月刊バスケットボール8月号

【インターハイ2018/男子2回戦 PICK UP GAME】実践学園×福岡第一

東京2位の実践学園が第1シード福岡第一から金星!  

   2回戦から登場するシード校にとって、最初の鬼門となるのが今日の初戦。    男女ともに各シード校は初戦の固さや相手チームの勢いに苦しんだが、中でも大番狂わせとなったのは、福岡第一×実践学園の試合だった。
  東京2位の実践学園が第1シード福岡第一から金星!  

   2回戦から登場するシード校にとって、最初の鬼門となるのが今日の初戦。    男女ともに各シード校は初戦の固さや相手チームの勢いに苦しんだが、中でも大番狂わせとなったのは、福岡第一×実践学園の試合だった。    九州大会を圧倒的な強さで制した福岡第一は、今大会の第1シードを手に入れた優勝候補の筆頭。    対する実践学園は、関東大会1回戦で桐光学園に敗れ、インターハイ予選では八王子学園八王子や日本学園に敗れて都2位での出場権獲得。春からなかなか結果が出ていなかったこともあり、チャレンジャーとして試合に挑んだ。  

   その1Q、これが初戦の福岡第一は動きが固く、試合開始から約3分間ノーゴール。それでも、速い展開から#37仲田や#60スティーブが得点を挙げてリードを奪う。    しかし実践学園も#11江原の3Pシュートで食らい付き、1Qは20‐20と互角の展開に。    続く2Q、福岡第一が#46小川のスティールや#1當山の得点で先行するものの、実践学園も#13小野寺や#5斎藤が要所でシュートを沈め、リバウンドやルーズボールにも粘りを見せる。さらには#4小玉が速攻などでチームを勢い付けたこともあり、実践学園が36‐35と1点リードで試合を折り返す。    3Q、福岡第一は#10古橋のブレイクなどで流れをつかみ、残り5分で9点リードとするが、実践学園も江原のシュートで対抗する。  

   その後3Q残り3分、福岡第一の小川が右足を負傷しベンチへ下がると流れは実践学園に。#7横山のシュートなどで連続9得点を挙げて一気に48‐48と同点に追い付き最終Qへ。    勝負の4Q。福岡第一はテーピングを巻いた小川がコートに戻ってきたものの、焦りからか速攻にミスが出て、さらにはスティーブが4つ目のファウルを吹かれるなどリズムに乗れない。    逆に実践学園は得点が伸びない中でも落ち着いてプレーし、残り5分には小玉のポンプフェイクでスティーブを退場に追いやる。これで勢いに乗った実践学園は、その後も僅差でリードを守り、ディフェンスやリバウンドの手を緩めない。    結局、そのまま残り時間をしのいた実践学園が61‐53で勝利。福岡第一は最後までエンジンのかからないまま、アクシデントも重なり無念の初戦敗退となった。  

   試合後、「チャンスはあると思っていました」と語ったのは実践学園・高瀬コーチ。「オフェンスリバウンドを絶対に取らせないように徹底することと、留学生のところのカバーすることを意識しました。そこは八王子や成立学園など留学生は東京にもいるので、練習でやっているとおりに守ろうという形でできました」と勝因を挙げていた。    一方、福岡第一は「体が動かなかったですね。出る人出る人、みんな動かなかったですし、気持ちも弱くなっていました」と井手口コーチ。同時に、U18日本代表で抜けた松崎、河村の穴を埋めることも、「なかなか難しかったです」と明かす。    また、「実践の子たちはうまかったですね。慣れていて、キャリアを感じました」と井手口コーチが賞賛したように、実践学園は全中優勝の経験者が多く、大舞台での経験値の差も大きかったようだ。    試合後、悔し涙に暮れた小川は、「チームを勝たせられなかったこの悔しさは、財産になります。この悔しさをバネにゼロから練習を徹底して、国体とウインターカップでは必ず優勝します」と雪辱を誓っていた。   (月刊バスケットボール)

PICK UP