月刊バスケットボール5月号

【中国インターハイ2016記者の目】運命のいたずら?

今日の試合でベスト8が出そろい、明日の男子の試合は左上から福島南vs桐光学園、東山vs北陸学院、市船橋vs山形南、開志国際vs福岡第一となった。 ベスト16だけでも真新しさを感じさせたが、福島南、桐光学園、北陸学院、開志国際は初のベスト8、ここ数年ベスト8がなかった山形南、市船橋と、ここ数年上位に進出していたチームの名はなく、新時代の到来を感じさせる顔ぶれだ。 ベスト8を懸けた今日の8試合のうち、4試合が1桁点差。そして2試合が延長戦となり、その激戦を初出場の福島南と開志国際がそれぞれ勝ち進んだ。 その2チームにはU-18アジア選手権で準優勝し、U-19世界選手権の出場権獲得に貢献した福島南④水野、開志国際⑫伊藤が今日から合流した。 エースとしてチームに欠かせない選手なだけに、今日の試合からフルスロットルの活躍だった。 とは言えず、本来の活躍ができないまま、2人とも終盤に足をつり、延長戦ではその姿はコート上ではなくベンチに。 チームは勝利したものの、「調子が上がりません」と口をそろえる。

一昨日、現地時間18時(日本時間22時30分)からの試合を終え、昨日夕方に帰国、そして夜に広島入りするという強行日程に、長時間のフライトに時差。 そのような背景があるため、状態が上がらないのも無理もない。 「疲れは相当あります。飛行機でずっと座っていたし、時差もあって体が重かったです」と水野。 そんな状況下の中で戦った2人の所属チームが延長戦というのは偶然だったのか、必然だったのかーー。 ただエースが不在でも勝負どころで勝ち切れる力が両チームともあり、2人も少なくとも今日よりはいい状態で迎える。 そして彼らはチームの一員として下位回戦は戦えなかったが、その分アジアのレベルを体感することで成長を遂げたことは確かだ。 その成長を証明できるような活躍を、準々決勝以降に期待したい。   偶然と言えば、開志国際の富樫コーチ、福岡第一の井手口コーチの日本体大同級生対決が、明日の準々決勝で実現する。 これまで中学を指導していた富樫コーチの教え子が、福岡第一に進むということは多かったが、現在は同じ土俵で公式戦では初めての対戦になる。 富樫コーチが初の全国で実現した同級生対決も必見だ。

(月刊バスケットボール編集部)

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