Hagiwara in WNBA

萩原すべての日記



1997/06/08 アメリカ人の成年男子と試合
昨日のオフも夢のように過ぎてしまい、今日は5時から練習だった。練習の初めに、ヘッドコーチのメアリーが(ご存知だとは思いますが、こちらは目上の人でもファースト・ネームで呼びます。私も初めはなかなかコーチたちをファーストネームで呼べませんでしたが、この頃ようやく「メアリー」「ハイジ」と呼べるようになりました。こうしないと一線をおいて接しているように思われてしまうらしいのです。)

今日の練習の予定をおおまかに説明したのだが、どうもその中で、「スクリメージ(ゲーム形式の練習のことです。日本でもよく使われていますが。)なんちゃらかんちゃらウイズガイズ。」といったような気がした。

何人か男子のプレーヤーを呼んでいるから、その人たちとスクリメージをするって言った感じがするなあ、でもまさかね。日本でも何度か練習で男子とスクリメージすることはあったが、もちろん日本人とである。ナショナルチームの合宿中では、毎回静岡の高校生の男子と何ゲームかして、最終的にチームが仕上がる、という手順を踏んでいたためよく男子とプレーした。日本の高校生の男子だと、向こうがどこか遠慮してプレーしているような節があったり、私たち女子の年長者の“こずるいプレー”に慣れていなかったりで、結構勝負になることも多かったのだが、一度、アトランタオリンピック前に日本リーグ一部の現役の男子選手に来てもらってスクリメージしたときは全く歯が立たなかった。

アメリカの女子選手が男子とスクリメージするなんて話は聞いたこと無いぞ。そういう練習が必要なのは、世界に出てって体のサイズが全く違う選手たちを相手にしなければならない我が日本だけだろう。ましてアメリカ人の男子なんつったら、お話になるわけが無いじゃないか。それらしき人も周りに見当たらないし、やっぱいつもの聞き違いだろう。

ここまで書いてそろそろ内容も読めてきただろう、と思うがそのとおり。聞き違いなんかじゃなかったのだ。数十分後、不敵な面構えをした面々がぞろぞろコートに入ってきた。大学生くらいだろうか。アメリカ人の年は見た目では分からん。そう、私は生まれてはじめて、マイケル・ジョーダンと同じ人種・・・アメリカ人の成年男子と(変な言い方。国体じゃないんだから。)試合をしたのだった!!!もちろん全く歯が立たなかった。

一度3ポイントを撃ったら、手から離れたはるか遠くの軌道上でブロックされた。もはや打つ手無し。何か通用するものが無いか、考えることさえ止めてしまった。ただ一つ、ほんとにわかったことがあった。「この“通用しない具合”を考えれば、アメリカの女子の“通用しない具合”なんてなんてことない」ということである。

つまり言い方を換えれば、アメリカの女子の試合のボデイ・コンタクトの強さ、サイズの違いなど、この違いに比べたら、取るに足らないことだ、ということである。これは私にとって、勇気づけられた理解の仕方だった。

やっぱりバスケットって男の人のスポーツなんだな、って思った。今日は「アリー・ウープ」をやられた時の気持ち、というものを経験できた。女子の試合ではまずあり得ないからねー。男子の皆さんが心底うらやましい。あんなふうに飛べたら、あんなふうに走れたら、っていっつも思う。

中学生の時が一番悔しかった。小学生の時は男子とゲームをしても、おんなじぐらいの速さで走れて、おんなじぐらい跳んでいたのに、中学生になったら、男子はまじめに練習しないくせに、ビヨンビヨン跳べるようになってて私たちは日に日に彼らから置いてかれていって・・・。 本当に本当にうらやましい限りです。今度は男の子に生まれてきて、ダブルクラッチとか、ダンクとか、はえたたきみたいなブロック・ショットとかやってみたいなあ。

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