ウインターカップニュース

2017年12月25日

ウインターカップ名勝負列伝(女子編)

〈2008年〉渡嘉敷来夢(左・桜花学園)×間宮佑圭(東京成徳大)

 

<1994年>残り0秒からの逆転勝ちで3冠獲得を決めた名古屋短付!

<2008年>渡嘉敷37得点×間宮36得点! 現女子日本代表が激突し激しく点を奪い合う!!

 

 

可能性は負け、同点延長、逆転勝ちの3つ!

運命を決めた0秒からの3本のフリースロー!!(1994年)

 

〈1994年〉名古屋短付vs.純心女

 

 サッカーのようにアディショナルタイムがあるわけではなく、テニスやバレーのように時間無制限のわけではない。コンマ0秒まで正確に時間で管理されているのがバスケットで、だからこそ試合最終盤にドラマが訪れることも多い。

 

 それを最も象徴した戦いが、1994年の決勝戦、名古屋短付(現桜花学園/愛知)×純心女(長崎)の一戦だろう。このうち名短付は、夏のインターハイと国体に続く3冠を目指していたが、大会前にエース④服部梨絵がじん帯を断裂。また、大会中も主力2人が体調不良に。苦難の中で、何とか決勝まで進出してきていた。

 

 一方の純心女は、エース⑤永田睦子が絶好調。準決勝まで1試合平均36点を記録マークし、意気揚々と決勝戦に乗り込んできていた。

 

 そんな中、始まった決勝戦。開始早々主導権を握ったのは純心女で、大黒柱の永田がインサイド&アウトサイド両方から得点をゲット。名短付は1年生の⑫三木聖美、⑬渡邉温子が連続得点を見せるも、純心女は永田からの好アシストを受けた④山田の得点などもあり、前半(今の4Q制と違い、この時代は前半、後半での戦いだった)で4点のリードを奪う。

 

 そして後半、名短付は控えのセンター⑦小野を投入。この小野に永田を密着マークさせる作戦に出たのだが、これが見事に奏功。純心女の得点をストップさせている間に、三木、渡邉がインサイドを攻めて、後半6分には逆転に成功する。

 

 試合はその後、再逆転、再々逆転と一進一退の状況となり、純心女が48‐47と1点リードで迎えた残り7.2秒、リング下の攻防で名短付の渡邉がフリースロー2本を得る。1本決めれば同点、2本決めれば逆転という状況だったが、これが2本とも外れ、リバウンドを取り合った結果、残り4.4秒でジャンプボールに。そのジャンプボールは両軍ともに確実に保持することができず、ルーズボールを拾った名短付・三木が残り1秒で3Pラインより2mほど後方から体勢を崩しながらもシュート。これがリングに弾かれ、純心女が1点差で逃げ切ったかに思われたが、純心女が痛恨のファウル。

 

 この時点で時計は0秒で、フリースローは3本。名短付にとっては、1本を決めれば同点延長、2本以上決めれば勝利、3本とも外せば敗退という状況となった。

 

 そして三木による運命のフリースロー。1本目を成功させこれで負けはなくなったが、2本目を外し、迎えた3本目。「リング以外何も見えないし、何も聞こえなかった」という三木が見事に沈め、名短付に歓喜の勝利をもたらした。

 

 

ケガを押して決勝の一発勝負にかけた渡嘉敷!

敗退後も気丈に笑顔を見せた間宮!!(2008年)

 

 夏のインターハイ決勝と同じカードとなった桜花学園×東京成徳大の決勝戦。

 

 そのインターハイ。成徳は最大18点ものリードを奪っていたが、後半失速し逆転負けを喫する苦杯をなめていた。しかし、このウインターカップでは、夏はケガのためコートに立てなかった3年生⑤宮崎優子がスターターとして復帰。④間宮佑圭(184㎝/現JX-ENEOS)、⑦篠原恵(184㎝/現富士通)、⑨山本千夏(現富士通)という得点源は健在で、桜花へのリベンジを虎視眈々と狙っていた。

 

 一方の桜花は2年生の大黒柱⑮渡嘉敷来夢(190㎝/現JX-ENEOS)が大会1か月を切ったときに左足首を疲労骨折。一時は戦線離脱のウワサも流れたが、決勝の一発勝負に照準を合わせ調整。手負いであっても、成徳の間宮&篠原のツインタワーに対抗するには欠かせない存在だった。

 

 そして迎えた決勝戦。成徳の山本、宮崎が3Pシュートを沈めれば、桜花は渡嘉敷のインサイドプレー、⑥岡本彩也花(現JX-ENEOS)の3Pシュートで応酬し、1Qは25‐25の同点。2Qになっても一進一退の状況は変わらず、結局、前半は43‐43の同点で折り返す。

 

 3Q、ここでは成徳・間宮がチームの17得点中16点を稼ぎ出す働きを見せるが、篠原のファウルが3つとなったことでディフェンスの積極性が薄れていく。また、前半だけで17得点を挙げた山本のシュートがことごとくリングに嫌われたこともあり、桜花に3点リードされて4Qへ。

 

 その最終Q、リズムに乗れない成徳を尻目に、爆発力を見せたのは渡嘉敷。3連続得点でチームを勢いづけると、それに岡本、⑦水島沙紀(現トヨタ自動車)が3Pシュートで呼応し、最後は14点差をつけて勝利。

 

 点差としては開いたものの、この試合、渡嘉敷は37得点、間宮は36得点。試合直後、勝ったことからの安どから力が抜けて床に倒れこんでしまった渡嘉敷。仲間が涙する中、気丈にも笑顔を見せチームを支えた間宮。現在も女子日本代表を牽引する2人が、青春時代にその輝きをぶつけ合った瞬間だった。

 

(月刊バスケットボール)

 


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