第4回 チームを一つの方向に向ける!

 チームが一つのまとまる=それは、練習においても試合においても、そして指導者にとっても選手たちにとっても、理想的であり、とても大切な事ではないでしょうか。練習も試合も、全員が一つになって盛り上がった独特の雰囲気のなかで行われ、やり遂げた後には充実感が残る。それは次のステップのためにも必要な事のはずです。これはスポーツの世界でも、企業で働く人達にとっても通じるものがあるはずです。それではいったいどうすればチームが一つにまとまることが出来るのでしょうか?

[自分がいま何処にいて、そして何処にいきたいか]
 例えば、地図を見るとき、自分の今いる位置が判らなければ、自分の目指している所ヘ、何処をどうやって行ったらよいのか判りませんね。つまり、地図の見方が判らなくなっているわけです。また、いま自分がどちらの方向に向いているのかが判らなければ、東も、西も、南も、北も判らないと思います。だからまず自分がいま何処にいるのか、そして何処へ行きたいのかをはっきりさせることです。そうすると地図が見えてきます。道も判ってきます。そうすれば後は自分の行きたいところに向かって、安心して歩き出せばよいのです。でもいつもその道は滑らかな順調な道ばかりではありません。時には土砂崩れで、通行止めになっていることもあるでしょう。でも目指しているところへ行きたい。その時どうしますか?そこでまた地図を見て多分違う道を探すのではないのでしょうか。
 回りくどい言い方をしましたが、つまり指導者(企業の中でのリーダーも同じ事だと思います)は、いつも選手達のほうに向いていて、背中が見えないようでは、選手の心を引き付けて行くことは出来ないでしょう。言い替えれば、選手達から見て、指導者が本当に何処へ向かっているのか、向いている方向が理解できなければ、ついて行くことが出来なくなるのです。
 「親の背中を見て子は育つ」とはよく言ったもので、選手達はいくら言葉で言われても、指導者がその目標に向かって真剣に考えていなければ、必ずそれを感じてしまうものです。選手達はどんなときも指導者の背中を見て、感じているものなのです。

「○○大会で優勝する」「選手達を上達させる」など目標はいろいろあると思いますが、いかに真剣に自分自身がしっかりその方向を向いているか、ということを背中で見せる事が大切でしょう。それが選手達にとって本当に見やすい地図になっているのです。(今流に言えばカーナビゲーション的なものでしょう)

「現実を見つめて、一歩一歩」
例えば、いつも負けてばかりいるチームがあったとします。ある日突然「今度の大会、優勝だ!」といくら言ったとしてもそれは現実とはかなりかけ離れているのかもしれません。日頃の練習から自分自身がそれを目標において指導していて、着実に成果が出てきているのならわかりますが、突然言われても選手達は信じないと思います。多分「口ばかりでさ!」と敏感に感じ取ってしまうのです。  普段の練習から指導者が真剣に努力している姿勢が見えれば、たとえ「そんな事言ったって、勝てるわけないじゃん」と思っていたとしても、いつの日か「あれ〜、先生本気だ!」と思うようになり、指導者につられて真剣に努力をするようになるはず。そして、全員で目標に向かって努力しているうちに、チームが一つの方向にまとまっていた、と言う具合です。
 また、指導者がいつも同じことを言っていたとしても、選手が十人いれば十通りの受け方があることも事実です。常にコミニュケーションをとって、選手たちが同じ方向を向いているか常に確認をしながら、一つ一つ軌道修正をすることも必要でしょう。
 大切なことは、環境でもなく、選手達の資質でもなく、自分自身の情熱や目標に向かって、いかに背中を見せ、そして引っぱっていけるかです。


[あるときは、選手達の盾になる]
 逆にチームに対して外から、何らかの圧力があったとします。その時一番大切なのは選手達です。まず最初にしなければいけない事は、選手達を包み込み、外に対して背中を見せ、盾になり、安全な所へ非難させます。そして今度は選手達を背中にして、相手に対して正面を向いて対処する。心からそれができた時、多分選手達から信頼を得られるようになるはずです。
 (かりに自分の家に暴漢が押し入ってきたらどうしますか?逃げますか?多分そういう訳にはいかないでしょう。まずは家族を守ることが第一になるはずです。)

 たとえチームの成績が悪くとも、それはだれの責任でもなく、自分の責任なのです。誰かにその責任を追及されたとしても、決して人のせいにしてはいけません。自分が矢面に立つ勇気を持って下さい。指導者が人のせいにしていれば、きっと選手達も誰かの責任にして終わってしまいます。
 指導者には常にプレッシャーがあり、時には大変孤独なものですが、常に情熱を持って、努力していく姿こそが、コートに立って選手達を指導している期間だけではなく、その人生においても大きな影響を与える事もある、という事を忘れずに頑張ってください。

 
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