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2019/02/10

【車いすバスケットボール/香西宏昭】ブンデスリーガ6シーズン目、日本のエースを待ち受けていた試練③


 
 香西宏昭。現在、日本車いすバスケットボール界において唯一の“プロ”である彼は今、ドイツ・ブンデスリーガでの6シーズン目を送っている。リーグきっての強豪RSVランディルに移籍した昨シーズンは、世界のトップステージでその実力の高さを十分に示し、ランディルにとって欠かすことのできない存在となった。
 
 その香西に今シーズン待ち受けていたのは、予想をはるかに超えた試練だった。
 
文・写真/斎藤寿子
 
(つづき)
 中でも強く印象に残ったのは、香西がパスカットでボールを奪い、すぐさまドリブルで速攻を仕掛けたシーン。香西の切り替えの速さに慌てた相手選手は、自ら倒れ込みながら背後から香西を抑えにいった。 誰の目から見てもそれは故意のファウルで、アンスポーツマンライク・ファウルとして香西にフリースローが与えられた。しかし、香西を止めるにはファウルをするしかなかったに違いなかった。それほど彼のスピードが相手にとっては脅威に感じられていたのだ。
 
 高さを武器とする傾向の強い海外勢は、ゴールに近いところで勝負をするハーフコートバスケが主流だ。しかし、高さでは勝負することが難しい日本代表はリオパラリンピック以降、及川晋平ヘッドコーチの下、攻防の切り替えの速さを重視し、オールコートで展開するトランジションバスケを磨いてきた。
 
「日本代表では自分よりも速い選手はたくさんいますが、ランディルではおそらく自分が一番速い。だからこそ、代表でやっていることをこの場でも出していこうということを一番に考えて試合に入りました」と香西。各国の代表クラスが集う世界最強リーグの一つブンデスリーガにおいても、日本の武器は十分に通用する。そのことを改めて示す形となった。
 
 試合は58‐67で敗れ、ランディルは今シーズン初黒星を喫した。しかし、香西が出場した3Q後半以降、相手に試合の主導権を渡すことはなかった。指揮官の目にも、香西のプレーがチームに勢いをもたらしている要因の一つとなっていると映っていたのだろう。試合終了まで一度も香西をベンチに下げることはなかった。(おわり)
 
※月刊バスケットボール3月号(2019年1月25日発売)より抜粋
 
PROFILE
香西宏昭(こうざい ひろあき)
1988年7月14日生まれ/千葉県出身。2013年イリノイ大卒業後ドイツ・ブンデスリーガを中心に活躍。日本代表として2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ・パラリンピックに出場
 
≪バックナンバー≫
【車いすバスケットボール/香西宏昭】ブンデスリーガ6シーズン目、日本のエースを待ち受けていた試練①
http://www.basketball-zine.com/p75rf5-8co
 
【車いすバスケットボール/香西宏昭】ブンデスリーガ6シーズン目、日本のエースを待ち受けていた試練②
http://www.basketball-zine.com/p75rf5-8cu
 
(月刊バスケットボール)


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