ウインターカップ2017

ウインターカップ2017
平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会

【日程】平成29年12月23日(土・祝) ~12月29日(金) 【会場】東京体育館

記者の目

2017年12月29日

明成が昨大会と総体、両方のリベンジを果たして2年ぶりの優勝

終始落ち着いたプレーを見せた明成#8八村

 

 今夏に行われたインターハイ決勝と同じ顔合わせとなったウインターカップ決勝の福岡大附大濠(総体①)対明成(総体②)。試合は明成が終始リードし、大濠の追撃を振り切ってチャンピオンに輝いた。

 

 1Qから明成は#8八村、#10田中らが思い切りの良い3Pシュートを決め(1Qだけで5本の3Pシュート)、26-16と最高の滑り出しを見せた。2Qに入ると大濠もディフェンスをゾーンに変えて応戦。それでも冷静にボールをよく回した明成は、49-33と差を広げた。3Qに挽回したい大濠だったが、「夏にはさえたドライブがシャットアウトされた」(大濠・片峯コーチ)。開始4分でわずかに1得点。明成は余裕あるゾーンアタックで55-34と、21点差となる。

 

意地で3Pシュート6本を決めた福岡大附大濠#13中田

 

 このまま差を詰められないまま試合が進むと思われた。だが、大濠は王者の意地を見せ、交代でコートに入った#12土家が連続3Pシュートを決めてコート内の空気が一変。3Qの残り6分間で#14中田の3Pシュート2本を含む22得点を挙げ、一気に1桁差まで猛追した。

 

 4Qも大濠ペースで始まり、最初の5分で大濠が5-0とし、61-65と差を4点にまで詰める。さらに、明成が#6相原のドライブから八村のゴール下シュートなどで引き離しにかかると、大濠は#14横地が立て続けにジャンプシュートを決めて67-70。残り2:47、さすがの明成もタイムアウトを請求した。

 

 だが、最後の3分間。死力を振り絞って戦う大濠は、“あと1本”が入らない。明成は冷静にフリースローなどを確実に沈め、79-72で粘る大濠を7点差で振り切った。

 

 この試合、明成は2Pシュート成功率44.2%で、大濠は26.3%。勝敗の分かれ目が41%前後にあると言われていることから考えても、このシュート率の差が勝敗を分けたと言っていいだろう。実際、さまざまなスタッツを見比べても、ほかに明らかな差は見当たらない。

 

 あとは、“大量得点差”を追い掛ける難しさが挙げられる。コーチは3Q途中での21点差を普通に考えれば3Q終了までに10点差、4Q残り5分までに5点差を目指す。実際に、大濠は3Qまでで56-65の9点差、4Q残り5分で61-65の4点差と、猛追のシナリオは理想どおりだった。「あと1本が入らなかった」と、片峯コーチは試合後に語っているが、ここが最大の難関なのだ。

 

 約20点を追い掛けるためにプレーヤーは莫大なエネルギーを消費する。追い付いたところで小休止が入ってしまうと、精神的にも肉体的にもかなりつらいものがある。このような場合は一気に相手チームを追い抜き、さらに5点差程度のリードを奪うことができないと、勝利することは難しいと言われている。

 

 インターハイは1点差で大濠が勝ち、ウインターカップは明成が7点差で勝利。夏も冬も高校生の頂点を争うにふさわしい2チームの対戦だったのは間違いない。

 

「自分たちを信じ、恐れず落ち着いて、自分の役割と責任を果たせるように努力する(佐藤コーチ)」ということをテーマに明成はウインターカップに挑んだ。「インターハイの敗因は“自分たちのバスケットボール”を信じることができなかったこと」と、佐藤コーチは言ったが、ウインターカップは最後の最後、一番苦しい場面で自分たちを信じることで頂点に立つことができたのである。

 

(月刊バスケットボール編集部)

 


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