月刊バスケットボール5月号

【ウインターカップ2021】総体8強の柴田学園が大激戦に勝利。残り5秒、逆転を狙った熊本商のシュートはリムに弾かれる

 

インターハイベスト8の柴田学園(青森県)に対して、熊本商(熊本県)も高い集中力でプレー。最後の最後まで、勝敗がわからない激戦となった。12月23日、「SoftBank ウインターカップ2021(令和3年度 第74回全国高等学校選手権大会)」大会初日女子1回戦、熊本商(熊本県)柴田学園と対戦。柴田学園が59-58で勝利し、2回戦に駒を進めた。

 

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熊本商はPG#4梶原菜々美主将のドライブを基点に、柴田学園はPF#12佐々木杏花のインサイドを軸にそれぞれ攻撃を展開。柴田学園の17-13で1Qを終える。2Qに入っても、互いに堅いディフェンスを見せ、なかなかシュートが決まらない。柴田学園はPF#17秋谷詩の頑張りもあって、わずかにリードを保ってクォーター終盤へ。対する熊本商は、#9吉田百合のシュートなどで食らいついていく。すると残り53秒、スティールからの速攻で#4梶原がナイスアシスト。#18寺本静来がゴールにねじ込んで26-28と2点差とする。

 

続く柴田学園のオフェンス、インサイドでボールを受けた#12佐々木だが、ディフェンスに囲まれてしまう。なんとか右ウイングにボールを放り出すと#7相馬嘉乃がそれをキャッチし、すぐさま3Pシュート。ショットクロックぎりぎりに放たれたボールは見事ゴールに吸い込まれる。柴田学園が31-26、5点差リードで2Qを終える。

 

3Q立ち上がり、柴田学園は#17秋谷、#7相馬らが早いテンポの攻撃で得点を重ね、37-26とリードを2ケタに広げる。
しかし、ここから熊本商のリズムが良くなる。粘り強くディフェンスして得点を阻むと、#4梶原主将、#18寺本、インターハイで1試合9本の3Pシュートを決めている#8前田紫音、#14田尻有香らが得点を重ねていく。残り3分23秒、寺本がフリースロー2本を沈めると38-39と1点差に迫る。

 

それでも柴田学園は逆転を許さない。#17秋谷が3ポイントプレー、終了間際に#7相馬がまたも3Pシュートを沈めて、柴田学園が46-42と4点差をつけて3Qを終えた。

 

互いに譲らない展開は4Qに入っても続く。
柴田学園は#12佐々木がインサイドで得点。8点差にリードを広げると、今度は熊本商が流れをつかむ。#8前田が3Pシュート、ロングシュートと立て続けに決めるなどで残り4分強で51-52とすると残り2分15秒、#15坂本芙実乃がインサイドにドライブしてレイアップ。これが決まって56-54とついに逆転に成功する。

 

直後のオフェンス、今度は柴田学園の#15石田侑真がトップから3Pシュートを決めて再逆転。続いてポイントを決めたのは熊本商#18寺本。スティールからの速攻、#14田尻有香のアシストを受けてレイアップを沈めて、残り36.9秒で58-57とまたまた逆転に成功する。

 

柴田学園はここでタイムアウトを取る。互いの応援団が手を組んで祈る中、インバウンドでプレー再開。右ショートコーナーでパスを受けとった#15石田が、ゴールにドライブ。ディフェンスを引きつけると、オープンとなった#12佐々木にゴール裏からパス。このチャンスを落ち着いて決めて59-58、残り22.3秒で1点リードを奪った。

 

逆転勝利を目指して、最後のオフェンスに挑む熊本商。#4梶原主将からボールを託された#15坂本は左ウイングからドライブを仕掛ける。しかし、柴田学園#15石田に対応されてシュートが打てず。#15坂本は、なんとかトップにいる#4梶原主将にパスを出す。残り6.8秒、躊躇することなくドライブしてシュートを放ったが、これがリムに弾かれてしまい、万事休す。59-58、柴田学園が最後まで粘る熊本商をわずか1点差で退けた。

 

勝利した柴田学園は、#12佐々木が12得点、14リバウンドのダブルダブル、#7相馬が15得点、#17秋谷が14得点と活躍。熊本商は#15坂本が12得点、#8前田が10得点をマークしている。

 

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写真/JBA
文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)

 



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