1回戦から佐賀北の勝ち越しブザービーター3P、下馬評を覆して宮城広瀬に勝利した秦野、敗れたものの伝統校である飛龍に肉薄した大津…など、目が回るほどの接戦で盛り上がった初日の守口市民体育館。中でも、大分舞鶴−國學院久我山戦は予想だにしない結果となった。
1Qから25−15と舞鶴がリードする展開が続き、2Q終了時点で最大17点差がついた。しかし久我山も3Q、#10田口の連続ゴールなどでじわじわと点差をつめていく。両チーム一進一退の攻防が続くが、4Q残り11秒、#7西川の3Pシュートで69−69とやっと久我山が舞鶴をとらえる。残り2.4秒、舞鶴は痛恨のファウル。チームファウル5つ以上だったため、そのフリースローを#15宮本が2本とも決め、久我山は逆転勝利を飾った。
試合後、泣き崩れる舞鶴#13齊藤。最後にファウルをした自分を責め、廊下に伏せたまま顔を上げられない。その時、大分舞鶴・齋藤ヘッドコーチの声が廊下に響いた。
「40分間戦ったやろ! みんなで戦ったやろ! おまえのワンプレイだけのせいやない。違うか?」
ここ最近、舞鶴はケガ人、体調不良の選手が続出し、アクシデント続きだった。そこで負傷した本来メインガードの2年生#11熊谷に代わってスタートを務めあげたのが3年生の齊藤だった。3年生は進学の理由から、スターティングメンバーのうち国公立を目指す2人はインターハイ出場に悩んだという。しかし、2人は最後の夏に挑戦した。
齋藤ヘッドコーチは取材陣に対してこう語った。
「少しでも隙があったら勝利は逃げてしまう。チーム全体でもっとできることがあったし、当然僕自身もやれることはあった」
一方、久我山のプレッシャーがかかる場面でフリースローを入れた2年生センター宮本は大阪入りしてから負傷し、國學院久我山・手塚ヘッドコーチも心配していた。それでも、「フリースローは入る選手だからケガはあっても」と最後の約2分だけ出場し、勝負を決めたのだ。
何ができなかったのでもない、どちらがよかったのでもない。お互いが全力でぶつかり合った結果の“勝負のアヤ”。それを感じずにはいられない一戦だった。