★仙台サイドから見た決勝
仙台高校、全国初制覇――。「全国で一番厳しい練習をしてきたので、それを自信 にしてきたし、先生を信じていました」。試合後、仙台のキャプテン#4大場が胸を 張って答えた。その言葉にすべてが集結されているかのような、素晴らしい決勝戦 だった。
小林との熱戦は集中力の勝負。前半からの接戦を決定づけたのはほんの小さな差。 後半に入って徐々によくなる仙台のディフェンスに対し、小林は小さなミスが出てし まう。#11志村のスティールから#5菅野らセンター陣が走ってゲット。#11志村と #6佐藤のホットラインも冴え、徐々に5点、7点と突き放しにかかる。
しかし、小林もしぶとかった。最大7点のリードを3点まで2回も詰め寄る執 念。だが、仙台は落ち着いていた。小林がディフェンスの気合いを入れるために床を バンと叩く『タッチ・ザ・フロア』に対し、仙台も同じことを試みて気合いを入れ る。終盤にくればくるほど仙台のオールコートプレスは効き目を発揮し、残り2分25 秒には#7高橋のドライブで61−54。そして、1分36秒には#8武内が試合を決定づ ける3Pで8点差。この試合、シューターの#7高橋と#8武内の3Pは2人で3 本。むしろドライブでの得点のほうが多く、そのことが小林のディフェンスの的を絞 りにくくしていた。2人の攻めのバリエーションが増えていたことも、この試合を制 する要因だった。仙台は2年生が軸になって試合を動かしていたが「このチームは3 年生のチーム」と佐藤コーチが言うように、層の厚い3年生がコートに出てきて結果 を残したのが大きい。最後はスティールからの速攻でさらに点差を離した仙台だが、 小林も最後の最後まで勝負をあきらめなかった。最後は72−60で仙台が初優勝。見ご たえのある中身の濃い試合に、観客からは大きな拍手が贈られた。
決勝における仙台のバスケットは完璧だった。40分間続いたディフェンスの集中 力、リバウンドやルーズボールに飛びつくボールへの執念、勝負所の確率の良い シュート、3Pありドライブありゴール下ありの多彩なオフェンス(やっていること はシンプルなこと)、メンバーチェンジで出た選手が応える信頼関係、そして「小さ いけれどバスケットをよく知っている」(佐藤コーチ)という#11志村の巧みなゲー ムコントロール。すべて練習してきたことが発揮されたのではないだろうか。“全国 で一番厳しい練習”をしてきた成果が、決勝戦という大舞台で花開いたといえる。
最後に、佐藤コーチと選手のコメントで「記者の目」を締めたいと思う。
「ここまで階段を一歩一歩のぼって、ようやくたどり着きました。うちの選手たちは 普通の高校生。与えられた選手でやるしかない。普通の子たちが日本一になれたこと に価値があると思う。ここまで頑張ってきたたくさんのOBや、すばらしい選手たち に出会えたことを感謝します。今年は160cmの志村や170cm代の選手が3人もいる小さ いチーム。そのアンバランスさが逆にバランスを制したと思っています。そして、選 手たちは最後まで私の期待に応えてくれました。もしかすると、“絶対に優勝するん だ”という気持ちが、自分より子供たちのほうが上に行ってたかもしれません」(佐 藤コーチ)
「全国で一番厳しい練習をしてきたので、本当にうれしいです。この大会は緒戦が北 陸で3回戦の久我山戦で大苦戦。それでチームが引き締まったと思う。能代工戦以降 は自分たちのバスケットができたと思います」(#4大場)
「全員が力を出しきった結果です。3年生がここぞという場面でやってくれたのが大 きかった。その3年生の気持ちを忘れずに、来年もチャレンジャーとして頑張ってい きたいと思います」(#11志村)
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