ウインターカップ2017

ウインターカップ2017
平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会

【日程】平成29年12月23日(土・祝) ~12月29日(金) 【会場】東京体育館

ウインターカップコラム

2017年12月24日

ウインターカップ2017強豪校ヒストリー/明成高校

 

名伯楽・佐藤コーチに導かれ

冬にこそ強さを発揮してきた明成!

惜敗した夏の雪辱を果たせるか!?

 

「東北のチームは、冬の寒さを我慢して満開の花を咲かせるんだ」

 

 指導歴47年の名将、明成(宮城)の佐藤久夫コーチが昔からよく口にする言葉だ。それを体現するように、明成はこれまで夏よりも冬に強さを発揮してきた。

 

 創部された2005年からの13年間を振り返れば、夏のインターハイが優勝1回(2015年)に対し、冬のウインターカップは優勝4回(2009、2013、2014、2015年)。たとえ夏に結果を残せずとも、厳しい練習や困難を乗り越えて心身ともに成長し、集大成となる冬の舞台で“満開の花”を咲かせてきたのである。

 

 その明成が、ウインターカップで初優勝を飾ったのは創部5年目の2009年。部の3期生に当たる当時の3年生たちは、春の東北大会でベスト4、夏のインターハイでベスト8と思うような結果を出せずに苦しんできたが、妥協を許さない佐藤コーチと共に密度の濃い練習を重ね、ウインターカップへ。すると準々決勝で夏2位の延岡学園(宮崎)相手にジャイアントキリングに成功し(72‐64)、続く準決勝では個人技にたけた福岡大附大濠との壮絶な点の取り合いに勝利(95‐86)。創部初の決勝へと勝ち進み、その決勝でもインターハイ王者の福岡第一を4Qで突き放して頂点に立ったのだ(69‐56)。

 

 その見事な“開花”に、対戦相手の福岡第一・井手口孝コーチも、「明成がどれだけ厳しい練習をしているのか知っていたので、笑顔で『おめでとう』と言えました」と決勝直後に明成の選手たちを笑顔でねぎらったほど。敵将の心をもつかんだ、悲願の初優勝だった。

 

 そして、ウインターカップにおける明成を語るうえで欠かせないのが、超高校級プレーヤーの八村塁(ゴンザガ大)を擁し、2013~15年に成し遂げた大会3連覇だ。

 

 中でも八村塁が2年生だった2014年は、壮絶な決勝戦だった。当時の明成は、主力が全員2年生の下級生チーム。「まだまだ完成していない」という佐藤コーチの言葉どおり、決勝戦はインターハイ王者の福岡大附大濠ペースで進んだ。4Q残り2分には、思うように3Pシュートを決められない三上侑希(中央大)が、こらえ切れずタイムアウト中に泣き出してしまう。するとそれにつられて、周りの選手たちも泣きそうな顔になった。彼らは技術的にも精神的にも、まだまだ未熟だったのだ。

 

 だが結果的に、この感情の爆発がかつてないほどの“集中”につながった。決死のディフェンスを見せ、三上が泣きながらシュートを決める。そして同点で迎えた最後の場面、八村塁が牧隼利(筑波大)のダンクを豪快にブロック。さらにはオフェンスリバウンドをタップでねじ込み、これが決勝点となって71‐69で勝ち切ったのだ。

 

 こうして2年生チームで全国制覇の偉業を成し遂げた明成は、追われる立場となった翌年も、成熟した姿を見せて夏・冬の2冠獲得。“最強チーム”であることを証明し、3年生たちは卒業していった。

 

 その翌年――すなわち昨年(2016年)は、主力がごっそり抜けて苦労の多い年に。なかなか試合で力を発揮できず、結局インターハイは2回戦敗退、4連覇が懸かったウインターカップでは1回戦敗退に終わってしまった。

 

 だが、その苦い薬が彼らの急成長を促した。新チームになってから「例年に増して走り込んだ」(佐藤コーチ)と厳しい練習を重ね、機動力を武器にした爆発力のあるチームへと生まれ変わったのだ。

 

 迎えたインターハイは、前年王者の福岡第一を破って決勝へと進出。最後は1点差で福岡大附大濠に敗れ準優勝に終わったが、結果で証明した“明成・復活”のインパクトは大きかったと言えるだろう。

 

⑧八村阿蓮

 

 そしていよいよ最後の檜舞台、ウインターカップが目前に迫っている。中でも注目は、エースとしての自覚を持ち、今年度頼もしく進化を遂げた⑧八村阿蓮だ。インサイドで体を張り、留学生を含む相手のビッグマンともマッチアップする彼の活躍こそが、飛躍の原動力になると言っていいだろう。また、アグレッシブなドライブを見せる⑥相原アレクサンダー学や、高いシュート力を誇る2年生シューター⑩田中裕也も、試合の流れを変える“ビッグショット”を決める素質を持った選手で、カギを握る存在だ。

 

 偉大な卒業生と比べられる悔しさや、数々の敗北を知っている彼らに失うものはない。最後に“満開の花”を咲かせるべく、明成は全身全霊を懸けて戦いに挑もうとしている。

 

(月刊バスケットボール)

 


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