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富岡はこの敗退から何を得るか?!
「今大会一番の出来だった」と桜花学園(愛知)・井上コーチは満足げな表情を見せた。準々決勝第2試合、桜花学園対富岡(神奈川)の対戦は、桜花の圧勝で試合が終わった。
 何かと因縁の対決が多いこの両チーム。「敗れるにしても、来年につながる内容のある試合を思い切りさせたい」と富岡・星澤コーチは試合前に語っていたが、ふたを開けてみれば、試合開始から桜花が2mセンター#12河を中心に、完全に主導権を握り、富岡にバスケットをさせなかった。桜花は#12河が23得点の大活躍、1年生の#14池住も19得点と勝利に貢献した。
 一方、富岡は、エース#7森本がこの日も不調で得点が伸びず、3年生の控え#10中村の3Pで反撃を試みるものの、状況を変えるまでにはいかなかった。
 富岡が昨日の中村学園女戦でレベルの高いプレイを見せていただけに、今日の試合は物足りなさを感じるものだった。2年生主体のチームだけに来年につながる何かを得なければならなかったはずなのに、「あまりにも内容が悪すぎてこれでは意味がない」と試合後、星澤コーチはコート脇で選手を集め、長いミーティングを行った。
「若いチームだから」という言い訳は、全国大会では通用しない。思惑はいろいろあるものの、実力をすべて出し切って初めて得るものが多い。富岡は試合によって好不調の波が多かった。それを「若いチームだから」と言い訳できるだろうが、それでは何にもならないだろう。
「過去2回の優勝の前年は、すべてベスト8だったけど、来年につながるものを得ての敗退だった。今回はそうではない」と星澤コーチ。勝負の年となる来年に向け、今回の桜花戦での敗退が、富岡にとって財産となるか、それはこれからの過ごし方によって、いくらでも取り戻せるはずだ。それを期待したい。
 さて、女子は明日より会場を益城町総合体育館に移し、準決勝2試合が行われる。新しい会場に移ることがどのような影響を与えるか。若干気になるところでもある。3連覇を狙う桜花学園に丹原(愛媛)が挑戦。地元の大声援に乗り旋風を巻き起こしている熊本国府(熊本)が札幌山の手(北海道)と対戦する。桜花学園以外は、すべて初の決勝進出を目指しての試合となる。
月刊バスケットボール・入江美紀雄 

苦悩の中でつかんだ女王への挑戦権
 男女ともにベスト4が決まり、それぞれのチームに“優勝”というゴールが見えてきた。その中でも、明日の大一番に賭けているチームに注目してみたい。
 愛媛県代表・丹原は、福井商を逆転で下し波に乗る愛知・星城を持ち前のディフェンス力で撃破。昨年に続きベスト4進出を決めた。
「去年と今年のベスト4進出では、まったく意味が違う」と、試合後瀬良コーチは語気を強める。昨年はノーシードからの大躍進だったが、今年の3年生4人は、昨年のベスト4をコートの中で経験しているメンバー。全員ステイローを崩さない気迫のディフェンスと、野田、奥岡を中心にしたオフェンスは、全国でもトップクラスと評価されていた。
「マークされながらの試合は、そうでない試合と比べて相当なプレッシャーを感じます」と瀬良コーチ。実際に3回戦の樟蔭東戦では、ゾーン攻略に苦しみ1点差の大接戦。しかしその中で、着実にチームの団結力は強まり、上昇の気配を感じさせる。
明日は大会中も成長を続け、強豪・富岡に完勝した女王・桜花学園との対戦。「自分たちのバスケットをぶつけるだけです」と目を輝かせたキャプテン・近田の言葉には、自信さえうかがえる。何が起こるかわからないインターハイで、一歩一歩勝ち進んだ丹原。明日の第二試合はまったく見逃せない戦いとなりそうだ。
月刊バスケットボール・石原 健司 

準決勝の見どころ
女子準決勝の見どころ

☆札幌山の手(北海道)対熊本国府(熊本)
 今大会は男女とも地元チームが活躍したが、最後に残った熊本国府が初めての決勝進出を目指す。コートに立つ選手は「大声援が私たちを後押ししてくれます」と語る。
 一方、札幌山の手も初の決勝進出をかけての戦いだ。エースでキャプテンでもある#4加藤を中心にまとまりを見せる大型チーム。
 熊本国府の堅い守りを札幌山の手の攻撃がいかに突破するかが勝敗のポイントとなるか?!
 
 ☆桜花学園(愛知)対丹原(愛媛)
 優勝候補筆頭・桜花学園に初の決勝進出をかけて丹原が挑戦する。
 勝敗のカギを握るのは桜花#12河を丹原ディフェンスがどう止めるかだろう。常に進化する2mセンター河は、昨年のウインターカップよりも数段パワーアップしている。それを厳しい守りの丹原がどのようなプレイを見せるか。桜花に挑戦したチームがすべてこのポイントで敗れ去った。丹原がそれを突破できるか?!


男子準決勝のみどころ

★北陸(福井)対福岡大附大濠(福岡)
 優勝候補の一角・市柏を破って波に乗る日大山形を一蹴した北陸と、全試合100点ゲームと抜群のオフェンス力を展開する両チームの戦い。北陸は#5伊藤、#7石崎を中心とした1対1とシュート力には目を見張り、ここへきてディフェンスへの意欲も高まっている。対する大濠は選手層の厚さを生かし、出る選手出る選手が仕事をしてコート中を走り回っている。
 ともに全国大会ではよく対戦する相手だが、全国上位での対戦は久しぶりか。名門校の意地のぶつかり合いに期待したい。

★能代工(秋田)対東住吉工(大阪)
 今年の有力一番手と見られていた両校だが、能代工も東住吉工も楽してここまで勝ち上がってきたわけではない。能代工は緒戦から続いているハイスコアのゲームを制し、東住吉工はチャレンジャーたちの闘志を受けてしまい、苦戦の末に勝ち上がってきている。  
 だが、ともに“勝ち方”を知っている両校。この一戦が最大のハイライトとなることは間違いない。3戦を終えてアベレージ50点を超える能代工の得点マシーン#7新井のシュートはこの試合も火を吹くか。東住吉工の司令塔#4森本とセンター#5佐藤のホットラインは炸裂するか。満を持して迎えるライバル対決。熱い火花を散らす対決は見ものである。

月刊バスケットボール・入江美紀雄/小永吉陽子