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2022/02/12

ボスニア・ヘルツェゴビナ代表「32点差大敗」に見るべき日本代表2.13決戦のヒント

 2月12日に2日目を迎えたFIBA女子ワールドカップ2022予選は、おおきにアリーナ舞洲(大阪府大阪市)でカナダ代表対ボスニア・ヘルツェゴビナ代表の一戦が行われ、カナダ代表が96-64と32点差をつけて快勝を収めた。

 

 この結果、通算成績1勝1敗で全日程を終えたカナダ代表は、予定された日程を終えFIBA女子ワールドカップ2022本戦への出場権を正式に手にすることとなった。FIBAからの通達によると、ベラルーシ代表の出場辞退により、即座に残る3チームの本戦出場が確定したわけではなかったが、実際に予選日程を終えた段階でグループ上位3チームが本戦出場権を得るとのことだ。

 

カナダ代表は正式にFIBA女子ワールドカップ2022進出を確定した(FIBA.WWCQT.OSAKA)

 

 

 日本代表は13日(日)にボスニア・ヘルツェゴビナ代表(以下BIH)と今大会の最終戦で対戦するが、勝敗によらず試合が終了した時点で、両チームとも本戦への進出が確定することになる。ただしプレーヤーにもコーチングスタッフにも、新チームでの実戦感覚を養っていく意味合いや、スカウティング的な視点からも大事な一戦に変わりはない。


 カナダ代表との対戦で、BIHはまず中心となるべきジョンケル・ジョーンズのフェイドアウェイ・ジャンパーと3Pショットで5-2と先行した。しかし以降は試合を通じてカナダ代表のペース。32点差という結果はどちらが勝つにしても予想しにくい対戦だったが、ゴラン・ロヨHCの試合後のコメントを聞くと、その背景には時差への対応に苦慮した身体的なコンディション管理の難しさや、ワールドカップ本戦出場権をねらえる大舞台での最初の試合だったことによるプレーヤーたちの緊張も、大きく影響したものと思われる。その結果いくつか、想定外のことが起こった。中でも日本代表との試合を前に、特に注目すべきなのは以下の4つのポイントと思われる。


1. ディフェンスのインテンシティー

 

 ロヨHCは、特に前半のディフェンスの出来の悪さを悔いるコメントをしていた(次ページ参照)。中でも象徴的なのはカナダ代表のシューター、ブリジット・カールトンに28得点を献上したことだ。それもフィールドゴール12本中11本成功(成功率91.7%)、うち3Pショット7本中6本成功(85.7%)という驚異的な高確率。カナダ代表はチームとしてのフィールドゴール成功率も60.0%で、3P成功率も42.1%に達していた。

 

 もちろんこれは、カールトンとカナダ代表のオフェンス力、決定力をまずは称えるべき結果だ。実戦で90%越えの決定力は、並大抵のシューターに達成できる数字ではないことを記しておきたい。その上で、BIH側がどんな点を改善するかが注目点となる。

 

驚異の決定力を見せたブリジット・カールトン(FIBA.WWCQT.OSAKA)


2. リバウンドで圧倒的に敗北


 コンディションが整っていなかったBIHに対し、カナダ代表はフィジカルにぶつかってきた。21得点、8リバウンド、6アシストを記録したナタリー・アチョンワ(191cm)と、14得点、7リバウンド、4アシストのケイラ・アレクサンダー(193cm)の2人のセンターを中心に、カナダ代表はチームとして39-22とリバウンドで圧倒している。


 前述のようにカナダ代表が高確率でフィールドゴールを成功させられた裏にも、リバウンダーの奮闘がシューターに自信をもたらしたことが要因として挙げられるだろう。

 


3. 爆発力を封じられたジョーンズとバビッチ


 絶対的な武器として期待したジョーンズは、フィジカルな戦いで劣勢となった流れの中で“モンスター・ゲーム”と呼べるようなパフォーマンスを見せることができなかった。15得点、5リバウンド、5アシスト、2スティールという数字を見て、決して悪いプレーぶりではないのだが、カナダ代表とすればこの範囲ならば勝ちと思えるレベルだったのではないだろうか。

 

ジョンケル・ジョーンズの出来は悪くはなかったが、本来の姿とまでは言えない印象だ(FIBA.WWCQT.OSAKA)


 同時に、ロングレンジからの得点に期待がかかったニコリーナ・バビッチは、3Pショットが5本中成功1本のみの成功率20.0%に終わった。バビッチも2Pショットは6本中5本を決めて16得点を稼いでおり、決して悪い出来というべき内容ではない。しかし、最大の武器を封じ込めようというカナダ代表のゲームプランを打破できなかったとは言えそうだ。

 

試合後会見でバビッチは「もう一度カナダ代表と戦いたい」と悔しさをにじませていた(FIBA.WWCQT.OSAKA)


4.主軸の一人、マリツァ・ガイッチの故障欠場


 インサイドでもアウトサイドでも脅威となりうる185cmのパワーフォワード、マリツァ・ガイッチが、この試合では故障のため出場できなかった。FIBAユーロバスケット2021で平均12.5得点、10.3リバウンドを記録していたプレーヤーであり、フィジカルなカナダ代表に対抗する上で、プレーメイカーの頭を悩ませる非常に大きな痛手だったはずだ。

 


2.13(日)、日本代表との一戦の行方


 さて、問題は13日(日)に日本代表がBIHを迎え撃つ際に、以上のようなポイントがどのように調整されてくるかだ。最大の焦点はコンディショニングで、仮に1試合をこなしたことでグンと良好な状態になることがあれば、この日の結果はまったく当てにならないということになるだろう(その点では、BIHが連戦となる一方で日本代表は2日空けての試合であること、ジョーンズがゲームハイの36分52秒プレーしたこと、ガイッチの状況がどんな影響をもたらすかも興味深い)。


 大会開幕前の会見で、恩塚 亨HCは初戦で当たったカナダ代表に対してもしっかりスカウティングと準備を整えていることを語っていた。しかし、それでも39分間は劣勢だったのだ。ジョーンズが手の付けられない状態になれば、バビッチをはじめほかのスペシャリストたちが躍動し始める。どんな戦いになるかは、やってみなければまったくわからない。


 日本代表側の戦い方としては、カナダ代表との対戦でも明らかだったように、3Pショットを封じられるとやはり厳しい戦いになるので、ペリメーターでオープンルックをできるだけ多く作る工夫が勝利に向けた重要事項になるだろう。そのためにどんな戦術でぶつかっていくかを見るのはこの試合の面白みの一つだ。


 また、ジョーンズの威力を最小化しながら、ほかのプレーヤーたちとの連係を阻止するチームディフェンスと、それをカナダ代表との初戦のように、たとえ劣勢になっても40分間、場合によっては45分間、50分間とやり切るタフさ、その中で最善の判断に基づくプレーをつないでいくことができるか。今回のチームにとって本番前の2度目のテストで好感触を得られることを期待したい。


 ロヨHCは試合後、「今日はカナダ代表が勝つべくして勝ちました。特にディフェンス面で、改善するところは改善して、明日はまた新しい一日、あらたな試合で日本代表に挑みますよ」と話した。高い意欲とともにぶつかってくる危険な相手に、日本代表もしっかり戦って、文句なく勝利で本戦進出を決めたいところだ。

 

 

次ページ: 両チーム試合後コメント(抜粋)

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