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“勝ちたい”という3年生の気持
「インターハイを勝ち抜くには3年生の“勝ちたい”という気持が欠かせない。今のうちのチームでそれを感じられるのはチビ(#12河)だけ」
 勝ちはしたものの、全国制覇32回を誇る井上眞一コーチ(桜花学園)は不満を隠そうとしなかった。下級生が育ち、チームの成熟度も上がるウインターカップと違い、インターハイは“勝ちたい”という3年生の気持が勝利には欠かせないという。それを毎年持ち続けるからこそ、名門の名を欲しいままにできるのだ。それが伝統といえるだろう。歴戦の兵、井上コーチにして「記憶にない」という地元チームとの決勝戦。井上コーチの不安のままでは、勢いに乗る熊本国府の勢いを止めることはできないかもしれない。いよいよ明日、決勝戦だ。
月刊バスケットボール・入江美紀雄 

ハイスコア・ラッシュ!
 1回戦から準決勝までで100点ゲームが22試合もあるハイスコア続出の大会となった。驚異の外角シューターあり、超大型センターありと、個性的な顔ぶれがそろったうえでの得点力だ。しかし、もう少しディフェンスの締まったゲームが見たいと思うのは専門家の厳しい目だろうか。
 昨年度の仙台や小林のように激しく厳しいディフェンスは、チームの安定感を生み、いいシュートセレクションを作り、バスケットの“流れ”や“勝負所を制する術”というものを十分に堪能させてくれた。今年のチームには、まだそういう力がない。どこもハイスコアで接戦になってしまうのは、ディフェンスの安定感がないためだとハッキリ言える。
 北陸や大濠などの名門復活の要因は、明らかにディフェンス力と脚力を磨いてきた効果。やはり、バスケットの原点はディフェンスなのだと思う。しかし、これらのチームもディフェンスに関しては、まだまだこれからだ。
 しかし、言いかえればこれらのチームはすべて発展途上なのだ。しかも、驚異の得点力と機動力を兼ね備え、将来性も十分だ。この高校生たちが、今後、どう成長していくか楽しみでならない。
月刊バスケットボール・小永吉陽子 

明暗分かれた女子・準決勝
 女子の準決勝2試合はいずれもドラマチックな幕切れだった。
立ち見でごった返した観客が、かたずを飲んで見守ったのが地元・熊本国府の勇姿。前半から気迫のディフェンスで札幌山の手を圧倒し、センター日高を中心に攻め立てる。シュートが入るたびに体育館が揺れるほどの歓声が上がっていた。その声援に後押しされて後半に入ってもペースは変わらず。とどめは10分過ぎから見せた1−1−3ゾーン。コート狭しと動き回る国府の選手たちは、1回戦とは全く違うスピードを見せていた。勝利の瞬間、会場は歓喜の声と涙でいっぱい。
「地元での開催で、みんなが力をくれています」と、勝負所でのアシストや、キレのあるシュートを決めたエース米村も興奮気味。ついに、ついに決勝までたどり着いた。
 第2試合、丹原対桜花学園は、序盤からまったく互角のペースで進む。2mのスーパーセンター河を、173cmの丹原・友兼が必至のディフェンス。ほかの4人も、スーパースターひしめく桜花相手に、得点を許さない。後半の最後まで勝負はわからなかったが、河のターンシュートが確実に決まり、6点差で終了のホイッスル。
「選手たちは120%の力を出してくれました。それでも勝たせてあげられなかったのが…。自分の責任です」と、丹原・瀬良コーチはガックリ。しかし、他のチームにマークされながら、1つ1つ勝ち進み、これまで圧倒的な勝利で勝ち進んできた桜花相手に、互角の戦いをした丹原に、拍手を送りたいと思う。
月刊バスケットボール・石原 健司 

準決勝の見どころ
女子準決勝の見どころ

☆桜花学園(愛知)対熊本国府(熊本)
 桜花学園が3連覇を目指し決勝の舞台に立つ。チームの大黒柱は2mセンター#12河。準決勝では、丹原の厳しいディフェンスに各選手が苦しむ中、孤軍奮闘、44得点をあげた。決勝でも河の活躍は不可欠。これに#4宇佐美など他のメンバーが絡んでくれば、桜花の牙城は崩れないか?!
 一方、熊本県勢として男女通じて初の決勝の舞台に立つ熊本国府。地元の大声援に後押しされ、“ミラクル”とも思える大躍進を続けている。国府には失うものは何もない。それだけに桜花にとっては不気味なところだろう。激しいディフェンス、早いパス回し、機を逃さないシュート。それらがすべてかみ合えば、勝機は必ずある。


男子決勝のみどころ

★ 能代工(秋田)対福岡大附大濠(福岡)
 能代工110.5点、大濠112.5点。それぞれ、ここまで4試合中の3試合が100点ゲームと、驚異の得点力を見せつけている。能代工は機動力ある展開からの3Pシュート、大濠はどこからでも得点できるアーリーオフェンスが光る。得点力に関しては互角であろう。問題はスタミナだ。
 ここまで4試合すべて接戦を演じている能代工は、準決勝の前半から疲労は隠せなかった。それでも気力で最後まで走り切り、東住吉工がバテてきたところで、センターが走って勝利をつかんだ。疲労度が濃いながらも「勝利」への執念はさすがとも言える。
 対する大濠は準決勝の相手、北陸さえも91−55で下し、すべて突き放した展開で勝ち上がってきている。決勝に対しても、余力は十分といえる。
 接戦を制してきた能代工の自信、ハイスコアゲームで一蹴してきた大濠の勢い。決勝戦は対照的な対戦となったが、どちらも機動力を武器とするチームなだけに、最後の最後まで走り切ったチームが勝つだろう。

月刊バスケットボール・入江美紀雄/小永吉陽子