月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2017.11.09

【B.STARS Vol.10-①】田臥勇太(栃木ブレックス)

高校9冠・日本人初のNBA選手・

Bリーグ元年優勝と20年以上、

日本バスケ界の顔として君臨!

 

栃木ブレックス#0/173cm/PG/1980年10月5日生まれ/ブリガムヤング大ハワイ校

 

 

 

中学時代はCM

ユーイングと競演

 

 田臥勇太は、名実共に“男子日本バスケットボール界の顔”と言っていい選手だ。直近では、キャプテンとしてチームを率い、歴史的なBリーグ開幕年(2016-17シーズン)で優勝。2004年には日本人として初めてNBAデビュー。そして高校時代に遡れば、前人未到の3年連続3冠(1996-98年。インターハイ、国体、ウインターカップ)を達成。記録を築くだけでなく、節目節目でその名を人々の記憶に刻むトピックスを提供してきた。

 

 そんな田臥が初めて全国的に“見つかった”のは、小学6年生で出場した3度目の全国ミニバス大会(1992年)。既に地元横浜のミニバス界では田臥と鈴木広美(田臥より14cm背が高かったチームメイト)のコンビは名が知れ渡っていたが、この全国大会でベスト8(優勝したチームに4点差で敗退)に入ったことで、その光るパスセンスが関係者をうならせることとなったのだ。

 

 その後、大道中学に進学した田臥は、ガードとしてチームを牽引し、3年時には全国中学校大会ベスト4をマーク(1995年)。準決勝で洛西中学に負けたのだが(その後、洛西が優勝)、田臥のプレーが他と一線を画すレベルの高さだったことを示すエピソードがある。なんと、㈱ベネッセコーポレーションの進研ゼミ『中学講座』のCMに登場する中学生として白羽の矢がたったのだ。優勝チームからではなく、ベスト4の田臥が選ばれたことこそ、田臥のプレーが非凡だったことを証明するものといっていいだろう。

 

 しかし、田臥は最初から二つ返事で引き受けたわけではない。当時、女子中学生のファンに囲まれてもモジモジしてしまうシャイな田臥は、CMに出ることを渋っていた。しかし、NBAのスーパースター、パトリック・ユーイングと一緒に出ることが分かると、心は変わっていた。そして渡米し、ユーイングとのCMに臨んだ田臥。何度もリハーサルを行った後、当時、身長168cmの田臥が、213cmのユーイングをかわしてダンクするというシーンを撮影。後日、その映像がCMとして流れたことで、田臥の名は一気に全国区へと広がった。

 

(つづく)

 

▼月刊バスケットボール編集部員が語る“田臥勇太”のここに注目!!

https://sports.mb.softbank.jp/vod/player/14717

 



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