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2022/01/27

八村 塁(ウィザーズ)完全復帰へのステップ

 日本時間1月10日(北米時間9日)のオーランド・マジック対ワシントン・ウィザーズ戦で、今シーズン初めてプレーした八村 塁は、その後日本時間26日(同25日)の対ロサンゼルス・クリッパーズ戦まで計9試合連続出場中だ。復帰初戦から豪快なダンクを披露するなど動きは良く、日本時間22日の対トロント・ラプターズ戦では、ファン待望の渡邊雄太とのマッチアップも実現した中で11得点にシーズンハイの8リバウンドと数字も残した。

 


 実戦のスピード感に適応してきているのと同時に、直近6試合では3Pショットも最低1本以上成功させており、シューティングタッチもかなり取り戻してきていることが感じられる。この6試合でのフィールドゴールは44本中20本を決めて成功率45.6%とまずまずだが、実は3P成功率が14本中7本成功の50.0%とさらに高い。


 八村の今シーズンのショットチャートを覗いてみると、ペイントでの攻防に強く、また3Pショットに加えてエルボー付近からのジャンプショットが有効であることがわかる。これは昨シーズンも大きな武器としていた八村のシグニチャー・ムーブと言っても過言ではないプレーだ。つまり、復帰後9試合目にして、自分のスポットに攻め込んで優位な状況を作り出せていることを、示すデータと言えるだろう。


 右エルボーからややサイドライン側によった、ミドルレンジからいわゆるショートコーナーと呼ばれるエリアでは確率が低く、左サイドの同エリアではアテンプト自体が少ない傾向がある。また、3Pエリアでフェイクをかけてドリブルを一つついてからのロングツーが昨シーズンまでは多かった印象だが、今年はそれがほとんどない(3Pショット自体のアテンプトがまだ少ないので、今後増えてきてクローズアウトされる頻度が高くなってくると、これも変わってくるのかもしれない)。こうした傾向の良し悪しは簡単に判断できないが、知っておくと観戦の楽しみの一つにはなりそうだ。

 

 

遠征、出場時間、ケミストリー


 9試合で平均7.9得点、3.9リバウンドと順調な仕上がりを見せている八村が、完全に昨シーズンのコンディションに戻りさらに幅を広げていく過程で、日本時間1月30日から3試合続く遠征が一つのテストとなるかもしれない。プレーできる状態になってからの八村は、初戦の対オーランド・マジック戦を除く8試合がすべてホームのキャピタルワン・アリーナでの試合だった。

 

 コンディションを保ちやすい環境下で調子を上げてきた後、遠征で複数の試合をこなす初めての機会。相手もメンフィス・グリズリーズ(ウエスタンカンファレンス3位、33勝17敗)、ミルウォーキー・バックス(イースタンカンファレンス5位、30勝20敗)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ(同6位、28勝19敗)といずれも強敵だ。しかしここで活躍できるようなら、以降のシーズンも高い期待を持って見通すことができるのではないだろうか。


 もう一つ個人として必ずクリアしなければならないのは、出場時間の伸長だ。八村の9試合で最も出場時間が長かったのは、前述のラプターズとの試合で19分50秒。ここまでの平均は15.7分となっている。これは過去2シーズンの約半分の長さ。単純な話、現在の2倍の時間にわたって現状と同じかそれ以上のパフォーマンスを継続させることが、数字上の完全復調になる。この部分は遠征の3試合でクリアというような類いの項目ではなく、長い目で見守らなければならないだろう。しかしそれが達成されたときの八村は、当然ハイレベルな貢献を期待できる。

 


 最後にもう一つ、今後ステップアップしなければならないのは、ウィザーズ内のケミストリーではないだろうか。これは八村個人というよりはウェス・アンセルドJr.HC以下チーム全体としてのトピックスだ。ケミストリーが悪いということではなく、まだまだ完全復調への途中経過にある八村の出場時間を延ばしていく過程で、特にポジションが重なるカイル・クーズマをはじめとしたフロントラインのメンバーのタイムシェアをどのようにコントロールし、またコート上での連係をいかに高めるかという問題だ。

 

 八村が復帰してからのウィザーズは、最初の5試合を4勝1敗とした後、4連敗という状況。通算成績は23勝25敗と黒星が先行する状態となっている。特に直近のクリッパーズとの一戦は、前半を64-39の25点リードで折り返しながら、後半49-80と大きく上回られての記録的な逆転負けだった。


 シーズンが折り返しを越えた今、やや下降気味のチーム状況を立て直す上で、八村を含むチームの連係を高めていくことは急務かもしれない。現在の順位はイースタンカンファレンスの10位で、プレーイントーナメント出場圏内ギリギリの位置。混戦のイーストで、復調していく八村がウィザーズの上昇をどのように助けていくか。まずは今回の遠征でのプレーに注目だ。

 


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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