12/22 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27 12/28

 1点を争う激戦
 ウインターカップ2001は2日目に入り、シード校の登場とともに1ゴール、1点を争う激戦が各コートで展開された。
「やっと粘れるようになりました」
 広島皆実の粘りに対し、最後の最後でうっちゃった昭和学院・鈴木コーチは笑顔で振り返った。
 常葉学園と福井商の試合も点差以上に激しい試合内容となった。
 昨日もオールコートのディフェンスで活路を見出し、強豪・鶴鳴学園長崎女を破った常葉は、森藤、柄田のツインタワーをようする福井商と対戦した。第1クォーターを終わり、スコアは21対9と福井商が大きくリード。インサイドの高さを生かした攻撃で福井商が主導権を握った。このまま福井商が押し切るかと思われたが、常葉の粘りがここから徐々に表れる。
 第2クォーターに入り、常葉はオールコートのディフェンスに出る。しかし、昨日は2−2−1のゾーンプレスだったのに対し、今日はオールコートのマンツーマン。
「センターがボールを運ぶことができるので、ゾーンでは突破される」
 という常葉・小前コーチの作戦が当たり、じりじり点差を詰め出した。
「準備はしてきたつもりだったが……」
 福井商・中池コーチはほぞをかんだが、捨て身とも思える常葉のディフェンスに主導権を奪われ、第3クォーターで逆転を許し、そのまま点差を離される形となった。
 ウインターカップは一年の最後の全国大会。特に3年生にとっては、高校生活最後の大会となる。ウインターカップを制するには、3年生の勝利への執念が不可欠だ。どれだけ勝負に対して貪欲になれるか?! ウインターカップの秘密はここに隠されているのかもしれない。
月刊バスケットボール・入江美紀雄

 1回戦の壁
 バスケットには盛んな地とそうではない土地があると言われているが、23日の1回戦では、今まで全国大会では緒戦敗退を喫することが多かった、いわゆる盛んではない地方チームの健闘が光った。
 初出場の作新学院は古豪の岐阜農林に、初芝橋本は昨年のダークホース四日市工に、一条は豊浦に、出雲北陵は佐賀東に、岡山工は福島工から、それぞれうれしい勝利をもぎとっている。終了間際まで粘って大接戦だったのが、北中城vs善通寺一、世田谷学園vs大分雄城台、新潟商vs海南、岡山工vs福島工。その中でも印象に残ったのが、世田谷学園vs大分雄城台の一戦だ。
 終始接戦だったが、終盤にきて世田谷学園がセンター#4石田を中心に高さを生かした攻めで9点引き離す。大分雄城台は司令塔#6佐藤が指を脱臼して一時ベンチに下がり、得点源の#8河野と#9廣川がファウルアウトするなど、もはやここまでかと思われた。しかし、#6佐藤がコートに戻るやいなや、驚異的な粘りで残り1分を切って再逆転。残り26・5秒で1点のリードを奪う。だが、最後はファウルトラブルからフリースローを与えてしまい3点差で力尽きた。勝敗を分けたのは、最後にもぎ取れずにファウルになったリバウンド1本分の差だけだった。
 技術の差や身長・体格の差はあれど、全国大会に出てくるのは皆同じ高校生。下馬評はあくまで大会前の評判にすぎない。試合の行方を左右するのは、どれだけ“勝利への執念”を持って戦えるかだ。特にウインターカップは、3年間の総決算として戦う分、勢いだけでは勝てない。リバウンド1本分届かなかった大分雄城台だが、「やるだけやった」思いは残ったという。
「3年連続のウインターカップなので、今年こそは1回戦を勝ちたかった。負けてしまったけれど、自分たちは最後まで負けたくない一心で戦ったと思います。みんなで一つのボールを追いかけて、最後まであきらめなかったからこういう(競った)試合ができたのだと思う。チームメイトやチームを支えてくれた人に感謝します」
 涙ながらに答えた大分雄城台#6佐藤の言葉には、3年分の思いがこもっていた。
月刊バスケットボール・小永吉陽子