2008.10.16

川村卓也から見た田臥勇太(1)

 ようやく仕事が一段落しました。先日、帰国したときに取材して書いた田臥勇太選手(リンク栃木ブレックス)の記事が掲載されているNumber714号も発売になったし、忘れないうちに、記事に入りきらなかった話を書きましょう。

 ナンバーでは田臥選手中心の話だったので、ここでは少し違う角度から。

 今回の記事を書くにあたって、実は川村卓也選手にも、開幕数日前の練習後にわざわざ時間をとってもらって、30分ほど話を聞かせていただいたのです(以前、キリンカップのときに囲みで取材をしたことはあったけれど、1対1で話を聞くのは初めてなので、話していて新鮮な印象を受けたことも多かったです)。
 そのときに話したことは、その後の取材や、記事を書く上では参考にさせてもらったのだけど、実際のコメントが記事中にはひとつも入らなくて、このまま埋もれさせるにはもったいないし、取材に協力していただいた川村選手にも申し訳ない…というわけで、せめて、ここでいくつかコメントを抜き出してみます。

■チームメイトになる前の、田臥選手に対する印象
「憧れみたいな感じですよね。触れたこともないし、会ったこともないし、ポジションも違うし。ただ、僕の中では同じ夢を持って、同じバスケットをやっているっていう感じ。僕が行ってみたいような世界でずっとやっているし、ふつうの考えじゃ、あまり挑戦しないことを自分の力で続けている方だったので。すごく過酷な挑戦を最初から諦めずに挑戦しているっていうところが、やっぱすごいなって思う」

 「同じ夢」とは何かと聞くと、「僕もバスケットやっていく中でずっと目標にしているのは、NBAの舞台に立ちたいっていうこと。これは永遠のテーマ。引退するまで、それはずっと持ち続けたいと思っているので」とのこと。川村選手のこの気持ちがあるから、記事中に使った田臥→川村のコメントもあるのだと思うし、実際、今回、田臥がブレックスに入ったことで、一番大きく影響を受けるのも川村選手なんじゃないかと思うのだ。

■力の差?
 それでは、実際に田臥に会い、チームメイトになったことで、田臥がいた世界が前よりも身近に感じるようになたのだろうか。そう聞くと、川村選手からは即答できっぱりと「それはないです」と返ってきた。「やっぱり、力の差っていうのは歴然なんで。今、現時点で僕がアメリカに挑戦して、成功する部分が1割あったとしたら、あと9割は本当に反省すべき点だったりとか、勉強になる点だと思うので」と、意外(?)と謙虚だ。

 あとで田臥選手ともその話をしたのだが、「そういう、まわりに考えて気を使う言葉も、あいつ、うまいんです」と笑っていた。なるほど。若いからといってがんがん自分のアピールをするだけでなくて、そういった気の使い方もする人なのね。(田臥選手から川村選手に向けては、ナンバー記事中に別のコメントを使ってますので、そっちも見てね)

 自分の能力に自信もあるけれど、その一方で、まだ足りないという気持ちもきちんと持っている。そのバランスが彼の魅力なのかなと思う。

■コミュニケーション
 年齢にして5歳半違う二人。でも、「僕、やんちゃなんで」と言う川村選手は、どうやら田臥選手にも同年代と同じような感覚で話しかけたり、ちょっかいを出しているんじゃないかと思う(二人と話してみた印象からの想像です)。そして、アメリカで年功序列とは無縁の生活をしてきた田臥にとって、そういう関係はけっこう楽しいらしい。

「(田臥と)いっしょにいる間に盗めるところは盗みたい。すごい色々な経験をしている方なので。いろいろ、ちょこちょこちょっかいだして、話します」と川村選手。

 具体的にはどういうことを聞きたいのかと尋ねると、「もうけっこう聞きましたよ」との返事。こう言われると何を聞いたのか気になりますよね? 何だと思いますか?

「とりあえずアメリカの家賃とか」

 なんか、とっても現実的で笑ってしまったのだけど、でも、実際に行動に移したとき、これはすごく大事なことでもある。それだけ川村選手がアメリカを現実的に考えているということなのかなとも思ったり…。

 長くなりそうなので、ここでいったん切ります。


Posted by Yoko Miyaji at 10:51  Japanese players in USA】 , 【日本のバスケ