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因縁の対決、いよいよ決着を迎える(12月28日、女子の見どころ)
 女子はベスト4の座をかけた熱い戦いが繰り広げられた。その結果、明日の準決勝は、桜花学園対足羽、大阪薫英女学院対静岡商という組み合わせとなった。
 優勝候補の桜花学園と足羽は、この3年間、全国の舞台で幾度となく対戦している。単独チームとしてこれで4度目となるが、それぞれが主力を選抜チームに送り込んだ今年の富山国体では、足羽主力の福井が桜花主体の愛知を破った。これを加えると対戦成績は3勝1敗とリード。しかしながら、今年に限っていえば1勝1敗であり、このウインターカップで雌雄を決することになる。それだけにお互いの選手はライバル心をメラメラと燃やす。
 「国体の借りを絶対に返します!」(桜花#5田渕) 「日本一を目標にやってきましたから、明日も勝ちます」(足羽#4藤生) 先のインドでのアジアジュニア選手権に選手を送り込んだ両チーム。桜花#4大神VS足羽#4藤生、桜花#6重田VS足羽#5畑のマッチアップにも注目だ。
 もうひとつの準決勝戦は、2度目の出場で初の決勝進出を狙う静岡商と、13年ぶりの決勝進出を目指す大阪薫英女学院。新鋭と古豪の対決となった。静岡商は準々決勝、#5内田のサヨナラ3Pで中村学園女をうっちゃった。エースセンター#7谷川、外角からの攻撃を得意とする#4関が得点源。粘り強いディフェンスも静岡商の特徴だ。
一方、薫英の主力は#4小泉、#5橋本、#6北川のガードトリオがチームを引っ張る。薫英も身体をはった粘り強いプレイで札幌山の手に勝ち、準決勝進出を決めた。準決勝でも、今日の粘りを発揮できれば、十分勝機がある
 静岡商と薫英との対戦は、自分の持ち味を発揮できたほうに勝利が近いといえるだろう。
月刊バスケットボール・入江美紀雄

東住吉工4年連続仙台の壁は破れず
 仙台先行、東住吉工が追いかける形で始まった。前半終了間際、東住吉工はコー トに投入された#10山本が運動量豊富な動きを見せ、チームを勢いづけた。さらに、エースセンター#15佐藤にボールをつなぎ、追撃態勢に入る。ハーフタ イム直前には#4金子が中央突破、そのままブザービーターレイアップを決めて 、応援団の「よっしゃー!」の連呼が響く。
 「ひょっとして行けるんとちゃうか?」
 応援席に陣取った昨年までのメインガード林卓司(同志社大)、清水耕介(筑波 大)は興奮気味だ。1年前に彼らが初めて準決勝に進出し、対峙したのも同じ仙台だった。なおさら、後輩に寄せる期待は大きい。しかし、その淡い期待は後半仙台#4志村にずたずたに切り裂かれてしまった。どこからともなく現われてさらっていくスティール、果敢に攻め込むドライブから相棒#5佐藤(濯)へどんぴしゃのタイミングで通す裏パスはアリウープに。まさに"ホットライン"の成立 だ。時に大型プレイヤ−たちの林をかいくぐり、ゴール下まで決めてのける姿は160cmどころか、190cm台のそれと比べてもまったく遜色ない。
 「志村にコントロールされると、なかなか崩せない」(東住吉工・岡田コーチ)「向こうのキャプテンが決めてどんどん自信をつけて、がんがん攻めるようになってきた。その勢いを抑えられなかったのが最後に開いた原因だと思う」(東住 吉工#4金子)
 東住吉工はインサイドにボールを集めようとするが、仙台のディナイディフェ ンスでパスコースを遮断されてボールが45度から下におりない。センター#15佐 藤に入るパスはワンクッション置いたパスにならざるを得なかった。#15佐藤は 25得点、10リバウンドにとどまった。
 またも東住吉工は3位決定戦へ。いつまでもうなだれる選手たちに岡田コーチ の一喝が落ちた。「試合は今日で終わりじゃなく、明日もある。そういう切り替えが遅いから二流なんや!」
 昨年逃したメダル取り。越えられなかった"壁"はまだ残っている。
月刊バスケットボール・清水広美

準決勝・小林vs北陸 ディフェンス合戦では小林に軍配!
 自分たちのバスケットを貫きながら“着実に”4強入りを決めた小林。準々決勝では最高のディフェンスと高さある攻撃を披露し、“勢い”の出てきた北陸。準々決勝を見るかぎりでは、北陸のいいムードばかりが目についたのも確かだ。しかし、ポイントとなった“ディフェンス力”という面では、小林が一枚上手だった。
 出足から小林は北陸の長身センター#9張(198cm)に対し、寄りの速いヘルプディフェンスを仕掛ける。フリースローを含める8連続ゴールを決めて16−6と一気にリード。ここで完全に試合の主導権を握った。高さに対しての懸念はどこへやら。#4瀬戸山が3つ目のファウルを犯して交替するも、このピンチを全員ディフェンスで乗り切り、7点リードで折り返す。
 北陸は準々決勝で大活躍だった#5島袋、#6山本のガードコンビが機能せず、ロースコアの展開に持ち込まれる。小林の本領発揮は後半5分すぎ。#5月野が3回目、#4瀬戸山が4回目のファウルを犯し、ベンチに下がってからだった。ここで小林は「今日はお前でいくからな!」と森コーチに檄を飛ばされていたセンター#9松久保が、北陸のセンター#8張を抑えたばかりではなく、逆ミスマッチを生かしてジャンプシュートで加点。さらには、8分間もの間ベンチに下がっていたエース#4瀬戸山がコートに戻るやいなやの残り4分14秒、#11月野が体を張ったスライディングルーズから、#4瀬戸山にボールを託し、鮮やかな速攻で55−47。これぞ小林の真骨頂。小林の魂が集結されているかのこのワンプレイで勝負は決したのだ。エース#4井上の3Pで粘った北陸だが、時すでに遅し。59−52。小林は会心の出来で決勝進出を決めた。
 この1年間3大会ですべてベスト4入りを果たした北陸だが、もう一歩の上への壁は越えられなかった。「3度目の正直で今度こそと思ったけど、ベスト4の壁は厚いとつくづく感じた。相手に気持ちで負けていたので、自分たちに力がなかったことは認めなくてはならない。でも、明日こそは勝ちたい!」(北陸#4井上)
 北陸は91年にもエース納谷(トヨタ自動車)を擁し、準決勝で能代工に敗れ、その後も3位決定戦で仙台に負けて4位となっている。3位と4位では違うことを誰もがわかっている。今年1年間越えられなかった壁を破るチャンスはもう一度だけある。北陸は明日の3位決定戦で、最後の壁破りにチャレンジする。
月刊バスケットボール・小永吉陽子

決勝・仙台vs小林の見どころ
 2000年の男子高校界を締めくくる決勝は、仙台vs小林という2年連続の顔合わせとなった。仙台にしても小林にしても、ディフェンス力は申し分ない。精神面も鍛えられており、気持ちのしまったいい試合が見られるだろう。
 試合のポイントは何か。“がっぷり四つに組んで”戦うのか。決勝の鉄則である“秘策”を出すのか。その準備にぬかりはないのか、出すとすればどこで出すのか。どちらともボールに対する執念は凄まじく、一瞬の隙をも逃さない攻防が売りなだけに、その展開は読むことができない。ただひとつ言えるのは、40分間の試合の中で、どちらが集中力にまさるか、だろう。
 小林は準決勝で相手のセンターを抑え、ファウルトラブルにもチーム全員でカバーし合って、これ以上ないムードで決勝進出を遂げた。対して仙台は勝負所のシュートを決めて試合を制する試合運びは光ったが、「もっとやれる」という印象も残った。「準決勝を勝たなければ決勝の土俵に上がれない」というプレッシャーがあったうえでの試合運びだったのか、はたまた、相手より一枚上手だっただけに、やや余力を残していたようにも見受けられた。その答えは決勝を見なければ分からない。いずれにしても、勝っても負けてもこれがラストゲーム。どちらが「勝ちたい」気持ちが強いかだろう。
 昨年も本当にいいゲームを展開し、感動をたくさんくれた両チーム。仙台と小林なら、きっと今年もいいゲームを見せてくれるはずだ。今から戦いが楽しみでならない。
月刊バスケットボール・小永吉陽子