月刊バスケットボール5月号

【ウインターカップ2018】インタビュー:河村勇輝(福岡第一⑧・2年)/「もっと練習しなければならないと感じました」

ウインターカップ第7日(12月29日)、男子決勝では16得点、7アシストの活躍でチームを勝利に導き、大会ベスト5に選出された福岡第一の司令塔に話を聞いた。

決勝で16得点、7アシストの活躍で大会ベスト5にも選ばれた福岡第一#8河村   ――優勝おめでとうございます。今の率直な感想をお願いします。 「もちろん、うれしいです。自分は2年生で、まだ1年残っています。これが自分たちの最高地点ではなく、来年のウインターカップでも優勝できるまで少し残しておきます」   ――試合中に今までになく堅い表情の時間帯があったと思うのですが。 「福岡県の代表としてウインターカップを勝ち上がってきて、ここまで対戦したチームの思いも決勝にはあるので、そういう表情で試合していたと思います」   ――昨年ウインターカップで、夏のインターハイでは河村選手不在で負けていた悔しさはあると思います。それを晴らすために、一番やってきたことは何でしょうか? 「昨年の準決勝で福岡大附大濠戦は1年生でしたがガードとしてコートに立ちました。そのとき、3Pシュートは0/10。この数字から見れば、自分がチームを負けさせてしまったという悔いはずっとありました。その課題が残り、1年間、3Pシュートの練習をしてきました。決勝で決めることができたのは、その反省があったからこそだと思います」   ――河村選手は2年生で来年もあります。優勝しましたが、現時点の課題は何ですか? 「下級生(2年生)」がスターターに3人いるのが強みになると思いますが、得点できる松橋さんやディフェンス面で貢献した古橋さんが抜けていくことは、チームとして痛いところです。そこを埋めることが課題になってきますし、それを克服できれば、またこの舞台に戻ってくることができると思っています。 個人的な課題はプレーに波があること。技術的な部分では足りないことがたくさんありました」 ――夏以降、河村選手自身が変わることで、チームのどのような部分を変えていこうと思っていましたか? 「U18日本代表で経験したことをチームに還元することが、個人としてもチームとしても大切なことです。アジアで経験したことをチームメイトに知らせることで、福岡第一が国内だけでなくアジアでも通用するチームになってほしいと思っていました。そうすれば、国内では楽にやっていけるかな、と。 アジア選手権ではガードでもサイズがあるなど、その部分では大濠にも通じるところはあります。また、スピードはアジアでも通用したので、もっと磨きをかけていけば日本では止めることができないチームになると思いました」
――河村選手は172cmですが、小柄な選手が生きる道というのは何だと思いますか? 「ボールへの執着心とスピードです。相手の懐に入るのは小さな選手が得意とする部分。相手が嫌がるようなディフェンスも重要だと思います」   ――今回、福岡第一が一番苦しめられたチームは福岡県予選決勝の大濠戦だったと思いますが。 「大濠はウインターカップに出場しても優勝できる力はあると思います。あの試合のお陰で、良い緊張感を持った決勝での戦いになりました。結果、相手を圧倒できたのは、大濠との激戦があったからこそだと思います。 来年の大濠は、この悔しさをぶつけて立ち向かってくると思うので、それを跳ね返せるように頑張りたいです」   ――優勝後のインタビューで『物足りない』というコメントがありましたが、それはどの辺りですか? 「スピードだけでなく、緩急をもっと使って1対1でディフェンスを振り切るプレーや、フェイスガードされてもフラストレーションを溜めることなくボールを持って1対1を仕掛けていけていきたいです。さらにミドルレンジのシュートをもっと練習していかないと、相手が止めやすい選手になっていくような気がしたので、もっと練習していかなければならないと感じました」   ――ウインターカップで印象に残っているのは、どの試合ですか? 「全試合、心に残っています。その中でも飛龍戦です。2年生が3人もスターターでプレーしていることを嫌な顔をせずサポートしてくださった3年生たちが、試合で得点したことがうれしかったです。 この大会では3年生や1、2年生に経験を積ませるために、『点差を付けていこう』と話し合っていました。メインコートの決勝で、全員がプレーできたことはとてもうれしく思っています」   (月刊バスケットボール)

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