月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.01.20

八村 塁が2試合連続2桁得点、ウィザーズは東の強豪ネッツに惜敗

 八村が順調にパフォーマンスレベルを上げてきている。日本時間1月20日(北米時間19日)にホームのキャピタルワン・アリーナで行われたブルックリン・ネッツ相手のホームゲームで、控えとして16分45秒プレーした八村は、フィールドゴール9本中5本(うち3Pショット4本中2本)を沈めてシーズンハイとなる14得点。前試合に続く2試合連続での2桁得点に加え、シーズンハイに並ぶ5リバウンドと今シーズン初のブロックショット1本も記録するなど、攻守に活躍した。

 


ウィザーズは第3Qを終わって86-97と11点を追う厳しい立場だったが、最終クォーターは序盤から反撃に転じた。その中で八村はこのクォーターの最初の得点となったレイアップを含め、開始から2分間でフィールドゴール2本とフリースロー1本の5得点で追い上げに貢献。最終的にベンチに下がった残り8分21秒時点では、ウィザーズは97-104と点差を7に縮めることができていた。


その後もウィザーズの反撃ムードは収まらず、残り36.6秒にカイル・クーズマが3Pショットを成功させた時点で118-119と1点差に迫る。次のネッツのオフェンスでは、ジェームズ・ハーデンのレイアップをモントレズ・ハレルが空中で豪快に叩き落としてボールを奪い返し、約15秒を残して逆転勝利のチャンスを手にした。最後のオフェンスを実らせることができず惜しくも黒星となったが、八村をはじめレギュラーメンバーがそろってきて、オフに期待した本来のチーム力が発揮できる状態に近づいたことを感じさせる内容だった。

 

 安全衛生プロトコル適用下のウェス・アンセルドJr.HCに代わって、チームを指揮しているジョセフ・ブレアー臨時HCは、試合後の会見で八村の出来について次のようにコメントしている。

 

「安定感のある復調ぶりだと思います。まだ流れに乗ってきている段階で、もっと良くなりますよ。出場している時間に心地よくリズムに乗ってプレーできるようになるでしょう。我々のオフェンスや動き方、スペーシングといったことを学んでいるところです。どんどん強く向上していきますよ。うれしい仕上がり状態ですね」

I think he’s constantly getting steps ahead. He's still getting into the flow. I still believe..., I think we all know he can still getting better, more comfortably when he's out there and more in the rhythm you know. So, just learning our offense, just learning movements, learning spacing, those type of things. He's gonna continue to thrive and improve. I was pleased with his performance.

 

試合後会見でのジョセフ・ブレアー臨時HCは、八村のパフォーマンスに自信を見せていた


ウィザーズの次の試合は1月22日(土=北米時間21日[金])の対トロント・ラプターズ戦。調子を上げてきている八村が、大学時代をワシントンD.C. で過ごした渡邊雄太を迎え撃つこの試合は、『Japanese Heritage Night』と題され日本の文化を紹介する特別なイベントとしてプロモーションされている。またこの一戦は日本代表オリンピアン同士のマッチアップを期待できるというだけではなく、プレーオフ、プレーイントーナメントに向けた順位争い上もライバル同士の2チーム(ウィザーズが23勝22敗でイースタンカンファレンス8位、ラプターズが21勝21敗で同10位)による見どころの多い対戦だ。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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