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桜花学園2年連続10回目のインターハイ制覇
「インターハイは負けられない」
 桜花学園#4大神雄子にとって、インターハイは特別な存在だ。その理由は、2年前の1年生の時、高知インターハイにおいて、名古屋短付(現:桜花学園)は決勝戦で富岡(神奈川)に敗れた。
「あの悔しさは決して忘れなれません。でも、あの負けがあったから、今の自分があると思います。インターハイのあとの厳しい練習があったから、今回の足羽の試合も乗り越えられたし、去年のウインターカップでの札幌山の手戦でも延長で勝つことができたんだと思います」
 今日の決勝戦、静岡商の粘り強いディフェンスに、桜花は持ち前の華麗なオフェンスが影をひそめた。リードはするものの、安全圏に逃げ込むことはできなかった。どちらかといえば、静岡商ペースだったかもしれない。その厳しい局面を打ち砕いたのは、やはり大神だった。キャプテンでもある大神はチームを鼓舞させ、速攻の先頭を切って走った。
「今日の出来には満足していません。ディフェンスもオフェンスも悪かった。特にもう一度、ディフェンスを修正して、国体、ウインターカップに臨みます」
 高校3冠大会の中で、「インターハイが一番大切」と言う大神にとっても、終わってみれば通過点に過ぎない。その目はすでに国体、そしてウインターカップに向いている。大神は1年時のインターハイには敗れたが、その後、全国大会では負けを知らない。今回の優勝で6回連続の優勝だ。目指すは8冠、そして、2年連続の3冠だ。
月刊バスケットボール/入江美紀雄
自分を信じて、仲間を信じて
「やっと終わったね」
肩にかけていたトレードマークのタオルで汗をぬぐった小林・森コーチが笑いかけてきた。森コーチとはインターハイ前のアジアジュニア選手権から、なんだかんだと最後まで試合のことを話しあってきた。前日の久々野の旅館では「このチームが勝っちゃっていいのかな」といいながらも、7月29日に帰ってきたその日の午後の練習話から、仙台戦のことまで洗いざらい教えてくれたのだ。
 #4瀬戸山が能代カップで骨折したあとは、キャプテンは#5月野に代わった。その瀬戸山が練習に復活した直後にジュニア合宿〜遠征と森コーチはチームから離れなければならなかった。全日本ジュニアに参加する理由の一つには、去年のウインターカップで仙台に負けた理由を追求したいという思いがあったのだ。選手たちも「自分たちを信じて、ジュニアで勉強したことを教えてください」と快く送り出してくれた。その答えは、もちろんすぐには反映されない。しかしこの「自分を信じて」という言葉こそが小林にとってこの大会のキーワードだった。
 決勝では、後半最大16点差がついた。この時、ベンチの選手からは「我慢! 我慢!」と声が飛び、コート上では#4瀬戸山が「ここ辛抱。まだまだいける」と大声を張り上げ、コートサイドの森コーチは「みんなを信じろ!」と胸を叩いた。
 その言葉に呼応するように、ここから小林本来のディフェンスが冴え渡った。ハーフライン際で、能代工のボール運びのミスを誘って次々とスティールを重ねる。スティールから速攻、または#4瀬戸山のスリーポイントに結びつけ、猛チャージを展開した。気がつけば、会場の声援は小林により多く送られていたように思う。
 最後の最後までチャンスはあったが、ワンゴール差及ばなかった。
「うちが勝ちあがってくるなんて、100人、いや150人に聞いたっていなかったでしょ」昨日の森コーチの言葉が思い出される。
 最後までチームを、自分を信じていたからこそ小林はああいう戦いが出来た。そして、あとワンゴール届かなかった自分たちを見つめなおして、国体、ウインターカップにはきっと修正してきた小林の姿がみられるに違いない。
月刊バスケットボール/清水広美
岐阜インタインターハイを振り返って
 高校生たちのパワーを存分に感じた大会だった。男子は能代工が2年ぶり19回目の優勝を飾った。能代工と小林の決勝戦は厳しいブロックを勝ち抜いて来た意地と、毎日成長する高校生たちの姿をたくましく感じた試合だった。一時は16点差のビハインドを逆転した小林だったが、最後はリバウンドを制した能代工が延長を制する形となった。
 勝った能代工は、よくインターハイに間に合ったという感がある。6月の東北大会でも選手起用が定まらず、チームが分解しかけたときもあった。しかし、大会を戦い抜くことで力をつけ、最後は勝利を信じることで激戦を制してきた。ベスト4をかけた北中城戦はまさに今大会の命運を分けた試合。0.1秒で勝ち運をつかむなど、勝ちぬくための“流れ”を引き寄せていた。準決勝では「不本意な内容」(加藤コーチ)と、まだチーム力に波はある感は否めないが、そもそも、今大会自体が、それぞれのチームにとって“成長していく過程”の大会だったのだと思えてならない。
 能代工、小林ともに、「仙台を倒す」ことを目標にしてきたチームだ。ともに昨冬のウインターカップで仙台に敗れ、リベンジを誓っていた。小林が準決勝で仙台をディレードオフェンスで破ったのは会心の勝利だった。その仙台は、主力がアジアジュニアで戦ったために万全な体調ではなかった。その戦い方を見れば疲労度は一目瞭然。それでも、最後の最後まで精一杯戦い抜く姿勢は、ハートの部分で“仙台らしさ”そのものだった。誰一人として、疲れを理由にしなかったファイティング・スピリットは賞賛に値する。
 12年ぶりベスト4入りを果たした北陸も、自分たちの持ち味を発揮してこの夏の主役となった。能代工との激戦で惜しくも敗れた北中城や洛南、勢いのあるバスケットで観客を沸かせた静岡学園、3P軍団の黒沢尻工など、夏の主人公たちはこの大会でみんな一回り大きな成長を見せた。
 そして今大会、アジアジュニア選手権に出場した選手たち一人ひとりの技量は明らかにパワーアップしていた。それぞれの試合で、その力が発揮されていたことが、とてもうれしく思う大会だった。
月刊バスケットボール/小永吉陽子