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 チャレンジャーとなった女王・桜花学園
 女王の名を欲しいままにしてきた桜花学園だが、今年度は茨城インターハイで緒戦敗退。さらに高知国体には地区予選で敗れて出場さえもかなわなかった。つまりはウインターカップまで桜花学園は全国大会で1勝もあげていなかったわけである。
 桜花学園が高校3冠大会で優勝できなかった年をは12年もさかのぼらなければならない。その後は毎年少なくても1つのタイトルを獲得しており、ウインターカップに限っていえば96年の27回大会から6連覇中だ。それだけに今大会にかける気持がプレイからもビシビシ伝わってくる。
 最近ではあまり見かけることがなかったオールコートのマンツーマンディフェンスで相手のオフェンスをつぶしてしまう強さに、そこからスピードに乗った切れ味鋭い速攻で畳み掛ける。女王はタイトルを守るのではなく、チャレンジャーとしてタイトルに挑む気持を前面に出してきた。2試合連続で100点ゲームで3回戦進出を果たしたのだが、それでも井上眞一コーチは満足できない。「アジアジュニアに出場するためにチームを離れていた#4山本と#11諏訪がまだしっくりこない」と、試合が終わったコートで丹念にプレイのチェックを繰り返していた。
「絶対に勝たなければならない」(井上コーチ)
 手負いの獅子となった女王の戦いからはやはり目が離せない。
月刊バスケットボール・入江美紀雄

 選手を思いやるコーチの“親心”
 2日目の2回戦からはシード校が登場し、人気チーム目当てか会場に来る観客の数も各段に増え、大会はさらにヒートアップ。また、昨年末にクウェートで行われたアジアジュニア選手権を戦った選手たちも続々と登場した。
 福岡大大濠対仙台戦の序盤、「インサイドは2年生の#6片岡と#10浅野が成長してきた」(仙台・佐藤コーチ)という理由から、今までチームではインサイドの役割が多かった#5小松(昌)を、ジュニア代表と同じSGで起用。小松はこの起用に応え、クウェートで経験したリード力を生かしてスムーズな試合運びを見せて前半は両チームとも譲らず。しかし3Q、福岡大大濠がリバウンドを支配し始めると、仙台の得点がパタリと止まり、リズムをつかんだ福岡大大濠が一気に突き放し、40点という大差をつけて完勝した。
「合流した時はなかなか入りこめなかったけど、自分のできることを徹底してやろうと思っていました。東京に来てからはだいぶ溶け込めました」と、小松(昌)。
 続く土浦日本大と広島商の戦いでは、日本代表のシューターとして活躍した土浦日本大#4岡田が登場。しかし前半はまったくシュートが入らず、チームも波に乗れず劣勢が続く。後半、「周りが岡田のリズムに合わせていない」という理由から、佐藤コーチは岡田をスタメンから外し、焦りからかボールを持ってアップする岡田を制してベンチに座らせる。そして3Q残り4分、気心の知れた3年生とともにコートに送りこんだ。岡田は期待に応えて3Pを含む3連続ゴールをあげ完全復活。試合も18点差の快勝に終わった。
 この2試合は、最終合宿も含めて1か月以上離れたチームのエースを、なんとかしてチームに溶け込ませようというコーチの“親心”が見えた試合だった。
月刊バスケットボール・石原 健司