長崎インターハイ公式試合球
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鶴鳴学園長崎女の夢ついえる
 浜松インターハイ以来の優勝を地元開催の長崎インターハイで実現させようと、鶴鳴学園長崎女は戦い続けた。4回戦の大阪薫英女学院戦ではミラクルな逆転勝ちで7年ぶりのベスト4進出を果して、山梨インターハイ以来の決勝進出をかけて、この日、東京成徳大と対戦した。
 大応援団が駆け付けた小野体育館では、長崎女のシュートが決まると歓声が沸き上がる。しかし、東京成徳大はひるまない。その歓声が止まない間に得意の速攻を決め、互角の展開を見せた。さらに、2Qになると、点差をじりじり開いていき、自分たちのペースでプレイを続ける。長崎女が何本のパスを回して得点をあげるのに対し、東京成徳大はPG#4金子からのゴール下へのパスでいとも簡単に点数をあげる。試合前、東京成徳大・下坂コーチがポイントとあげていたディフェンスリバウンドでも長崎女を圧倒し、最後までペースを崩すことはなかった。
 試合後、地元の多くの取材陣に囲まれた長崎女・山崎コーチは「ベスト4の成績には選手を誉めてあげたい。あの子たちがよくここまで来たと思う」とねぎらいの言葉をかけた。目にも止まらないパス回しと地元の声援を味方にベスト4に勝ち上がった長崎女の夢はこの時点で終了した。「これからももっと個々の力を上げていきたい」という山崎コーチが「すぐに(準決勝第2試合)試合を見なさい。瞬きひとつしないで試合を見ることが今の君たちのしなければならないこと」と選手に指示を与えていたのが印象的だった。

決勝の見どころ
 左ブロックからは、2年ぶりの優勝を狙う桜花学園が安定した試合運びで勝ち上がってきた。準決勝では勢いに乗る昭和学院を完膚なきまでにたたき、チームは勢いに乗っている。今大会に入り、#4内海、#5児玉の積極的なプレイが特に目につき、序盤に見られた細かいミスも試合を重ねるに連れて見られなくなってきた。
 一方、右ブロックからは予想どおり東京成徳大が勝ち上がってきた。東京成徳大の魅力は何と言っても華麗な速攻。PG#4金子、#5川村を起点に、#6高田、#7大西のセンター陣がゴール下に走り、次々にシュートを決めていく。さらにはスーパールーキー#8吉田が随所にビッグプレイを連発させ、チームにアクセントをつけていく。4回戦までは「負けてないだけ」(下坂コーチ)と満足できない試合内容だったが、準決勝では完璧な試合運ぶを見せた。3年前の北九州全中で優勝したメンバーがほとんどのだけに、キャリアという点でも桜花学園に負けていない。
 勝敗の行方は、東京成徳大の速いオフェンスを桜花学園がいかに抑えるかがポイントか。ディフェンスからの速攻を新たなプレイスタイルに加えた桜花学園。持ち前の厳しいディフェンスから東京成徳大のお株を奪った速攻が出れば、一気に桜花学園に流れが傾きかもしれない。また、東京成徳大#8吉田をマークするであろう桜花学園#6池住のディフェンスにも注目だ。
月刊バスケットボール/入江美紀雄 

これぞ能代工の強さ! 畳み掛ける攻撃で決勝進出
 準決勝まで大勝で勝ち上がってきた能代工だったが、内容としては序盤のリードをなんとか守りきるというスタイルで、“能代工らしさ”は垣間見えず、うっぷんが溜まるゲームが続いてた。
 今日迎えた準決勝・洛南との戦いで、そのうっぷんは晴らされることになる。Q、洛南の強烈なリバウンドの飛び込みに、能代工のインサイド陣は大苦戦。2−3ゾーンのトップの位置から#4高橋がリバウンドに飛び込んで、やっと互角の戦い。しかもその高橋は1Qで4つのファウルを犯し、ピンチに陥る。しかしその窮地を救ったのは、試合開始2分から交代で登場した#9富田だった。富田は得意の風切るようなドライブで点を重ね、さらにアシストで味方を自由自在に動かし、2Qからじわじわとリードしていく。対する洛南も#9木村(壮)の3P、#8木村(勇)のインサイドなどで巻き返し、前半を35−32能代工リードで折り返す。
 後半開始直後から、畳み掛けるような能代工の攻撃が始まる。10点差まで開いたとことで高橋が5ファウルとなるが、代わった#12梁川がみごとにつなぎ、さらに前半絶不調だった#7北向が連続3Pを決めるなど、3Q残り2分には20点差までリードを広げる。
 洛南も4Qに#4深尾が意地を見せて反撃を試みるが、“らしさ”を存分に見せた能代工の勢いは止まらず、90−62と大差で能代工が勝利した。
「勝負所は3Q3分の、富田のルーズボールから北向へのアシストパス。ああいうルーズボールを取れるようになれば能代工のバスケットになる」と、能代工・加藤コーチは満面の笑み。能代工伝統の粘りと途切れぬ集中力が、この準決勝でみごとに開花したのだ。

決勝のみどころ
 左ブロックからは、昨年の王者・北陸を勝負所で一気に突き放した福岡大附大濠が勝ち上がってきた。大黒柱で得点源の#4竹野がもちろん中心となるが、今大会を経て勝負強さを増した#6堤、スペースを埋めるディフェンス力で、貢献度が高い#5山下という2年生コンビの活躍も目立っている。ディフェンスからのアーリーオフェンスでガンガン点を取っていくという、得意のスタイルを出せれば、優勝も近づくはずだ。
 一方、右ブロックからは“らしさ”を取り戻した能代工が同道の決勝進出。相手のスタイルによって、リードガードを#8宮城、#9富田と変えられる自在性を持ち、40分間途切れることのない集中力は、必見の価値あり。#4高橋のキャプテンシーも光る。
 勝負の行方は、福岡大附大濠がいかに集中力を切らさず、自分たちのペースに持ち込めるかだろう。集中力を切らすと、今の能代工は畳み掛ける力があるだけに、一気に勝負が決まる可能性がある。#4竹野がどこまで個性派軍団を引っ張れるかにかかっている。
月刊バスケットボール/石原 健司