月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2017.10.17

【B.STARS Vol.5-③】富樫勇樹(千葉ジェッツ)

疾風(はやて)のような167cm! 富樫が創り出すアップテンポな展開を見逃すな!!   千葉ジェッツ#2/167cm/PG/1993年7月30日生まれ/モントロス・クリスチャン高  

    NBAへの挑戦! そして“点の取れるガード”として 天皇杯初優勝に貢献    こうして自身のスタイルに手応えを感じた富樫は、NBAに挑戦することを表明し渡米(2014年)。ダラス・マーベリックスのキャンプやサマーリーグに参加し、「そこまで出場時間ももらえず、自分のプレイをすべて出せたわけではありませんが、その中でもスピードやシュートは出せたかな」(富樫)というプレイを見せたことで、マーベリックスと契約するに至る。しかし残念ながらすぐに解雇となり、その後はDリーグでプレイするが、ケガなどにより途中離脱。    そして翌2015年、Dリーグを離れヨーロッパに渡った富樫はイタリア・セリエAのディナモ・バスケット・サッサリとプレシーズン契約を結ぶもシーズン契約とはならず、帰国。千葉ジェッツと契約することになるのだが、「ポイントガードとしてゲームメイクするとともに、積極的に攻めたい」という富樫のプレースタイルをチームメイトにも理解されるようになった2シーズン目(Bリーグ開幕年)には、チームを天皇杯優勝に導く活躍を見せた。    しかし、Bリーグ開幕年の優勝を狙っていたチャンピオンシップでは、セミファイナルで、後に優勝することになる栃木と対戦し0勝2敗で敗退。それでも第2戦では田臥にマッチアップされながらも得意の速い展開に持ち込み、1Qを終えて33‐13と20点もの差を付けたことは、2017‐18シーズンにつながるものとなった。     富樫が創り出す アップテンポなバスケットで群雄割拠の東地区から抜け出せるか?    そして迎えた2017-18シーズン。2年目の指揮となる大野篤史ヘッドコーチを含め、好成績を残した昨季のメンバーから大きな変動のない千葉が開幕節で戦ったのが、昨季B2の初代王者となり、今季からB1に上がってきた西宮。谷直樹、道原紀晃という安定した攻撃力に、ドゥレイロン・バーンズ、ジョーダン・ヴァンデンバーグという外国籍選手がうまくかみ合い、飛び抜けた成績を残しているわけではないものの、機動力を活かしたバランスの良さがウリのクラブだ。    その西宮相手に、9月30日の1試合目を86‐70と快勝すると、翌10月1日の2試合目も93‐72と圧勝。その中で富樫は、1戦目こそ26分43秒の出場で6得点、7アシストに終わったが、2試合目は3Pシュート2本を含む23得点(チームハイ)、9アシストと持ち味を発揮。    千葉は昨季、大野HCが就任してから、富樫を軸にした速いバスケットへの転換を図ってきたが、今季はチームが掲げる“走るバスケット”にアジャストできるギャビン・エドワーズ、トニー・ガフニーといった外国籍選手が加わったこともあり、そのスタイルにますます磨きがかかっている。といっても、他クラブも戦力を充実させており、特に千葉が属する東地区は昨季の王者・栃木をはじめ、2位の川崎、そしてA東京とそれぞれの特長&個性の強いクラブばかり。    そんな中、ポイントとなる第3節の栃木戦は、相手のホームに乗り込んでの戦いだった。富樫がマッチアップしたのは日本人として唯一NBAでプレイした田臥勇太。同じポイントガードとして田臥を押さえ、それを上回っていき、10月14日の初戦は76‐70の逆転勝ち、翌10月15日は77‐54で完勝。富樫が創り出す、アップテンポなバスケットがカギを握った戦いになった。   (おわり)   ▼月刊バスケットボール編集部員が語る“富樫勇樹”のここに注目!! https://sports.mb.softbank.jp/vod/player/14757  

PICK UP