月刊バスケットボール5月号

NBA

2015.06.26

レブロンとコーチの真相はどうなのか?

6月があっという間に過ぎていこうとしている。初夏なのだか梅雨なのだか、さっぱりわからないまま、とにかくNBA関連の話題で盛り上がり続けたまま終わっていきます。素晴らしい! 中でもやはり、ステフィン・カリー率いるゴールデンステイト・ウォリアーズの40年ぶりのリーグ制覇は一際の輝きを放つニュース。また、レブロン・ジェームス率いるクリーブランド・キャバリアーズの徹底抗戦は非常に見応えがありました。キャブズはアンダードッグ的に見られていましたが、第3戦を終えて2勝1敗とリードを奪うなど、ファイナルの6試合を非常に面白い戦いにしてくれました。   シリーズが終わった今、キャブズに関してコーチ交代の可能性を論じるレポートがいくつも出ています。レブロンとデビッド・ブラットHCの間には信頼関係がはぐくまれていない、ベンチでコーチの話に耳を貸さないような態度を見せることもあり、今後も一緒にやっていくのは難しい…という見方です。 でもどうなんでしょう? ファイナルMVP投票で、レブロンは11票中4票を獲得していました。レブロンに票を投じた4人の記者は、スティーブ・アシュバーナー(NBA.com)、ハワード・ベック(ブリーチャーズ・レポート)、ザック・ロウ(グラントランド)、ジェフ・バン・ガンディー(ABC TV)であり、いずれも長年のNBA報道経験を持つベテランばかり。そういった一流のジャーナリストが、コーチを信頼しない身勝手な存在を、ファイナルのMVPに推すものでしょうか…。 この投票では、11人中ステフィン・カリーには誰も投票しておらず、レブロンを推した4人以外の7人がそろって票を投じたアンドレ・イグドーラが、MVPに輝きました。率直に言って、カリーを誰も推さなかったのは意外でしたが、シーズンとシリーズの流れから考えて、イグドーラの貢献は非常に価値があり、妥当な結果だとも思いました。これは4票を得たレブロンについても同様です。 現地取材でレブロンの出身校を訪れた際、彼に対する関係者や生徒たちの感謝ぶりは思った以上に強いものでした。NBAケアズの取材で足を運んだボーイズ&ガールズクラブの利用者は、「レブロンはここになくてはならない存在だ」と言っていました。いくつかのレポートが報じるような、どこか冷たく、身勝手なイメージはまったく感じられなかったのです。 優勝だけが目標のレブロンとキャブズが、結果として勝てなかったのだから、ブラットHCがこのまま残るとは限らない、というのはわかります。しかしレブロンとコーチの不仲説は(意見の相違が数多くあったとしても)、お互いを尊重し合えないようなものではないと思うけれど、皆さんはどう思いますか? 1969年のジェリー・ウエスト(当時レイカーズ)以来の、“敗戦チームから選ばれるファイナルMVP”になる可能性がかなりあったレブロンについて、“いいヤツ説”ではいけないのでしょうか?  



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