアス・ガーランド 100

2位 チーム・アデトクンボ/ヤニス・アデトクンボ、タナシス・アデトクンボ(ともにミルウォーキー・バックス)、アレックス・アデトクンボ(Gリーグ、ラプターズ905) 100

※3P合戦でチーム・キャブスが勝利して決勝ラウンドに進出

決勝ラウンド(ハーフコートショット合戦)

1位 チーム・キャブス 5.5秒
2位 チーム・ルークス 9.9秒


☆3Pコンテスト


今年の3Pコンテストは8人のプレーヤーが参戦し、現代バスケットボールの潮流を象徴するような結果となった。優勝したのはミネソタ・ティンバーウルブズのカール-アンソニー・タウンズ。身長211cmのビッグマンが、史上初めてセンターを務めるプレーヤーとして王座に就いた。タウンズは決勝ラウンドで、2018年にデビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)が樹立した28得点を更新する史上最高記録となる29得点で、それぞれ26得点のトレイ・ヤングとルーク・ケナードを上回った。


8人のプレーヤーには、ドラフト外でNBA入りしたプレーヤーとして史上5人目のオールスターとなったフレッド・バンブリートも出場していたが、決勝ラウンド進出はならなかった。


■3Pコンテスト結果
予選ラウンド
1位 ルーク・ケナード(ロサンゼルス・クリッパーズ) 28
2位 カール-アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ) 22
2位 トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス) 22
4位 パティー・ミルズ(ブルックリン・ネッツ) 21
5位 CJ・マッカラム(ニューオリンズ・ペリカンズ) 19
6位 デズモンド・ベイン(メンフィス・グリズリーズ) 18
7位 フレッド・バンブリート(トロント・ラプターズ) 16
8位 ザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ) 14

決勝ラウンド
1位 カール-アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ) 29
2位 ルーク・ケナード(ロサンゼルス・クリッパーズ) 26
2位 トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス) 26


☆スラムダンク・コンテスト


オールスター・サタデーでも最も華のある種目とされてきたスラムダンク・コンテストは、今年はやや“不作”という意見も多く聞かれた。しかし、やはり個々のプレーヤーの身体能力の高さとアクロバティックな空中での身のこなし、豪快にリムを揺らす瞬間の爆発的なイメージは、やはり何度見ても胸を躍らせてくれるものだ。優勝したのはニューヨーク・ニックスのオビ・トッピン。決勝でゴールデンステイト・ウォリアーズのフアン・トスカーノ-アンダーソンとの一騎打ちに勝って、ニックスとして3人目のスラムダンク・チャンピオンとなった。


決勝ラウンドは、トスカーノ-アンダーソンの最終アテンプトが不成功に終わったこともあり、フィナーレの華々しさに欠けたため、将来的にはフォーマットを変えたらどうか、1回休みにしたら…、スラムダンク・コンテストではなく1対1の勝負を見せてほしい、などさまざまな意見がソーシャルメディアにあふれた。しかし一方で、想像を超えるほど刺激的なシーンが飛び出す可能性があるのがこの種目の魅力。今後どんな形に進化していくか興味深い。

 

■スラムダンク・コンテスト結果

予選ラウンド
1位 オビ・トッピン(ニューヨーク・ニックス) 90
2位 フアン・トスカーノ-アンダーソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ) 87
3位 ジェイレン・グリーン(ヒューストン・ロケッツ) 83
4位 コール・アンソニー(オーランド・マジック)70

決勝ラウンド
1位 オビ・トッピン(ニューヨーク・ニックス) 92
2位 フアン・トスカーノ-アンダーソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ) 69


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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