2005.10.24
田臥&クリッパーズのポイントガード状況
クリッパーズのプレシーズンが始まって6試合が経過。いよいよ明日、24日の試合を含めて2試合を残すところまできました。このあたりで、現時点での田臥選手、クリッパーズの現状について少しきちんと書いてみようと思います。少し長文になりますが、おつきあいください。
まず、現在のクリッパーズのポイントガードの状況について。トレーニングキャンプが始まった直後にフランク・ウィリアムスがカットされて以来、サム・カセル、ショーン・リビンストン、ダニエル・ユーイング、田臥という4人でしたが、きょう23日に5人目の選手、アンソニー・ゴールドワイアと契約、これで5人になりました。ゴールドワイアと契約したのは、リビンストンの腰の調子がよくないため。キャンプ中も接触プレーのある練習にはほとんど参加せず、プレシーズン試合にもまったく出ていません。本人いわく、練習中は腰も問題なく動けるのだそうですが、練習後に痛み、違和感が出てしまうとのこと。腰の部分が炎症を起こしているようで、月曜の精密検査の結果によっては長期欠場の可能性も出てきています。
現在の5人のポイントガードのうち、カセル、リビンストン、ユーイングの3選手は契約がギャランティーされています(たとえ途中解雇になっても今季の契約金支払いは保証されている)ので、よっぽどのことがない限りはこの3人はカットになることはありませんし、ダンリビーも幾度となく、ギャランティ契約の選手(クリッパーズのチーム全体で13人います)は全員残留と言っています。
スターティングPGのカセルが35歳、いつ故障欠場となるかわからないという不安を感じているためか、クリッパーズとしては試合に出られるポイントガードを3人ロスターに抱えておきたいようです。つまり、リビンストンが故障で開幕から試合に出られないことになったら(今のところ、その可能性大です)、カセル、リビンストン、ユーイングに加えてもう一人ポイントガードをロスターに残すということです。そのことによって、田臥がロスターに残る可能性が出てきたのも事実です。キャンプが始まった時点で、3人の誰かに何らかの状況変化--つまり故障やトレード放出など--がなければ、田臥の残留は厳しいという状況でしたから、そこから見たら一歩前進です。
さて、そこできょう契約したゴールドワイア。彼と契約した理由をダンリビーは、「リビンストンとカセルは計算できる(チームが求めているレベルのプレーができる)選手。ただし、リビンストンが故障中であることに加え、カセルも高齢でいつ故障となるかわからない。万がいちのときに2人の新人(ユーイングと田臥。田臥の場合は記録上は2年目ですが、試合数が少ないのでほぼ新人)にポイントガードを任せるのは厳しい。彼ら二人よりいいプレーができるベテランがいるかどうか見てみたい」と言っています。これによって、田臥のロスター入りの可能性が小さくなったかどうかは、この先の二人のプレーによります。ちなみに、ゴールドワイアの契約はノンギャランティ。ユーイングよりも、そして田臥よりも使えない(or チームにあわない…etc)となればカットされることもありえますし、それぞれのプレー次第によってはまだ田臥にもロスター入りのチャンスはあるとダンリビーは言っています。
もちろん、現実的に考えれば、田臥にとってはかなり厳しい状況であることは確かです。こうやって、開幕直前になってあえて選手を追加するということは、現在の選手では物足りないということの表れでもありますから。まぁ、厳しいのはキャンプ開始からのことなので、今さら「ピンチ」になったわけではないのですが…。
むしろ、そういった厳しい状況の中ながら、田臥は思った以上によくやっていると思います。実際に試合に出たときのプレーとしては、田臥のプレーは昨シーズンとは比較にならないくらい安心して見ていられます。19日のシアトルでの試合で最後にターンオーバー連発で交代させられてしまったり、15日のフェニックス戦ではファウルトラブルでプレータイムを少なくしてしまったということはありましたが、それ以外では、プレスに対してもボールもきちんと運んでいますし、ハーフコートのオフェンスでもきちんとチームで決められた役割をきっちりとこなしています(これはダンリビーが重視しているところです)。ディフェンスではオールコートでプレスをかけることで、身長でのハンディを多少なりとも補ってもいます。ユーイングほどシュートは打ってきませんし、シュートを決めた数も違いますが、その分、ユーイングにはないポイントガードとしての安定感があります。これならNBAのロスターに残っても不思議ないと思える、そんなレベルです。あとは、チームが彼のようなプレイヤーを求めているかどうか、身長のハンディも含めて、田臥に安心してポイントガードを任せられると思ってくれるかどうか。
私のホームページ内にある掲示板で「田臥はユーイングとライバルなのか」という質問がありましたが、ユーイングのロスター残留は(トレードなどの例外がない限りは)確実ですから、ロスター残留を争うという意味では、この2人はライバルではありません。むしろ、ユーイングが新人らしからぬ活躍ができたほうがベテラン選手を入れる必要がなくなるわけで、田臥残留にはプラスに働く「かも」しれません。ユーイングも頼りない、田臥も身長面などで不安があるとなると、たとえ今回のゴールドワイアが期待に応えるプレーをしなかったとしても、今後さらにベテラン選手を探すことになるでしょうし、そうなると田臥が残留は厳しくなるでしょうから。
ま、田臥選手自身は、一貫して「誰がライバルとは考えていない。チームの中で与えられた役割をこなすだけ」と言っています。そういった姿勢を認めてくれるという点で、ダンリビーHCのもとではプレーしやすいとも言っていました。
ひとつ確実に言えることは、上に書いたことの繰り返しにもなりますが、田臥は一年前よりも成長しているということ。たとえ今回のクリッパーズの開幕ロスターに入れなかったとしても、また近いうちにチャンスを与えてくれるチームが出てきても不思議ない、そんなレベルまできています。
ちなみに、きょうのマベリックス戦で、田臥は今プレシーズン初めてのDNP(出場時間なし)でしたが、ダンリビーは、明日のゴールデンステイト戦では、きょうDNPだった田臥とゴールドワイアにも出場機会を与えると言っています。
そうそう、もうひとつ。ずっと開幕ロスターは14人でと言っていたダンリビーですが、このところの故障のニュースに、きょうになって初めて「場合によっては15人残すこともある」と言っています。となると、ギャランティ契約の13人に加えて、ロドニー・ホワイト、そして田臥かゴールドワイアのどちらかとなるのではないかと思います。
以上、この時期、状況は刻々と変わっていきますが、アメリカ時間10/23時点での状況をまとめてみました。





