月刊バスケットボール5月号

今月の逸足(CLASSIC KICKS)Vol.11-1

  JORDAN MELO M8 ADVANCE OLYMPIC ジョーダン メロ M8 アドバンス オリンピック   文=岸田 林   リーグ有数のオフェンス力を誇る 実力者・メロのシグニチャーモデル   打倒ウォリアーズに向けて積極果敢な補強を敢行したサンダーはこのオフ、ペイサーズからポール・ジョージを、そしてニックスからカーメロ・アンソニーを獲得。これにより、昨年のMVPであるフランチャイズビルダー、ラッセル・ウェストブルックとの“ビッグ3”結成に成功した。今季チャンピオンリングを狙う姿勢は本気だと言える。   また、ニックスで不本意な数シーズンを経てサンダーに移籍してきたメロにとっても、今年は正念場だ。誰もが認めるオフェンス力を持ちながら、ムラのあるディフェンスと性格が災いしてか、これまでチームとしての実績は残せていない(オリンピックでは3度金メダルを獲得しているが…)。33歳という年齢を考慮すれば、チームの主力として優勝を目指せる最後のチャンスと言っていいだろう。   一方、シューズに目を向ければ、メロは2003年のプロ入りと同時にジョーダンブランドと契約。翌04年には「ジョーダン メロ1.5」(「ジョーダン」と名の付くモデルで初めてマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)以外の名前を冠したモデル)が発売されるなど、早くからブランドの将来を託される選手だった。プロ入り1年目、チームメイトとのいざこざで試合終盤のプレーを拒否したメロに、試合終了後「ボス」であるMJから電話がかかってきたのは有名なエピソードだ。MJはこのとき、1994年のプレイオフで同様に出場を拒否したスコッティ・ピペン(元ブルズほか)を引き合いに出し、若いメロの振る舞いをたしなめたという。   今夏には「ジョーダン メロM14」と思われるシューズでトレーニングに励むメロの様子がキャッチされており、新作もシーズン開幕を待つばかり。現在、ジョーダンブランドにおいて、アパレルやアクセサリーを含めた「アスリートコレクション」を展開しているのは、メロ、ウェストブルックに加え、ブレイク・グリフィン(ピストンズ)、クリス・ポール(ロケッツ)の4名のみ。経済誌『フォーブス』がこのオフに公表したシューズ契約金ランキングによれば、メロ、ウェストブルックはそれぞれ500万ドル(約5億6,500万円)、ジョージは550万ドル(約6億2,150万円)でナイキと契約しており、“格”としてはほぼ同列。ことシューズに関して言えば、サンダーの新“ビッグ3”のケミストリーにも期待が持てるはずだった――。 (つづく)   写真=山岡邦彦 (月刊バスケットボール)

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