ウインターカップ2017

ウインターカップ2017
平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会

【日程】平成29年12月23日(土・祝) ~12月29日(金) 【会場】東京体育館

ウインターカップコラム

2017年12月26日

ウインターカップ名勝負列伝(男子編)

〈2014年〉明成vs.福岡大附大濠

 

 

<2006年>

エース湊谷が圧巻の40得点!

現在の日本代表エース比江島は、ここからウインターカップ3連覇!!

<2014年>

悔し涙で目を曇らせながらもシュートを決めた三上!

相手のダンクをリング上でブロックした八村!!

2年生チームの明成が夏のリベンジを果たし2連覇達成!!!

 

 

大会直前に入院したエース湊谷が

決勝戦最多の40得点をマーク!(2006年)

 

 洛南(京都)×北陸(福井)とインターハイ決勝と同カードとなった、この年のウインターカップ決勝戦。夏は、洛南の3年生エース⑤湊谷安玲久司朱(横浜)を北陸がどう止めるかが注目ポイントだったが、試合の要所で好スティールを見せた⑤多嶋朝飛(北海道)、12アシストを記録した⑥篠山竜青(川崎)の3年生ガードコンビを擁する北陸が98‐91で勝利している。

 

 洛南としてはリベンジの機会を与えられたことになるが、不安だったのは大黒柱・湊谷の体調。実は湊谷は、大会約3週間前に風邪をこじらせ扁桃腺炎を起こして入院。手術を受け、6日間の入院中は点滴のみだったこともあり体力が落ちていたのだ。それでも何とか大会に復帰。当の湊谷は「入院して脂肪が落ちて、逆にスムーズに動けるようになった」と言うが、そんなチームの危機に「自分がやらなきゃ」と奮起したのが、洛南のもう一つの得点源である2年生の⑧辻直人(川崎)。初戦から準決勝まで積極的なプレーを随所に見せ、チームを勢いづけてきた。

 

 そして迎えた決勝戦。1Qは一進一退の展開となるが(1Qを終え22‐21で北陸リード)、2Qで流れをつかんだのは洛南。ディフェンスリバウンドをもぎとり速い展開に持ち込むと、エース湊谷がドライブ、3Pシュート、ミドルショットで次々とネットを揺らしていく。

 

 前半で41‐49とリードされた北陸は、3Q、⑪永手ワシントンの速攻などで巻き返すが、逆転するまでには至らず。そして70‐64と洛南が6点差で突入した4Qの残り7分、ここで湊谷の連続3Pシュートを沈め勝負あり。

 

 この試合、「決勝の3Pシュートは外す気がしなかった」という湊谷がたたき出したのは実に40得点。これは、決勝戦としては1993年に安西智和(土浦日本大)が挙げたものに並ぶ最多タイ記録となった。

 

 ちなみに、この試合で、辻にならぶチーム2番目となる14得点を挙げた1年生の⑰比江島慎(三河)は、この大会から翌年、さらに次の年と勝利し、ウインターカップ3連覇。現在、日本代表のエースとして活躍する片鱗をこのころから見せていたのである。

 

〈2006年〉湊谷安玲久司朱(洛南)

 

 

涙と執念で手にした日本一!(2014年)

 

 決勝まで勝ち上がってきたのは明成(宮城)、そして福岡大附大濠。両校が全国大会決勝戦で激突するのは、前年のウインターカップ(明成が勝利)、夏のインターハイ(大濠が勝利)に続き3回目。この時代を代表する2強の黄金カードとなった。

 

 このうち明成は、④増子優騎(玉川大)、⑥納見悠仁(青山学院大)、⑧八村塁(ゴンザカ大)、⑨足立翔(中央大)、⑩三上侑希(中央大)といったスタメンだけでなく、⑦富樫洋介(立教大)、⑭井上駿(日本体大)と主力は全員2年生。名将・佐藤久夫コーチも「今までは必ず軸となる3年生がいました。2年生だけで優勝したことはない」と不安があったのは確かだ。

 

 一方の大濠は、片峯聡太コーチが「チームの強みは⑬津山尚大(沖縄)という絶対的な存在がいること」と信頼を寄せる3年生がいる。これに⑧牧隼利(筑波大)、⑨増田啓介(筑波大)といった伸び盛りの2年生が加わることで、ガード、フォワード、インサイドと3本の軸を構成。それにより、大濠が得意とするアグレッシブなディフェンスから止まることなくリングに向かう攻撃的なプレーを演出していく。

 

 その両校の対決は、出だしこそ足立の得点で明成がリードするが、大濠が明成の得点源である八村、三上を徹底的にマーク。攻めては津山と牧が20得点を稼ぎ出し、3Qには大濠がリードを2ケタまで伸ばしていく。

 

 そして迎えた4Q。ここから後に語り継がれる2つの出来事が起る。

 

 一つは、明成・三上の涙。それまで3Pシュートがことごとくリングに嫌われていた三上は、タイムアウト時に自らのふがいなさに感情の高ぶりを押さえられず泣き出してしまう。しかし、それが「三上の涙を見て気持ちを分かち合い、一つになった」と佐藤コーチ。そのタイムアウト明け、三上は涙で目を曇らせながら、難しい体勢から同点シュートを沈めてみせた。

 

 そして2つ目が、その後に訪れた八村の驚異的なブロック。残り1分を切って69‐69と同点の場面で、大濠・牧がドライブからダンクシュートを狙ったところを、八村がリングより上に手を出しボールを押さえて阻止したのだ。

 

 この2つのプレーで、流れを呼び込んだ明成は、富樫のシュートがリングに弾かれたところを八村がタップしてシュート。これが決勝点となり71‐69で勝利。大濠相手に夏のリベンジを果たし、悲願であったウインターカップ2連覇を達成した。

 

(月刊バスケットボール)

 


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