月刊バスケットボール5月号

FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window2男子日本代表候補24人が発表に - アソシエイトヘッドコーチに元NBAコーリー・ゲインズ氏

 2月25日(金)から28日(月)に沖縄アリーナ(沖縄県沖縄市)で開催される、FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window2 に臨む24人の男子日本代表候補(予備登録メンバー)が発表された。今大会で日本代表は、2月26日(土)にチャイニーズ・タイペイ代表と、翌27日(日)にオーストラリア代表と対戦するが、各試合の最終メンバー12人 は今回発表の予備登録メンバー24人から選出され、各試合前日までに開催されるFIBAテクニカルミーティングでの承認を経て決定される。

 

昨年11月28日の対中国代表戦より(FIBA.WCQ)


発表された24人には、帰化プレーヤーが前回11月の中国代表との2連戦でプレーしたルーク・エヴァンスのほかにニック・ファジーカス、ライアン・ロシターと3人名を連ねた。また、その試合に向けた候補に名を連ねながら最終的にロスター入りを果たせなかったマシュー・アキノ、原 修太、野本建吾、今村圭太の名前もある。


11月に候補入りしなかったメンバーも、金丸晃輔、谷口大智、熊谷尚也、安藤誓哉、佐藤卓磨、コー・フリッピン、アイザイア・マーフィーと7人が招集された。中国代表との対戦に出場し、今回も続けて招集されたのは、前述のエヴァンスのほかに古川孝敏、比江島 慎、アキ・チェンバース、森川正明、富樫勇樹、齋藤拓実、寺嶋 良、シェーファーアヴィ幸樹、西田優大の10人となっている。


中国代表との2試合では、日本代表はポイントガードのペイントアタックを基軸としてオフェンスを展開し、主な得点源となったのも寺嶋、岸本ら小柄なポイントガード陣だった。一方でウイングのプレーヤーは特にロングレンジで良いショットを打たせてもらえず、西田以外は思うように得点に絡めなかった。フロントラインも中国代表の高さとスピードに十分対抗できず、結果としては2連敗を喫している。


今回も、特にオーストラリア代表との試合では同様の状況が十分予想でき、3Pシューターとして期待できるウイングプレーヤーが不可欠だ。その意味で東京2020オリンピックを経験し、そこで悔しい思いもしただろう金丸や、身体能力の高いフリッピン、マーフィーらの中からどんな人選が行われるか、またその人材を生かすためにどんな戦術で臨むかは一つの注目ポイントになりそうだ。

 

 今回の代表候補はすでに2月15日からWindow2 直前合宿を開催しており、この24人のうち21人が参加しているという。

 


なお、今回のスタッフには、NBAでプレーヤーとコーチとしての豊富な経験を持つコーリー・ゲインズ氏がアソシエイトヘッドコーチ(以下AHC)として登録されている。ゲインズ氏は日本にルーツを持ち、現役時代に一時日本リーグのジャパンエナジー・グリフィンズでプレーした経験もある。また田臥勇太とはプレーヤーとしてのキャリア晩年に ABA(当時)ロングビーチ・ジャムでプレーイングコーチを務めた際に、チームメイトだった。

 

コーリー・ゲインズAHC(写真/©JBA)


のちにWNBAのフェニックス・マーキュリーで大神雄子のキャリアに関わり、2016年には女子日本代表のリオオリンピックに向けた合宿でアドバイザリーコーチを務めるなど、日本のバスケットボールとの深いゆかりを持っているゲインズAHC。トム・ホーバスHCとともにどのようなリーダーシップで男子日本代表をけん引していくか、これもまた興味深い注目ポイントの一つだ。

 

FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window2男子日本代表候補

 


■チームスタッフ
チームリーダー 清水良規/JBA
ヘッドコーチ トム・ホーバス/JBA
アソシエイトヘッドコーチ コーリー・ゲインズ/JBA
アシスタントコーチ 佐々宜央/宇都宮ブレックス
アシスタントコーチ 勝久ジェフリー/川崎ブレイブサンダース
スポーツパフォーマンスコーチ 佐藤晃一/JBA
スポーツパフォーマンスコーチ 緒方博紀/JBA
アスレチックトレーナー 一柳武男/JBA
アスレチックトレーナー 岡本香織/JBA
サポートアスレチックトレーナー 古澤美香/JBA
チームドクター 金 勝乾/順天堂大学附属練馬病院
テクニカルスタッフ 冨山晋司/JBA
チームマネージャー 西村拓也/JBA
サポートスタッフ 齊藤尋太郎/JBA


■プレーヤー
※記載は名前、ポジション、身長(cm)/体重(kg)、生年月日(年齢)、所属(出身校、出身地)
竹内公輔 PF 206/100 1985/01/29 (37) 宇都宮ブレックス(慶応義塾大学、大阪府)
ニック・ファジーカス* C 207/114 1985/06/17 (36) 川崎ブレイブサンダース(ネバダ大学、アメリカ)
古川孝敏 SF 190/92 1987/10/20 (34) 秋田ノーザンハピネッツ(東海大学、兵庫県)
金丸晃輔 SG 192/88 1989/03/08 (32) 島根スサノオマジック(明治大学、福岡県)
ライアン・ロシター PF 206/105 1989/09/14 (32) アルバルク東京(シエナ大学、アメリカ)
谷口大智 PF 201/105 1990/04/15 (31) 茨城ロボッツ(サウスイースタン・オクラホマ州立大学、奈良県)
比江島 慎 SG 191/88 1990/08/11 (31) 宇都宮ブレックス(青山学院大学、福岡県)
アキ・チェンバース SF 191/90 1990/09/19 (31) 群馬クレインサンダーズ(カリフォルニア大学マーセド校、東京都)
熊谷尚也 SF 195/95 1990/11/16 (31) 川崎ブレイブサンダース(日本体育大学、福岡県)
ルーク・エヴァンス C 203/100 1991/03/16 (30) ファイティングイーグルス名古屋(カリフォルニア・バプティスト大学 アメリカ)
森川正明* SF 191/86 1992/03/07 (29) 横浜ビー・コルセアーズ(愛知学泉大学、福井県)
野本建吾 PF 201/101 1992/04/25 (29) 群馬クレインサンダーズ(青山学院大学、兵庫県)
安藤誓哉 PG 181/84 1992/07/15 (29) 島根スサノオマジック(明治大学、東京都)
富樫勇樹 PG 167/65 1993/07/30 (28) 千葉ジェッツ(モントロス・クリスチャン高校、新潟県)
原 修太* SF 187/96 1993/12/17 (28) 千葉ジェッツ(国士舘大学、千葉県)
佐藤卓磨 SF 197/93 1995/05/10 (26) 千葉ジェッツ(東海大学、北海道)
齋藤拓実 PG 172/69 1995/08/11 (26) 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(明治大学、神奈川県)
今村佳太 SG 191/92 1996/01/25 (26) 琉球ゴールデンキングス 新潟経営大学 新潟県)
コー・フリッピン PG 188/75 1996/05/20 (25) 琉球ゴールデンキングス(ドエイン大学、アメリカ)
マシュー・アキノ C 205/100 1996/09/28 (25) 信州ブレイブウォリアーズ(ナショナル大学、フィリピン)
寺嶋 良 PG 179/77 1997/10/23 (24) 広島ドラゴンフライズ(東海大学、東京都)
シェーファー アヴィ幸樹 PF 206/106 1998/01/28 (24) シーホース三河(ジョージア工科大学、兵庫県)
アイザイア・マーフィー SG 196/88 1998/04/10 (23) 広島ドラゴンフライズ(イースタン・ニューメキシコ大学、沖縄県)

西田優大 SG 190/90 1999/03/13 (22) シーホース三河(東海大学、徳島県)
*=合宿不参加

 


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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