2007.09.02
アメリカ大陸予選(5) 北京行きの切符
準決勝でブラジルに勝ち、北京五輪行きを決めた瞬間、アルゼンチンの選手たちはコートで輪を作り、ピョンピョンと跳びはねて身体中で喜びを表現した。応援歌を大声で合唱するスタンドの応援団に向かってガッツポーズで感謝を表現し、五輪切符の獲得を、本当に嬉しそうに祝っていた。
もうひとつの準決勝でプエルトリコに圧勝したアメリカの選手たちは、いつものようにコート中央で円陣を組み、いつものようにロッカールームに引き上げていった。ロッカールームには笑いが溢れていたというが、五輪の出場権獲得を特別に祝ったわけではなく、「ただみんなで冗談を言い合って笑っていただけ」(コービー)だという。9連勝でチームの雰囲気はいいが、五輪切符は特に祝うことでもないのだ。国際試合で無敗記録を保持し続けるジェイソン・キッドは、「まだ全部が終わったわけではない。明日の試合(決勝戦)がある」とも言った。
この二つの場面が、このアメリカ大陸予選でのアルゼンチンとアメリカの違いを表していた。大会に向けての目標、目的、道程の違い。
アメリカにとって、このアメリカ大陸予選は優勝して当たり前の大会だった。去年の世界選手権のメンバーにさらにベテランを加え、来年の北京五輪に向けてチームを作っている途中だ。アメリカ大陸予選は北京に向けての練習の場だったといってもいい。
一方のアルゼンチンにとっては五輪切符を取ることが、大会の最大にして唯一の目的。これまで長年に渡って代表チームを率いてきたジノビリらトッププレヤーたちに休養を与え、それでも今年夏のうちに五輪の切符を取ることができれば、それだけでアルゼンチンにとって大成功なのだ。
どちらのチームにとっても同じなのは、今年の夏は来年の夏に向けての通過点に過ぎないということ。北京での戦いに向けての準備の夏。そして、その“準備の夏”の最後に、両チームは明日、また対戦する。勝ち負け以上に、誇りをかけて、アメリカ大陸決勝戦の舞台で。





