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キッドのネッツが大本命!

 昨シーズン、ネッツ、セルティックスの躍進、ニックス、ヒートの不調で勢力図が大きく変化したアトランティック・ディビジョン。
 ディビジョンの大本命は、昨年のイースト王者ニュージャージー・ネッツとなる。オフには、キース・バン・ホーン、トッド・マッカラーという2人のスターターを放出して、ディフェンスの鬼、ディケンベ・ムトンボ(←シクサーズ)を獲得し大胆な人事を行った。さらにFAでは、99-00シーズンのシックススマン・アワード受賞者のロドニー・ロジャース(←セルティックス)、控えPGのクリス・チャイルズ(←ラプターズ)を獲得。昨季より確実に戦力が上がっており、今季もアトランティックだけでなく、イースタン・カンファレンスをリードしそうだ。怖いのは故障だけといってもいいだろう。
 その対抗となるのは、セルティックス、マジック、シクサーズ。ポール・ピアース、アントワン・ウォーカーの2枚看板の活躍でディビジョン2位に上り詰めたセルティックス。このオフには、PGケニー・アンダーソンを放出しビン・ベイカー、シャマーン・ウィリアムス(ともに←ソニックス)を獲得した。ソニックスでは振るわなかったベイカーが本来の能力を出せば、セルティックスのオフェンスはリーグ有数のものとなるだろう。ただ不安な点は、アンダーソン放出によりスタータークラスのPGが不在になったこと。そのトレードで獲得したS.ウィリアムスに、正PGとしての活躍を期待することはできない。司令塔不在をどうするのか、ジム・オブライエンヘッドコーチの腕の見せどころでもある。
続くマジックには、ついに、グラント・ヒルが戻ってきそうだ。00年8月にFA移籍でチーム入りしたヒルは左足故障のために、2シーズン棒に振っている…。さらに、オフにブレイザーズから放出されたショーン・ケンプも獲得。故障さえなければ、トレイシー・マクグラディーは例年どおりの活躍を見せるはず。ヒルとケンプがきちんと数字を残せば、マジックは台風の目となるかもしれない。
 そして、アレン・アイバーソンのシクサーズは、オフにはマット・ハープリングをFAで失い、ムトンボをトレードに出している。トレードで獲得した2人、キース・バン・ホーン、トッド・マッカラーが空いたポジションに入れることになり、オフェンスではプラスとなるだろう。ただしディフェンス面では不安が残ったまま…。マッカラーがシーズン通してプレイできるかという点も疑問である。
 チーム力が未知数なのがウィザーズだ。契約最終年を迎えるマイケル・ジョーダン、彼のラストダンス・アゲインのため、チームはオフに大胆な人事を展開した。まずはチーム得点王だったリチャード・ハミルトンをトレードに出し、MJの大学の後輩でもあるジェリー・スタックハウス(←ピストンズ)を獲得。FAでは、ラリー・ヒューズ(←ウォリアーズ)、ブライヨン・ラッセル(←ジャズ)、チャールズ・オークリー(←ブルズ)と契約した。ガード陣のコマが増えて、インサイドには不安を抱えているが、ガードポジションでプレイが予想されるMJとスタックハウス、ヒューズのローテーションがうまくいけば、常に全力で戦っているようなエキサイティングな試合が見られるだろう。ジョーダンの最終シーズン、97年のラストショットのような衝撃がまた見られるのだろうか!?
 最後に、長年ディビジョンのトップチームとして君臨していたヒートとニックスだが、昨季はそれぞれ6位、7位。今季、汚名返上を目指していた両チームだったが…。ヒートは腎臓の状態が悪化したためにアロンゾ・モーニングが欠場を発表。ニックスは、マーカス・キャンビーを出して獲得したアントニオ・マクダイスがプレシーズンゲーム中に左ひざの膝蓋骨(お皿)を骨折し今季絶望に。さらにラトレル・スプリーウェルは9月30日のキャンプ入り当日に右手の指の骨折が判明。復帰が11月中旬。厳しい戦いとなるだろう。



ホーネッツ、ペイサーズがリードか!?

 セントラル・ディビジョンは見どころが多いシーズンとなりそうだ。
 まずディビジョンをリードすると思われるのは、フランチャイズをうつした新生ニューオリンズ・ホーネッツとインディアナ・ペイサーズ。ホーネッツの強みは昨季とスターター、控えプレイヤーともに顔ぶれが変わっていないところだ。得点源であるジャマール・マッシュバーンに、昨季初めてオールスターに出場したバロン・デイビス、イースト有数のセンターであるエルデン・キャンベルなどがいつもどおりに数字を残せば、プレイオフ圏内はまず間違いない。さらにホームよりロードの勝率が高いという昨季の状態も、新フランチャイズの応援によって解消されるだろう。もう1チーム、ペイサーズの中心となるのは、今季もレジー・ミラーだ。37歳となり、プレイの上では若干キレがなくなってきた感があるが、伝家の宝刀、3Pシュートは健在。今季もミラータイムの衝撃を与えてくれるだろう。そのミラーとともにチームの中心となるのは、昨季のMIP、ジャーメイン・オニールだ。得点、リバウンドでのアベレージダブルダブルは楽々記録できるはず。加えて平均二けた得点は計算できるSFロン・アーテスト、センターのブラッド・ミラーがいて、スターター級の働きができるロン・マーサー、アル・ハリントン、エリック・ストリックランドがベンチにいるなど、タレントの豊富さはかなりのものだ。
 この2チームに続くのは、ラプターズ、バックスだろう。ビンス・カーターばかりが目だつラプターズだが、アントニオ・デイビス、モリス・ピーターソン、ジェローム・ウィリアムスなど、才能あふれるメンバーがそろっている。昨季の終盤、故障のカーターが不在だったときには、絶望といわれる状態から連勝しプレイオフの切符を手にしている。連敗癖があるが、その分、勢いに乗れば連勝も可能なチームだ。故障から復帰するカーターのリーダーシップにも注目したい。そしてディビジョンのトップチームと目されながら、プレイオフにも出場できなかったバックス。オフにグレン・ロビンソンをホークスにトレードしたことにより、これまでシックススマンとして活躍していたティム・トーマスをSFのスターターに起用して新シーズンに臨む。ジョージ・カールヘッドコーチとプレイヤー間の不仲説もささやかれるが、アクシデントでもないかぎりディビジョンの3〜4位というポジションになれる戦力は整っているはずだ。
 昨季、ディビジョン優勝を果たしたピストンズだが、エースだったジェリー・スタックハウスをウィザーズのリチャード・ハミルトンとのトレードで放出。今季オフの3大FA(ジェイソン・キッド、ゲイリー・ペイトン、ティム・ダンカン)獲得のための、サラリー減らしという未来を考えた戦略ともいわれているが、オフェンス面での戦力低下は否めない。スタックハウスの代わりとなるハミルトンの活躍しだいだが、厳しい戦いとなりそうだ。残りの3チーム、ホークス、ブルズ、キャバリアーズにも明るい材料がある。まずはホークス、オフにプレイオフに進出できなかったらチケットホルダー(年間チケット購入者)に対して125ドル(約1万5500円)を返却する宣言をしてしまった。その目標のためにオフに、バックスからグレン・ロビンソンを獲得。昨季平均19.3得点をマークしたジェイソン・テリーとロビンソン、シャリーフ・アブドゥル=ラヒムのホークス版ビッグ3で4年ぶりのプレイオフを目指す。MJがいたころのリピート3ピート時代から一転、長い長〜い冬の時代を迎えていたブルズも好転しそうな材料がある。エースは、PG〜SFまでポジションをこなし、NBAファイナルにも出場した経験のあるジャレン・ローズ。昨季の終盤、チームが調子づいたときのように、タイソン・チャンドラー、エディー・カリーの有能な若手をうまく操れば勝ち星も増えていくだろう。ドラフト2位の即戦力ルーキー、ジェイ・ウィリアムスの教育係もこなしてくれるはずだ。またジャズからFA移籍で来たドニエル・マーシャルもローズとともに、若いチームをひっぱるだろう。カール・マローン(ジャズ)の元で鍛えたプレイ・アビリティーはブルズで生きるはずだ。最後にキャバリアーズだが、このオフの補強でチーム再建への道が見えた。ドラフトではアイバーソン2世ともいわれたデジュアン・ワグナー、デューク大を獲得。トレードでは、ヤング・クリッパーズの中で、活躍していたダリウス・マイルスを獲得した。21歳のマイルスは今季で3年目、まだまだチームをひっぱるような存在ではないが、長い目で見たとき、このトレードは大きな意味を持つかもしれない。





スパーズ、マーベリックスの争い

 ミッドウエスト・ディビジョンはどうなっていくだろうか。
 リードするチームはともかく、注目すべきはことしのドラフト1位指名を受けた中国人、ヤオ・ミン(ロケッツ)である。226cmとリーグ2位の高い身長を生かして、衝撃をもたらすのか、とくかくプレイの一つ一つに注目である。このヤオを含めて、このディビジョンには24名ものインターナショナル・プレイヤー(外国人選手)を抱える。そしてディビジョン制覇の最有力候補はフランス人PGトニー・パーカーがいるスパーズ、そしてカナダのスティーブ・ナッシュ、ドイツのダーク・ノビツキーと外国人2人をスターターにしているマーベリックスだ。
 スパーズを支えているのは、昨季のシーズンMVP、ティム・ダンカンだ。平均25.5得点、12.7リバウンド、2.48ブロック、文句のない成績。現在のリーグで数少ないゲームを支配できるプレイヤーの一人だろう。このダンカンとインサイドのコンビを組むのが、“ジ・アドミラル(提督)”こと、デビッド・ロビンソン。体の不調から今季かぎりの引退を宣言しているが、昨季は12.2得点、8.3リバウンドの成績。体調が不本意でも、チームにとっては大きな戦力だ。この2人を筆頭に堅実に仕事をこなしていく昨季の3Pシュート王、スティーブ・スミス、マリック・ローズ、ダニー・フェリーなど地味だが、しっかりと仕事をこなすプレイヤーがそろっている。また世界選手権で準優勝に輝いたアルゼンチンのエマニュエル・ジノビリも注目である。常に安定した戦いができるスパーズは今季も健在だろう。そして、充実著しいのがマーベリックスだ。PGのスティーブ・ナッシュ、SGのマイケル・フィンリー、SFのダーク・ノビツキーと3名のオールスタープレイヤーをスターターにしているのだから、弱いはずがない。チームのほとんどはまだ若く、成長を続けている。確実に昨季よりパワーアップしているはずだ。“失点されるよりも得点して勝ってしまえ!”というようなゲームは見ていて最高におもしろい。
 次に来るチームは、ジャズ、ウルブズであろう。39歳カール・マローン、40歳ジョン・ストックトンのコンビは、ここ数年、衰えこそ見せているが、まだまだチームの大黒柱だ。その2人をサポートするのは、ロシアの“AK47”、アンドレイ・キリレンコである。ルーキー・シーズンの昨季は、平均10.7得点をマーク。今季はチームにもなれ、時には2人をひっぱるようなシーンも見られるだろう。そしてウルブズだが、昨季は6年連続のプレイオフ1回戦負けを喫してしまった。なんとしても1回戦チームの汚名を返上したいところだ。今季も大黒柱はケビン・ガーネット。KGに加えて、昨季、初めてオールスターに出場したウォリー・ザービアック、ラドスラフ・ネステロビッチも成長している。ジョー・スミス、ケンドール・ギルの固いディフェンスを見せるプレイヤーもいる。PGテレル・ブランドンの体調次第ではPG不在となってしまうが、それでもガーネットを軸にチームがまとまり善戦していくだろう。
 その後は、スティーブ・フランシス、ヤオ・ミンのいるロケッツ、ナゲッツ、ジェイソン・ウィリアムスのいるグリズリーズという順番だろう。再建中のグリズリーズには期待が集まるが、まだまだ結果が出るような戦力となるまでは、あと数年必要だろう。



レイカーズ対キングス、一騎打ちの様相

 4連覇をかけるレイカーズは、序盤は苦戦を強いられるかもしれない。昨季、右足親指の痛みで2度の故障者リスト入りを余儀なくされた大黒柱のシャキール・オニールが手術に踏み切り、最低でも開幕後2週間は戦線離脱する。昨季のような16勝1敗という驚異的なスタートダッシュは見込めないが、もう一人のスーパースター、コービ・ブライアントが夏のトレーニングで筋力アップ、リーグ屈指のクラッチシューター、ロバート・オーリーら、勝ち方を知り尽くしているロールプレイヤーもそろうだけに、さほど心配はないだろう。シャック復帰後に猛スパートをかけることができれば、4連覇の可能性も高い。
「打倒レイカーズ」最有力候補の呼び声高いキングスは、クリス・ウェバー、ブラディー・ディバッツといった強力なインサイド陣の控えにFAのキオン・クラークを獲得。リーグ最強の布陣を整えた矢先に、PGのマイク・ビビーが右足首疲労骨折で手術を受けるという大誤算が生じた。しかし、司令塔復帰までの約2ヵ月の間、代わりを務めるのがプレイオフでも活躍したボビー・ジャクソンと、控え層の厚さがキングスの強み。12月中盤までは比較的対戦カードにも恵まれているため、その間に故障を完治させたいところだ。
 ブレイザーズは何と言っても、アルビダス・サボニスの復帰が大きい。38歳と高齢のビッグマンだが、インサイドでの存在感、パス、シュートのうまさは健在。エースのラシード・ウォーレス、ボンジ・ウェルズが独りよがりなプレイに走らなければ、スターター、控えの選手層ともに、レイカーズ、キングスに決して劣らない豪華なメンバーをそろえる。
 今季、大化けする可能性を秘めているのがクリッパーズ。昨季のアシスト王で、世界選手権のPGも務めたアンドレ・ミラーが加入したことにより、リーグを代表するPFに成長中のエルトン・ブランド、今季に復活をかけるSFのラマー・オドムら、各ポジションに若手オールスターがそろった。
 昨季はヘッドコーチと選手間の不和もあり、シーズンが進むにつれて下降し、プレイオフを逃したサンズ。PGステフォン・マーブリー、SFショーン・マリオンと得点能力の高いスター2人に、成長株のジョー・ジョンソン、評価がうなぎ登りの高卒ルーキー、アマレ・ストウダマイヤーもおり、侮れない存在だ。
 スーパーソニックスには、昨季、セルティックスをプレイオフに導いたPGケニー・アンダーソンが加入し、リーグ屈指のPGゲイリー・ペイトンと、昨季、急成長を遂げたSGブレント・バリーの控えとなるぜいたくさ。ラシャード・ルイス、デズモンド・メイスンらのハツラツとしたプレイにも期待。
 身体能力の高い若手がそろっているウォリアーズの指揮を執るのは、リーグ最年少コーチのエリック・ムッセルマン。結果を出せずにもがいている若いチームをムッセルマンがどう立て直していくのか、注目したい。