2008.09.30

JBL開幕戦取材

 また少し、間があいてしまいました。9月半ばからきのうまで約2週間、日本に一時帰国していました。
(私信:今回は時間に余裕がない帰国だったため、帰国の連絡すらできなかった友人、知人も多数。ここを見て「なんだ、帰っていたのか」と思った方々、スミマセン!)

 日本滞在中にちょうど田臥勇太選手が加わったリンク栃木ブレックスのJBL開幕2連戦(対東芝ブレイブサンダース)が行われたので、これだけは見なければと、宇都宮まで行ってきた。ブレックス2連敗という結果にも出ているように、まだチームは噛み合っていなくて、田臥だけでなく他の選手の持ち味も発揮できていなかった。走るチームのはずなのに、ほとんど走る機会がなかったり、パスがうまく繋がらなかったり、最後の詰めが甘かったり、見ていてもどかしい。今後、修正が必要なことがたくさん。いいように受け止めればこれからの伸びしろがあるとも言えるけれど、実際に伸びるかどうかは、田臥を含めた各選手の適応力次第といったところだろうかか。ブレックスが今ひとつの分、東芝の上手さばかりが目立つ試合だった。

 さて、その東芝に昨季アメリカで何度か見た選手がいたので、開幕戦後に話を聞かせてもらった。
 その選手とは、東芝に新規加入したアメリカ人選手、コーリー・バイオレット。ゴンザガ大出身で、昨シーズンは、田臥が所属したDリーグで、アナハイム・アーセナルと同じディビジョンのアイダホ・スタンピードに所属していた。昨季のスタンピードはレギュラーシーズンで最高成績、最終的に優勝という強豪チーム。試合中大声を上げ続ける熱いコーチの元で、チームとしてまとまって戦う好チームだった。バイオレットはその中で特別ずば抜けたスタッツをあげていたわけではなかったけれど、それでも中心選手の一人で、頭がよく、器用で、しかも熱いプレイヤーだった(※)ので、かなり印象に残っていた。

※実際に話してみたらとても温和。昨シーズンの印象では審判に食ってかかるなど、けっこう短気なのかと思っていたけれど、コートを出て話した印象はまったく正反対だった。

 バイオレットと田臥、立場もポジションもプレースタイルも違うけれど、NBAから見ると共通点もある。二人ともポジションにしては少しサイズが足りないのだ。田臥のサイズ不足についてはよく言われるけれど、バイオレットの場合もNBAでPFをするには小さく、ずば抜けたジャンプ力を持っているわけでもない。かといってSFをするには少しスロー。こういった、「NBAに入るには何かが少し足りない選手」が世界中にはたくさんいるのだ。

 それにしても、Dリーグの優勝チームでそれなりのスタッツを残し、しかもDリーグ・オールスターにも出たバイオレットのような選手が日本でプレーすることを選んだということが少し意外だったのだけれど、本人いわく、これまで東芝でプレーした選手に話を聞いて好印象だったのと、実際に東芝からの勧誘がとてもプロフェッショナルだったことで、日本行きを決断したのだという。他にはベルギーとイタリアのチームからもオファーがあったけれど、東芝がオファーしてきたオファーほど条件がよくなかったらしい。これまでにミネソタやユタでサマーリーグに出たり、トレーニングキャンプに参加したりしてきて、今年もNBAチームからキャンプの招待があったほか、望めば再びスタンピードに戻ることもできたのだという。でも彼としては、NBAに向けてのアピールは去年したので、今はバスケットボールができる間に稼いでおきたいということらしい。

 昨季、何度か対戦したアナハイムにいた田臥を覚えているかどうかバイオレットに聞いてみたところ、「よく覚えている。(田臥はプレータイムが少なかったけれど)先発の選手(ウィル・ブレイロック)よりも彼が出てきたときのほうがボールがよく動いていて、僕らのチームにとっては戦いにくかった。あのチームのコーチがなぜ田臥をもっと使わなのか理解できなかった」とのこと。まぁ、今、日本でプレーしているのだから、日本人選手の田臥に対するリップサービスも多少はあったのかもしれないけれど、実際に話を聞いた印象では、心にもないことを言ったわけでもないと思う。


(写真は今年2月のスタンピード@アーセナル戦での田臥とバイオレット)

 JBLデビュー戦でのバイオレットは26点・12リバウンド、2戦目でも19点・13リバウンドと大活躍。東芝にも、日本のスタイルにもあっているし、本人も「日本はとても気に入っている。ここはみんな親切だし、日本食、特に寿司が大好きだ。東芝はとてもプロフェッショナルで、望むものはすべて与えてもらっている」と言っているので、この先、何年も日本でプレーし続けるような選手になるかもしれない。

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 田臥選手やブレックスについては、田臥選手本人のほか多くの方に取材させていただいたのですが、ナンバーに記事を書く予定なので、まずはそちらに集中します。記事を書いたあとで書ききれない話が残っていたときには、あとからここにも書くかも。


Posted by Yoko Miyaji at 13:00  D-League】 , 【Japanese players in USA】 , 【日本のバスケ