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久しぶりの日記だが、サボっていたわけではないのであしからず。7泊8日の長ーいロードト リップに出ていたんです。そう、私は、今、故障者リストを出てベンチにエントリーされてい るのであった。それは、突然訪れた。
6月26日の、ユタ・スターズ戦(ホームゲーム。去年サクラメントでチームメイトだった、 ガードのシャンテル・トリミテールがトレードされてユタのユニフォームを着ていてびっく り。)。いつものようにゲーム前のシュートアラウンドを終えて、通訳の京子さんに6時に迎 えに来てくれるように頼み、チームメイトのマリースの車に乗ってアパートに帰った。
私は基本的にマリースと一台の車をシェアするように言われているのだが、運転免許の無い 私。ワインレッドのフォード車は、ほとんど彼女の私物化しているのであった。その代わり、 私は彼女を自分の運転手化してるんだけどね。
チームメイトは私が運転免許を持っていない、というとみんな大層驚く。取りに行く暇がなか った、というと、毎日何をしてるんだ、と眉をひそめる。話が脇にそれた。いつもならマリー スと試合会場に向かう所なのだが、私はまだこの日故障者リストにいたため、みんなが集合す る5時に行く必要がなかったのだ。
それで、私のアパートに来るまで車で30分もかかっちゃう京子さんにわざわざ迎えに来てく れるよう頼まねばならなかったのであった。アパートについて軽く昼食を摂り、今日のゲーム は遅いから今日は早めに今日の分のワークアウトを済ませてしまおう、と思い立ってアパート にあるエクササイズ・ルームに向かった。
アメリカにはこういったアパート(SUITES、というのだが)やホテルに、どんなに小さ くても必ずワークアウトができる施設がある。うちのアパートも、部屋こそは小さいが、トレ ッドミル、バイク、レッグ・エクステンションやチェスト・プレスなど色んなトレーニングが 一台で網羅される小さなマシンが置いてある。充実しているとは言い難いが、できないことは ない、って感じ。
さて、(また話がずれちゃった。)そこで1時間半くらいトレーニングをして、そろそろシャ ワーを浴びてベンチに入るための「ドレス・アップ」の準備をしよう、と部屋に帰った。ドア を開けたら、留守電のランプがピコピコ点滅している。またまた余談だが、アメリカって留守 電が別売りされてるんです。私も知らなかったんだけど、ちょー簡単に接続できてお値段約2 0ドル。3ヶ月しかいないんだけど、うちのアパートには留守電が無かったので、必要に迫ら れて買いました。20ドルなら全然高くない。
それでその留守電のメッセージを再生してみたら、何とシェリルからだった。「ミキコ、あな たは今晩、故障者リストを出て試合に出ることになった。必要なものを持って5時に集合する ことを忘れないでね。」・・・私は耳を疑ったね!それは残念ながら、試合に出れる嬉しさか らではなくて。5時ー!?5時って言った?!私がそのメッセージをきいたのは4時20分。 とりあえず汗まみれの服を着替えて、試合に必要なものって何だっけ・・・、あーっ!車どー すんだよー!!マリースは試合前に怪我している足のトリートメントがあるからもう行っちゃ ってるし。そうだ、とりあえず、5時半に来る、って約束した京子ちゃんに電話しなきゃ。こ こから体育館まではどう少なく見積もっても車で20分はかかる。
しかも、ラッシュアワーだから5分から10分くらいの遅れは見といたほうがいい。京子ちゃ んが30分でここへ来て30分かけて体育館に・・・あー、間に合わないよ。誰かまだ出発し てない人いないかな。混乱する頭で一気に考えて、夫婦で隣りに住んでる、ミシェル・グリフ ィスに急いで電話した。いた!「あと5分で出るわよ。」取りあえず乗せてもらうように頼ん で、大急ぎで着替え、京子さんに電話して試合に出る旨を伝えた。ミシェルの車に乗って体育 館を向かいながら、ようやく「やっと試合に出れるんだ。」という実感が湧いてきた。
でも、どうしてもうちょっと早く言ってくれないのかなあ。後で分かったことだが、センター のトニー・フォスターという選手が足を痛めていて、シュートアラウンドが終わった後病院に 行って診察を受け、ドクターストップをかけられたため、私にお鉢が回ってきたのだという。 トニーが病院に行くことは前もってわかっていたんだから、「もしかすると、試合に出ること になるかもしれないから準備だけはしておいて」って言うことは可能だったはず。もし、そう いう期待させるようなことを言っておいて、実はトニーの足が全く大丈夫だった場合私が落胆 するだろうから、といった気遣いをしていた、とは全く考えられない。
だって、何の予告もなくいきなり「クビ」を言い渡すことさえある世界だから。どうしてくれ んのよー、今日の分のワークアウト、しっかりやっちゃったじゃないかよー。今日は結構下半 身をイジメタからちょっとだるいよー。まあ、これくらいのかったるさで練習したり試合する こたあ、日本でしょっちゅうだから、多分大丈夫だけど。あたしだからできんのよー、他のア メリカ人だったら、きっとできないわよー。・・・全然理屈に合ってないことをとりとめもな く考えながら、だんだん心臓が高鳴ってくるのを意識した。久しぶりの試合。
アメリカに来て初めて着るフェニックスのユニフォーム。ワークアウトのかったるさのせいだ ろうか。舞い上がるようなふわふわした心地ではなく、しっかり地に足がついた、淡々とした 嬉しさであった。ロッカールームで自分のロッカーの所にユニフォームが置いてあるのを確認 すると、シェリルがコーチングルームからちょっと顔をだし、私が来ていることを確かめ、私 に向かって親指を立てて見せ、うなずいてくれた。その後、次々にロッカー入りする選手がさ りげなく私の座っているロッカーを見て通り過ぎるので、私は何となく照れてしまった。ジェ ニファー・ギロムは「おっ、今日は試合に出るんだね。おめでとう。」と言って行ったし、ミ シェル・テイムズに至っては、わざわざ私のロッカーの所まで来て「おめでとう。」と小声で 言って、「ユタはゾーンをするから、出番が多いと思うよ。たくさん3ポイント決めなよ。」 と言ってハイタッチをしていってくれた。久しぶりの試合は感激だった。選手紹介で自分の名 前を呼ばれた時は、あんまり嬉しくって、コーチ陣の所にハイタッチに行くのを忘れて暗くな ってるコートに飛び出してしまった。とうとう私の出番が来て、コートに入った時、 思った より大きな拍手をされてびっくりした。私を憶えてくれている人たちがこんなにいてくれたん だ、と、胸が熱くなった。いいなあ、ホームゲームってやっぱり。しかも、フェニックスのお 客さんは最高なのだ!!
その後、ロードトリップにも無事随行できた。7泊8日で、ワシントンD.C.、ニューヨー ク、クリーブランド、シャーロットを周った。2勝2敗の成績で終わった。ニューヨークで一 日オフがあり、嬉しかった。去年知り合った、NY在住の友人と会って一緒に夕食を食べた。 彼女はTVデイレクターで、私が彼女を訪ねていった時、某テレビ局の朝の(もちろん日本時 間の朝)生中継中であった。NYからの生中継のある、朝の番組、と言えば皆さんもよく知っ ているあの番組のことです。中継を担当していらっしゃる須田哲夫アナウンサーともお会いし て、ちょっとお話した。人当たりの柔らかい方で、初対面の私なんかにも撮影中のハプニング のお話、とか、楽しくして下さった。その日は私のリクエストで、「日本の煮物を食べさせて くれるお店」で夕食を摂った。日本人のビジネスマンが多くて、まるで日本の居酒屋だった。
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