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インターハイ初出場校が見た高い壁
 大阪インターハイがいよいよ開幕した。1回戦が行われた8月2日、インターハイ初出場を果たした女子の5チームがコートに立った。

 その中で創部30年でインターハイの舞台を踏んだのが八戸西だ。インターハイの常連、柴田商を破り、夢の舞台のトビラを開いた。インターハイ1回戦で対戦するのが12回目の出場回数を誇る誠英(山口)だ。

 八戸西は思い通りのプレイを見せ、3Qまでリードを奪った。誰もがこのままインターハイ初勝利が目の前に見えてきたことだろう。しかし、ここで八戸西は失速する。それを伝統校が見逃すことはない。誠英はこのチャンスにたたみ掛けて逆転。一度、逃した勢いを八戸西はつかみ返すことはできなかった。

「すべて私の責任です。選手は本当に頑張ってくれた」

 試合後、目に涙をためて記者の質問に答える八戸西・越コーチ。

「自分がメンバーチェンジ、タイムアウトのやり方を間違ったのが敗因……」

 八戸西を筆頭に、インターハイ初出場の各チームとも初出場とは思えない思い切りのいいプレイで自分たちの力を出し切ったと思う。しかし、それだけでは『初勝利』は見えてこない。全国の舞台のトビラを開いたからこそ見えてくる高い壁がそこにあった。

「大漁は逃したけど、3年生のおかげですばらしい財産が残せたと思う。これを無駄にしてはいけない」

 越コーチは自分自身に言い聞かせた。

月刊バスケットボール/入江美紀雄 

「“勝負のアヤ”を感じた國學院久我山−大分舞鶴戦」
 1回戦から佐賀北の勝ち越しブザービーター3P、下馬評を覆して宮城広瀬に勝利した秦野、敗れたものの伝統校である飛龍に肉薄した大津…など、目が回るほどの接戦で盛り上がった初日の守口市民体育館。中でも、大分舞鶴−國學院久我山戦は予想だにしない結果となった。

 1Qから25−15と舞鶴がリードする展開が続き、2Q終了時点で最大17点差がついた。しかし久我山も3Q、#10田口の連続ゴールなどでじわじわと点差をつめていく。両チーム一進一退の攻防が続くが、4Q残り11秒、#7西川の3Pシュートで69−69とやっと久我山が舞鶴をとらえる。残り2.4秒、舞鶴は痛恨のファウル。チームファウル5つ以上だったため、そのフリースローを#15宮本が2本とも決め、久我山は逆転勝利を飾った。

 試合後、泣き崩れる舞鶴#13齊藤。最後にファウルをした自分を責め、廊下に伏せたまま顔を上げられない。その時、大分舞鶴・齋藤ヘッドコーチの声が廊下に響いた。

 「40分間戦ったやろ! みんなで戦ったやろ! おまえのワンプレイだけのせいやない。違うか?」

 ここ最近、舞鶴はケガ人、体調不良の選手が続出し、アクシデント続きだった。そこで負傷した本来メインガードの2年生#11熊谷に代わってスタートを務めあげたのが3年生の齊藤だった。3年生は進学の理由から、スターティングメンバーのうち国公立を目指す2人はインターハイ出場に悩んだという。しかし、2人は最後の夏に挑戦した。

 齋藤ヘッドコーチは取材陣に対してこう語った。

 「少しでも隙があったら勝利は逃げてしまう。チーム全体でもっとできることがあったし、当然僕自身もやれることはあった」

 一方、久我山のプレッシャーがかかる場面でフリースローを入れた2年生センター宮本は大阪入りしてから負傷し、國學院久我山・手塚ヘッドコーチも心配していた。それでも、「フリースローは入る選手だからケガはあっても」と最後の約2分だけ出場し、勝負を決めたのだ。

 何ができなかったのでもない、どちらがよかったのでもない。お互いが全力でぶつかり合った結果の“勝負のアヤ”。それを感じずにはいられない一戦だった。

月刊バスケットボール/藤原 聖羅