月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2018.04.20

【Bリーグ2017-18】今こそチーム一丸! BREX NATIONで最大の下剋上を狙う

終盤戦コラムVOL.3/栃木ブレックス  

栃木の精神的支柱#0田臥勇太    昨シーズン、チャンピオンシップで幾多の逆転劇を演じ、Bリーグ初代王者に輝いた栃木ブレックスだが、シーズン終了から僅か1か月、主力の放出を相次いで発表した。控えからチームを支えた熊谷尚也(→大阪エヴェッサ)、須田侑太郎(→琉球ゴールデンキングス)の移籍、渡邉裕規の引退、さらにはファイナルMVPの古川孝敏(→琉球)までもが流出。ヘッドコーチも長谷川健志氏に変わり、チームは様変わりして新たなシーズンを迎えた。
  終盤戦コラムVOL.3/栃木ブレックス  

栃木の精神的支柱#0田臥勇太    昨シーズン、チャンピオンシップで幾多の逆転劇を演じ、Bリーグ初代王者に輝いた栃木ブレックスだが、シーズン終了から僅か1か月、主力の放出を相次いで発表した。控えからチームを支えた熊谷尚也(→大阪エヴェッサ)、須田侑太郎(→琉球ゴールデンキングス)の移籍、渡邉裕規の引退、さらにはファイナルMVPの古川孝敏(→琉球)までもが流出。ヘッドコーチも長谷川健志氏に変わり、チームは様変わりして新たなシーズンを迎えた。    しかし三河との開幕戦に勝利後、なかなか勝てない。10月には5連敗を喫し、一時は3勝9敗で東地区最下位に転落。レベルの高い地区だけになかなか抜け出すことができず、しばらく最下位に定着してしまった。それでもチームに焦りはなかった。「一つ試合をしたら反省し、次の試合で修正できるかどうかを考えながらやるのが楽しみだし、それがチームの勝利につながることを目指してやるだけ」と#0田臥勇太。その言葉どおり、ここから栃木の逆襲が始まるのである。    11月から昨季の優勝をはじめ、選手時代からチームの歴史を知る安齋竜三氏がヘッドコーチに昇格し、さらには引退していた渡邉が現役に復帰。そして、ファイナルでアキレス腱断裂のケガを負った#4ジェフ・ギブスも戦列に戻り、序盤の不振が嘘のように勝利を重ねていった。特に1月からの勝率は6割を超え、地区での順位はレバンガ北海道、サンロッカーズ渋谷を退け4位に。ワイルドカードでのチャンピオンシップ出場も目前まで迫っている。
  終盤戦コラムVOL.3/栃木ブレックス  

#4ギブスの復帰から成績が上向きに    どうしてここまで栃木は調子を上げてきたのか? それは田臥が語る“成長”にほかならない。開幕前、ヘッドコーチの交代と戦力の入れ替えがありながら、田臥の口から出たのは「不安」ではなく、「新しいメンバーと新しいチャレンジができることが楽しみです」という前向きな言葉だった。負けが込んでいるときも、楽しみを見つけながら成長し、コミュニケーションを密に取ってきた結果、田臥が期待していたとおりの成長を遂げたのだ。    中でも特筆すべきなのが、ウイングを担う選手の成長だ。昨シーズンは古川、熊谷、須田が担っていたポジションで、その穴を埋めるために#18鵤 誠司、#31喜多川修平が加入したが、当初は本来の持ち味を出せていなかった。だがここに来て、鵤はディフェンスで、喜多川は安定した得点力で存在感を発揮。また、本来は司令塔ながら2番でも出場する渡邉、#46生原秀将の積極性も大きく作用し、序盤戦とは見違えるほどのチーム状態に。すでにチャンピオンシップ出場を決めている上位クラブとも、星を分けるようになった。    出場決定まで秒読みに入っているチャンピオンシップだが、全体順位2位で臨んだ昨シーズンと違い、今シーズンはワイルドカード下位とギリギリでの出場が予想される。そのため勝ち上がっても、数多の逆転劇を後押ししたホームの大声援は受けられない。それでも初代王者という何にも変えられない経験があるし、たとえアウェイでも栃木のファンは選手をサポートする。田臥が「ファンの方とも一緒に成長したい」と常々言うように、ファンも含めた栃木のチーム力は強固だ。昨シーズン終盤に掲げたBREX NATIONというスローガン。その力を試す機会が目の前に迫っている。   (月刊バスケットボール)  

PICK UP