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2015年08月26日

【岩手全中記者の目】好敵手との出会い

良きライバルの存在は、かけがえのないものだ。互いに競い合い、ともに切磋琢磨することで、時に選手たちは驚くほどの成長を見せる。

 

女子準決勝、山口中(埼玉)と坂本中(神奈川)の対戦は、そんなライバル同士の対決だった。というのも、8月初頭の関東大会でも、準決勝で両者は激突しており、3点差の白熱したゲームを繰り広げているからだ。

 

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全国決勝への切符を懸けた今回の対決も、関東大会と同様に非常に熱いゲームだった。もっとも、試合の中身としては前回と大きく異なる。前回の対戦から、約2週間しかたっていないにもかかわらずだ。それは彼女たちが、互いに手の内を知る相手をなんとかして上回るために、持っているパワーを最大限に引き出したからだった。

 

前回の対戦時は、両チームともに得点がエースに偏っていた。坂本中は、今年度のU−16日本代表候補にも選ばれていた⑯奥山が24得点。山口中は、昨年からスタメンを担う④児玉&⑤福島コンビがそれぞれ14得点。両チーム各々、柱となる選手たちが、チームの得点の大半を稼いだ。

 

だが今回は、周りの選手たちに気迫と集中が見えた。中でも坂本中のキャプテン④池田は、4本の3Pシュートを含む24得点(関東大会は6得点)。山口中の児玉に3Pシュートを決められても、すぐさまお返しの3Pシュートを決めるなど、一歩も譲らない強い気持ちでチームを引っ張った。また、一方の山口中も、センターの⑦新井が19得点(関東大会は5得点)と奮闘。新井は3Qですでに4ファウルだったが、ファウルを我慢しながら積極的にオフェンスリバウンドにも飛び込み、チームの窮地を救う活躍を見せた。

 

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試合は最後の最後までもつれる形になった。予選リーグから数えて5試合目を戦う選手たちは、体力的にも相当限界だったはず。それでも互いに、こん身のリバウンドが光り、床に転がったルーズボールには、5人も6人も飛び込んできた。力の差がない分、そうした部分が勝敗を分けることを、彼女たちは知っていたのだ。最後は僅かに山口中が上回ったが(61-57)、両チームの健闘をたたえ、会場からは一層大きな拍手が巻き起こった。

 

試合後、坂本中の選手たちはなかなか悔しさから立ち直れなかった。池田や奥山ら何人かの選手たちは、次の試合の男子準決勝がハーフタイムになっても、まだ悔し涙が止まらず、廊下に座って悔やんでいたほどだ。奥山は、こう振り返る。「関東大会の反省から、相手のプレスに対する運びなど、みんなで話し合いながら対策してきました。でも相手も同様に私たちのことを研究していて、自分がそこに対応し切れなかったことが悔しいです」

 

それでも坂本中のメンバーは、女子決勝の頃には気持ちを切り替え、応援席から山口中を全力で応援した。昨日の敵は今日の友。同じ関東でしのぎを削ってきた山口中は、良きライバルであり、互いを高め合う友でもあったのだ。山口中が優勝すると、観客席の坂本中や相模女大中(こちらも坂本中や山口中と関東上位を争ってきた)から、「おめでとう!」と祝福の声があがった。

 

かけがえのない、良きライバルとの出会いが、彼女たちを大きく成長させていた。

 

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写真:閉会式の後には、坂本中と山口中で一緒に集合写真を撮影

 

(月刊バスケットボール編集部)

 


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