月刊バスケットボール5月号

【Vol.6】Shoes Review KYRIE 1

シューズレビュー5回目は、カイリー・アービングの1stシグネイチャー、「KYRIE 1」 今やシグネイチャーモデルを用意されるのはトップアスリートである証明に他ならない。NIKEからもコービー、レブロン、デュラントに次ぐ4人目の選手として頭角を現しているカイリー・アービングモデルだ。   体育館で2時間ほどの練習、4~5回程度に着用、10項目でシューズの機能を考察/検証、所有者の身体、身体能力など、履き心地など個人差がありますので、あくまで参考程度にとどめておいてください。  

    ・フィット感 7/10 -ハイパーフューズアッパーとスリークォーターのミッドカットにより、最近のモデルに多い、ハイカットの履きづらさはなく、足入れをしやすいシューズといえる。ただ、シグネイチャーモデルとしてアービングに足型を合わせているため、ラストが合わないと、シューズ内で少々遊ぶ感じがある。   ・ホールド性 8/10 -オーストラリアの「オペラハウス」にインスピレーションを得たデザインのヒールカウンターが後足部、かかとを固定してくれる。個人的には前足部が若干幅広く、シューズ内で足が遊ぶ印象ではあったが、かかとのホールド感と、カットの高さのおかげで、違和感なくステップを踏める印象だった。      

      ・トラクション&トランジション 10/10 -クイックネスを重要視するアービングのプレイスタイルに合わせたチューニングなので、縦方向への走りやすさは非常に良い、また横方向への動きもミッドカットのアッパーと相まって非常に切り替えしがしやすい。    

    ・クッショニング 前足部9/10 後足部6/10 -全体的に若干硬めの印象、使用頻度が上がればもっと足馴染みも出てきて印象は変る可能性もあると感じた。 ・前足部:ズーム エアが搭載されているのでクッションに不安なく、走り出しもサポートしてくれる感触があった。 ・後足部:少し硬めな印象、ジャンプ時や着地時にかかとを使うプレイヤーはコートとの衝撃を緩和しきれないかもしれない。 ・軽量性 9/10 -ハイパーフューズの一体成型アッパーなのでシューズ自体の重量は非常に軽い印象、ミッドカットながら、ローカットモデルと比べても遜色ない軽さだった。   ・グリップ 9/10 -全体に配置されたギザギザのヘリボーンパターンのアウトソールは前足部がミッドソールまで巻き上げてあり、360度全方向の動きに対してもグリップを発揮してくれる。    

      ・通気性 8/10 -アッパー全体を覆う、ハイパーフューズアッパーと目の大きく配置されたメッシュ素材で他のフューズアッパーを採用しているシューズよりは格段に通気性は確保されていた。   ・耐久性 7/10 -ハイパーフューズアッパー自体は非常に耐久性が高い素材だが、シューレースを締める際にレースホール部分がどうしてもヘタってくる印象がある。    

    ・屈曲性 9/10 -全体的にアッパーもソールも最初は少し硬めな印象を受けるが、着用しているとすぐに解消される。基本的には足馴染みもよく、プレイの妨げることのない程よい屈曲性があると感じた。   ・補足:足幅はやや広め、特に前足部は幅も広く取られている印象、足幅が狭く、甲が低い足型の自分としてはシューズ内で若干、足が遊ぶ印象がどうしてもあった。ただ、他のNIKEシグネィチャーモデルと比べると、非常に日本人のプレイヤー向きなシューズではないかと感じた。    

    合計 82/100 カイリー・アービングの1stシグネィチャーモデルは足型が合うならば、足馴染みもよく、日本人プレイヤーにとっても魅力的なバッシュだと感じた。最近のNIKEモデルにはないスリークォーターのミッドカットや、耐久性の高さ、クイックネスを重要視されて仕上げられているソールパターン、さらに言えば価格帯も含めて、部活プレイヤーにも好まれるモデルではないだろうか。

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