月刊バスケットボール5月号

【能代カップ2018】現地レポート5/4「ライバルから学ぶもの」

第31回能代カップは今日が大会2日目。第1試合から、明成vs.福岡大附大濠という因縁のライバル同士の注目カードとなった。
第31回能代カップは今日が大会2日目。第1試合から、明成vs.福岡大附大濠という因縁のライバル同士の注目カードとなった。   明成と大濠といえば、昨年のインターハイ、ウインターカップともに決勝で戦った宿敵同士。インターハイでは大濠に軍配が上がったが、ウインターカップでは明成が夏のリベンジを果たして優勝を飾った。   あれから去年の3年生が卒業し、それぞれ代替わりして新チームになったとはいえ、大濠には明成に対する忘れがたい悔しさがあったのだろう。「僕以上に、去年コートに立っていた選手たちは燃えていた部分があったのかなと思います」と片峯コーチが言うように、この試合、序盤から集中したプレーで主導権を握ったのは大濠。ゾーンディフェンスで相手のリズムを崩し、攻めては外角シュートやドライブでバランス良く得点して1Qで23-9と大量リードを奪う。その後も手を緩めることなく終始20点前後のリードを保ち、68-42で勝利を挙げた。  

  点数だけ見れば、圧倒的な試合だった。が、片峯コーチは「試合を見て佐藤先生の作られたチームを見ながら、すごく勉強させていただきました。点数や勝ち負け以上に、考えさせられるというか、感じるものがある試合でした」と振り返る。その言葉の裏には、試合前にした佐藤コーチとの何気ない会話があった。   「佐藤先生と話していて『気弱さを見せたらダメだ』ということを言われて。『体が細いのであれば、まずは心をしっかり鍛えて、相手に付け入る隙を与えないようにしなさい』という言葉をいただいたんです」と、片峯コーチ。
明成の佐藤コーチは、そう片峯コーチに語った言葉を、試合中のベンチでも自チームの選手たちに同様に指導していた。この試合は1年生を多く起用していたが、常に「相手が何をしてくるか不安がるな!」「逃げずに行け!」「ミスしてもいい!」など、積極性を引き出すような発破をかける言葉を発し続けていたのだ。   そんな“心の育成”の大切さを改めて感じられたことが、大濠・片峯コーチにとっては勝ち負け以上に大きな収穫だったのだろう。もちろん、この負けから多くの課題を見つけ、収穫を得たのは明成も同じ。ライバル同士の真剣勝負は、たとえ大きな点差がついても、互いを高め合う貴重なゲームとなった。明成と大濠は、今シーズンもまた、好敵手として熱い火花を散らしそうだ。  

  ※詳しくは能代カップWEBページへ。 https://ncup.snowland.net/2018/   (月刊バスケットボール)

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