Bリーグ

2022.01.11

Bリーグ入り目指し48人がトライアウト - B.DREAM PROJECT 2022レポート

教員、学生、さまざまな立場でハイレベルなコーチングを目指す人材が参加


一方、コーチの立場で集まった5人は、20歳代前半が2人と30歳代前半が3人。辞退した1人が最年少の20歳の女性だったが、実際に参加した5人は全員男性だった。用意された資料に目を通すと、公益財団法人日本バスケットボール協会公認のB級資格を持つコーチが3人、E級コーチが2人、C級コーチが1人という内訳。全員が強い意欲を持って、それぞれのチームでコーチングに情熱を注いでいることが記されていた。

 必ずしもバスケットボール一筋の人生を進んできたのではなく、中学校の英語教員がバスケットボール部の副顧問となったことをきっかけとして本格的にコーチングの喜びに目覚めたという人材もいる。さまざまな形で競技と向き合い、ハイレベルなコーチングを身につけたいという情熱を持つ5人は、自チームのメンバーの緊張をほぐし、スクリメージを見つめて戦術的な引出しを試し、プレーヤーたちのポテンシャルをフルに発揮させようと懸命な様子だった。

 

コーチの立場で参加した5人にとっては、トップレベルのプレーヤーを指揮する貴重な経験の場となった(写真/©B.LEAGUE)

 

 

 チームのフロントスタッフから声がかかったプレーヤーには、直接的にキャリアのドアが開く(実際に数人のプレーヤーが、解散前にそうした機会を得たようだ)。そうならなかったプレーヤーたちも、そこで終わりではない。実際前述の森川をはじめ、昨年も参加していたプレーヤーが複数いる。チャンスはこれからもやってくる。コーチとして参加した5人は、そのレベルにあるプレーヤーを率いた経験と、あらたな交流で生まれた人的ネットワークを持ち帰り、今後のコーチングとキャリア構築に生かすことができる。

 プレーヤーもコーチも、「バスケットボールで生きていく」ということを、例えば10年前とは比較にならないほど現実的な可能性とともに語れる環境ができてきつつある。B.DREAM PROJECTはそんなことを再認識する取材現場だった。

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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