月刊バスケットボール5月号

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2022.02.19

成長を見せる鈴木妃乃(ノースアラバマ大学)、現在A-SUNカンファレンスで2部門がトップ5入り

渡米後2シーズン目を迎え、鈴木妃乃が存在感を高めている(写真/University of North Alabama Athletics)

 

昨シーズンからNCAAディビジョンIのノースアラバマ大学(以下UNA)でプレーしているポイントガードの鈴木妃乃が、渡米後2年目の今シーズンに特筆すべき成長を見せている。日本時間2月19日(北米時間18日)現在、UNAが消化した25試合すべてに出場した鈴木は、アシストがアトランティックサン・カンファレンス(以下A-SUN)、フリースロー成功率の2部門でカンファレンス全体のトップ5入りする好成績を残しているのだ。出場時間を含めると、トップ10入りが3項目になる。具体的な数値は以下のようなものだ。


☆アシスト
出場全25試合: 平均4.6本(A-SUN3位) 総数115本(A-SUN2位)
A-SUN13試合: 平均4.8本(A-SUN2位タイ) 総数63本(A-SUN2位タイ)


☆フリースロー成功率
出場全25試合: 58/71、81.7%(A-SUN3位) 成功本数58本(A-SUN13位)
A-SUN13試合: 38/45、84.4%(A-SUN3位) 成功本数38本(A-SUN8位)


☆出場時間
出場全25試合: 平均29.7分(A-SUN11位)
A-SUN13試合: 平均34.9分(A-SUN3位)


その他のキースタッツ
出場全25試合: 7.7P, 2.9R, 0.8S, FG%35.4%, 3P%32.8%
A-SUN13試合: 9.8P, 3.8R, 0.9S, FG%35.8%, 3P%36.1%
※P=得点、R=リバウンド、S=スティール、FG%=フィールドゴール成功率、3P%=3P成功率

 

 

 フリースローに関しては、日本時間の昨年11月30日(北米時間29日)の対フリード・ハーディマン大学戦から9試合に渡って27本連続で成功させる快記録も残した。 アシストでは、今シーズン2度2桁を記録しており、直近のイースタンケンタッキー大学との一戦では12アシスト(および7得点、4リバウンド、1スティール)を記録してUNAの74-65の勝利に大きく貢献した。

 

鈴木は得点面でもかなりの脅威となっている(写真/University of North Alabama Athletics)

 

 得点部門でも、鈴木はアベレージの7.7得点以上の存在感を示している。今シーズンは2桁得点が6回あるが、日本時間1月9日(8日)に行われたA-SUN開幕戦の対ジャクソンビル州立大学戦で22得点のキャリアハイを記録した後、日本時間2月6日(北米時間5日)のノースフロリダ大学との試合ではそれを23得点に更新。また、日本時間1月20日(北米時間19日)の対ベラミン大学戦では、前半終了間際にブザービーターとなるハーフコートショットを成功させたことも話題となった(鈴木は同じ試合で、第3Qにもブザービーターとなるレイアップを成功させている)。

 

 

 昨シーズンはようやく波に乗っていけそうかというところで左ヒザ前十字靭帯断裂という大きなアクシデントに見舞われ、2月以降離脱せざるを得なかった。今シーズン開幕当初は、その影響もあってかベンチスタートだったが、カンファレンスシーズン突入前にスターターに定着。しかもそれ以降、上記スタッツからも感じられるようにギアを一段上げている。昨シーズンの悔しさを糧に、飛躍した姿を見せているということができそうだ。


UNAはチームとしても、3月のA-SUNチャンピオンシップに向け好位置につけている。勝敗成績としては通算12勝13敗と負け越しているが、A-SUNでの13試合は7勝6敗。特に2月に入ってからは5勝1敗と好調で、A-SUNウエストディビジョンの2位まで順位を上げてきた。鈴木は紛れもなくその原動力だ。

 

 UNA は、AP全米トップ25で20位だったフロリダガルフ・コースト大学とのアウェイゲームでも、敗れたものの53-63と健闘した(鈴木は9得点、7リバウンド、2アシストを記録)。このまま“マーチマッドネス”と呼ばれる3月から4月上旬のNCAAトーナメントの時期に、最高の状態で突入することができるか。鈴木は間違いなくそのカギをが握るプレーヤーの一人だ。

 

マーチマッドネスの時期に旋風を巻き起こせるか、鈴木の活躍にチームからの期待も大きい(写真/University of North Alabama Athletics)

 


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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