月刊バスケットボール5月号

【インターハイ2018/女子準々決勝 PICK UP GAME】桜花学園×八雲学園

八雲学園リベンジならず! 改めて壁の厚さを見せつけた桜花学園 

   昨年のウインターカップ3位決定戦。桜花学園×八雲学園の一戦は、桜花学園が83‐50と快勝する結果となった。    それから約8か月後の今回のインターハイ準々決勝。両校は再び相見えることとなる。    当時のスタメンが4人も残っている関東女王・八雲学園にとっては、絶好のリベンジのチャンス。一方の桜花学園は、地元開催ということもあり、負けられない。
  八雲学園リベンジならず! 改めて壁の厚さを見せつけた桜花学園 

   昨年のウインターカップ3位決定戦。桜花学園×八雲学園の一戦は、桜花学園が83‐50と快勝する結果となった。    それから約8か月後の今回のインターハイ準々決勝。両校は再び相見えることとなる。    当時のスタメンが4人も残っている関東女王・八雲学園にとっては、絶好のリベンジのチャンス。一方の桜花学園は、地元開催ということもあり、負けられない。    会場がほぼ満席となるほど注目された試合は、接戦になるという予想を覆し、桜花学園の強さ&うまさが前面に出る結果となった。    守備より攻撃に重点を置くシュートが得意な選手が揃った八雲学園にとって、試合の入りは悪くなかった。今大会が高校での全国デビューとなった1年生#6粟田が181㎝の長身を生かしてリング下からのシュートを決めれば、エース#4奥山が3Pシュートを沈めてみせる。また、#5小村もターンシュートを成功させるなど、点を取るべき選手が好スタートを切った。  

   しかし、その輝きは次第に薄れていく。それを象徴していたのが、奥山と小村が共に、その後のフリースローを2本とも外した場面だ。こんなことは今までなかった。    そうして八雲学園の歯車を狂わせる要因となったのが、桜花学園#8平下の働きだ。ディフェンスでは奥山を徹底マーク。奥山にインサイドで仕事をさせなかったことで、八雲学園の攻撃のリズムを乱れさせた。    またこの平下、攻めてはスティールからの速攻レイアップを見せたかと思えば、ジャンプシュートを確実に沈め、フリースローも2本とも成功。リング下で奮闘した#7モハメドとともに、1Qを16‐15とリードする原動力となる。    そして2Qになると、さらに躍動した平下。手堅いディフェンスで奥山に仕事をさせない一方、オフェンスでは3本の3Pシュートを含む11得点。36‐22と桜花学園が大きな差を付けて前半を折り返す主役となる。  

   迎えた後半、相変わらずオフェンスでリズムがつかめない八雲学園を尻目に、桜花学園は前半当たっていなかった#4坂本のシュートが入りだしたことで、さらに勢いに乗っていく。その結果、3Qを終えて桜花学園が53‐30と大量リード。    その後の4Q、このQだけで奥山が13得点を挙げ、#7吉田もドライブや得意の3Pを決めるが、八雲学園の得点はこの2人だけ。対する桜花学園は、平下、坂本、モハメド、#10江村、#12倉持、#14アマカと各選手が得点し、終わってみれば74‐48で桜花学園が勝利。昨冬の再現のような試合となった。    試合後「やってきたことが全然出せませんでした」と唇をかんだ奥山。桜花学園の壁の厚さを改めて思い知らされた今回。その悔しさを、仲間とともにウインターカップで晴らし、念願の全国大会初優勝を手にするまで成長できるか。頂を目指すストーリーは、まだまだ続く。   (月刊バスケットボール)

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