
村上睦子 |
第18回女子アジア選手権、静岡ABCがいよいよ開幕する。どうして静岡ABCがこのように注目されるのか? それは、シドニー・オリンピックの予選を兼ねているからである。前回のアトランタ・オリンピックでは3つあったアジアからの出場枠は、今回、1つに削減された。厳しい戦いを勝ち抜き、つまりアジアNO.1にならないと、世界中のアスリートが憧れてやまない大舞台、オリンピックへ出場することができないわけだ。それゆえ、ABCへの出場国が意地とプライドをかけてこの大会に臨み、アジア最高峰の、そして体を張った戦いが繰り広げられることになる。
優勝争いは日本、韓国、中国の3チームに絞ることができる。12月、タイで行われたアジア大会で日本は24年ぶりの金メダルを獲得した。しかし、その結果がこの大会でそのまま反映されるというわけにはいかない。日本を含めて各チームともベストメンバーで臨んだわけではないし、何よりもオリンピック出場がかかっているかどうか、取り組み方も自ずと違ってくるはずだ。 |

永田睦子 |
とはいえ、日本が悲観的になる必要はない。アジア大会の結果は、若い選手たちに自信を植え付けさせた。それに対する慢心もなければ、プレッシャーにもならないだろう。フルメンバーからは萩原美樹子(元Jエナジー)が抜けたが、ベテラン村上睦子、加藤貴子(シャンソン化粧品)は健在。それに、永田睦子(シャンソン化粧品)をはじめとする若手、中堅が確実に伸びており、戦力的には遜色ない。
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チョン・ジュウォン(韓国) |

苗 立傑(中国) |
一方、最大のライバルと目されている韓国は前回、タイで行われた17回のABCがピークとすれば、やや下降気味だ。3羽ガラスと言われたガードのチョン・ジュウォン、フォワードのユー・ヨンジュ、センターのチョン・ウンスンは全盛期を過ぎ、若手も育ってきていないという状況だ。韓国の強さの秘密は、相手のミスを見逃さない試合巧者であることだ。巧みなゾーンディフェンスも得意としており、日本にとって気の抜けない相手であることには変わりはない。 |
アジア大会で決勝を戦った中国は、現在2002年に自国で開催される女子世界選手権に向けて世代交代を続けているところだ。アジアの巨人と言われた元WNBAプレイヤー鄭海霞、日本を苦しめてきたガードの鄭冬梅はチームから離れた。現在チームの中心となるのが、アジアジュニア選手権で2大会連続のMVPに輝いた苗立傑、走る196cmのセンター馬澄清となる。ただし、タレントの宝庫だけに、日本としても楽に戦える相手ではない。それに、何をしてくるかわからないという不気味さを持っている。
日本にとって理想的な展開は、予選リーグを1位で通過し(つまり韓国、中国を破ること)、準決勝で中国台北(中国台北の予選リーグ4位もまず堅いだろう)と対戦。決勝で韓国、中国の勝者との最終決戦に臨む。そして、5月9日、決勝戦で日の丸が一番高いところに揚がって、君が代を大合唱することができるか? 中川ヘッドコーチが指揮するようになって10年、それまで歯の立たなかった韓国、中国に対し、それぞれ勝てるだけの力をつけてきた。ただし、同じ大会で両チームを破ったことはない。
しかし、機は熟した。各チームの実力分析に加え、何よりも日本にとって大きなアドバンテージとなるのが、地元での開催という点だ。日本のサポーターが会場に駆けつけ、応援を繰り広げることが大きな力となるのは言うまでもない。もし、チャンスがあるなら、静岡に赴いてほしい。今、全日本女子チームは、静岡ABCで本当の意味のアジアNO.1の座を獲得し、これまで誰もなしえなかったオリンピック連続出場のキップを手に入れる最大のチャンスを迎えているのだ。
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