2005.12.08

bjリーグ、初観戦

KIF_0860s.jpg 先週、私用で駆け足一時帰国していました。到着した翌日の3日午後に自由になる時間があったので、有明コロシアムでbjリーグ、大阪エヴェッサ対東京アパッチの試合を見てきました。取材というよりは、あくまで「見に行った」という感じです。時間がなかったこともあって、試合後もコーチの記者会見に出ただけで、選手の取材はせずに帰途につきました。
 試合後、いろいろな方から感想を聞かれて、その中には現場で働く関係者の方も何人もいて、新しいことを始めるなかで試行錯誤しながらも少しでもよくしていこうという姿勢を感じました。そういった姿勢を持ち続け、努力し続ける方がいる限り、bjリーグは一年後にはもっと魅力的なリーグになっていることでしょう。
 そういったことも踏まえて、参考になるかどうかわかりませんが、私の感想を書いておきます。1会場の、それも1試合を見ただけなので、この感想がbjリーグ全体にあてはまるわけではないと思いますし、一人の人間の感想にすぎません。そういう感想を抱いた者もいた…ということで。
 やや辛口ですが、これは、まだこれから発展していくという期待があればこそ書くことなので、そのあたりもご了承ください。

 実は、大分での開幕戦を見に行った方から、「すごく楽しかった」「NBAの試合のような雰囲気で盛り上がった」「海外までNBAの試合を見に行くより地元のbjリーグの試合を見たほうがいいと思う人が増えるかも」といった声を聞いていたので、期待していたのです。東京も開幕戦ではかなり華やかな演出をしたようでしたし。
 試合会場の有明コロシアムに到着すると、コロシアム外では3オン3が行われていたり、フェイスペイントをしてもらっているファンがいたり、フードコートやグッズ販売も行われていたりと、いい感じで賑わっていました。その場にいるだけで楽しい雰囲気です。ここでワクワク感を高めつつ会場内へ。

KIF_0862s.jpg  しかし、残念ながら外の盛り上がりとは反対に、会場内では物足りない思いを感じることばかり。会場が大きいために、2000人の観客でもスカスカに感じてしまうということもあるでしょう。開幕のときのようにライトを落としたショーがなかったということもあるでしょう。でも、それ以上に感じたのは運営面、試合面での物足りなさです。

 試合前からMCの方が中心になって応援の練習をしたりと頑張っていたのですが、そこまで努力しているのに試合中は空回り。その一番の原因は、MCの喋りや応援の要請が、試合の流れに関係なく、試合中のべつまくなしに続いているからだと感じました。ファンはまず第一に試合を見に来ているわけで、見たいのにその試合の流れと関係ない応援を求められたら引いてしまいます。
 会場に流れている音は、MC以外では、これまた試合の流れに関係なくバックグラウンドミュージックのようにずっと流しっぱなしの音楽だけ。笛が鳴ってもシュートが入っても、音楽もMCもお構いなしに流れ、話し続けています。バスケットボールは攻守の切り替えが速い、メリハリのあるゲームなのに全然そう見えない。
 これはMCの人だけの責任ではないと思うのです。きっと運営側が、試合中の盛り上げから情報提供まで、すべてをMCに任せてしまったのでしょう。これで試合を盛り上げるには無理があります。
 たとえば、私が座っていた席の近くに、初めてバスケットボールの試合を見に来たという女性がいたのですが、「今の何? 何で笛が鳴ったの? 何があったの?」の疑問の嵐。笛が鳴ったときに誰がファウルだったのか、あるいはどんなバイオレーションがあってポゼッションが変わったのか、さらにはシュートを決めた選手が誰なのか、タイムアウトはどっちがとったのか、そういった情報がまったくわからないのです。たまにMCの方がプレイに言及していたので、きっとそういう役割も彼に任されているのでしょうが、これを全部一人でやるのは無理。MCを使う今の形でやるのなら、そういった基本情報をアナウンスするPAアナウンサーが別に必要。PAが入れば、それだけMCの方がのべつまくなしに喋る必要もなくなるし、さらに音響ももっと入れていけば、メリハリも出てくるというもの。一人ですべてやるのは無理。会場進行もチームワークでやらないと。

 そして肝心の試合。以前から「bjリーグはレベルが低い」と言う声が届いていましたから、いったいどれくらいのものなのか、お金を払って見る価値がある試合なのかということも注目していました。
 実際に見てみて、確かにレベルは低いのですが、個々の選手のレベルについては正直、特に気になりませんでした。気になったのはチームプレーのレベルの低さ。たとえばディフェンスでも、一人マークが抜かれると誰もヘルプに出ない。オフェンスでもチームで攻めているというのを感じられない。それぞれが個々にプレーしていて、まるで寄せ集めのピックアップゲームのようなのです。さらに、ファウルを吹かれることを恐れているのか、インサイドに入り込んだ選手に対してはディフェンスをするよりも避けてしまっている選手が多い。そうやってディフェンスが甘いこともあって、全体のシュート確率は悪くないのですが、あまり見ごたえがあるとは言いがたいのです。
 たとえば背が低いアパッチ相手にエヴェッサの選手はかなり楽々とシュートを打ってきます。それはしかたないとして、アパッチのプレーをみていて背の低さを逆手に取った作戦を取っているとはとても思えず。終盤にアパッチが追い上げたのですが、それもアパッチが何をしたというよりは、エヴェッサの自滅のようにも見えました。

 こうして考えると、私が物足りないと感じたことの原因は、運営面、試合面ともに、チームプレーがないこと、メリハリがないこと、頑張っているのにから回りしていると、共通したキーワードが浮かんできます。どれも、十分に改善できる面です。
 すべてを一から始めるということは大変なことだし、それだけにまだ発展途上なのだと思います。次に見る機会があるときに、こういった面がどれだけ改善されているのか、どう発展しているのか、期待もこめて感想を書かせてもらいました。

 ちなみに、アメリカに戻ってすぐに、大阪で大阪エヴェッサと新潟アルビレックスの試合を見たという人から連絡をもらったのですが、「すごく楽しかった」「JBLよりも見ていて楽しい」とのこと。会場の雰囲気が違うだけで、試合自体がもっと魅力的なものとして見えるのかもしれません。


Posted by Yoko Miyaji at 17:00  日本のバスケ