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大会期間 1999/12/22〜12/28

記者の目
◆12月24日(金)の『記者の目』◆

プレビュー12/2212/23|12/24|12/2512/2612/2712/28


★まるで足を止めた打ち合い。高校女子のヘビー級対決

 3日目を迎え、女子は3回戦に入り、ベスト8をかけた激しい戦いが各コートで繰り広げられた。本当に今日は接戦、激戦が多い日だった。

 特に注目を集めたのがAコート第1試合、大会4連覇と今季3冠を狙う桜花学園と北海道の摩天楼軍団・札幌山の手の一戦だ。

 今季、山の手は#10半田、#11柳谷の2センターを擁し、インターハイ、国体でも上位進出が期待されていた。しかし、両大会ともシードに推されながら、緒戦となる2回戦で敗れるという失態を演じてしまった。高いポテンシャルを持ちながら、自分たちの力の半分も出せぬまま試合を終え、呆然とコート脇にたたずんでいた姿が印象的だった。何とか、昨日、今季の全国大会初勝利を挙げ、桜花学園への挑戦権を獲得したのだった。

 大会前、桜花・井上コーチは山の手を警戒していた。というのも、桜花が今季戦ってきたチームには山の手のようなビッグセンターがいなかったからだ。しかも、ツインタワー・・・。「山の手用の練習はばっちりしてきました」。開会式後、#6齋藤は語っていた。

 果たして試合が始まる。ともにインサイドを主体にじっくり攻める展開となる。高さという点では桜花も劣っていない。まるでヘビー級のボクサーが足を止めて打ち合うかのような、思い、なおかつスリリングな展開となった。

 一進一退の展開は、残り1分を切って、桜花#7大神が3Pを決め接戦に決着をみたかに思えたが、山の手も#15村田がゴール下に潜り込んで同点ゴール。息詰まる戦いは今大会初の延長戦に突入した。

 ここで勝敗を分けたのが勝利への執念だろう。

「弱気になってしまった」(山の手・渡辺コーチ)に対し、「負ける気はしなかった」(桜花#5徳守)

 シード校が相次いで敗れるという波乱の中、富岡、秋田秋田経法大附も苦戦が続いている。この混戦を勝ち抜いたチームこそが、真の王者と言えるだろう。明日はベスト4をかけた準々決勝4試合が組まれている。今日以上の接戦が展開されるに違いない。

■ 月刊バスケットボール/入江美紀雄


★緒戦の難しさとインターハイ後のモチベーション

「自分が前半にファウル4つしてしまって、チームメイトに迷惑をかけてしまった…」

試合後、日大山形のエース#4中村はうなだれたまま、こうつぶやいた。豊浦(山口)とのリベンジ決戦。国体の1回戦で敗れている相手だけに警戒して臨んだ。しかし、後半にリバウンドやルーズボールを取った豊浦が、それらをすべてシュートに結びつけて波に乗る。日大山形はファウルがかさんでいるため、激しいディフェンスを仕掛けられない。だがエースは勝負に出た。残り3分を切って#4中村は執念の3連続3Pとフリースロー2本を決めて11得点奪取。その鬼気迫るシュートには鳥肌が立った。しかし、反撃が遅かった。75−70。無情にも5点差でタイムアップとなった。

「国体で山口に負けはしたけれど、組み合わせ的にはいいと思っていた。ただ、インターハイでも国体でも、緒戦で苦しんでいるのでそのことを意識しすぎてしまった。この試合を抜ければいけると思ったけど…」(#4中村)

敵は、国体で負けた相手うんぬんではなく、“緒戦の難しさ”にあった。逆に豊浦は昨日の1回戦で接戦を制し、思い切りの良さが光っていた。

この大会、シード校の緒戦敗退が目立つ。昨日も女子のインターハイベスト4チーム、大阪薫英女学院と東京成徳大、ベスト8の実践学園がリズムをつかみ切れずに緒戦で姿を消している。いかに、トーナメントは緒戦の戦い方が大切なのかを、これらの試合が思い知らせてくれた。

また、地元インターハイで強化を進めてきた盛岡南も、接戦の末、熊本国府に緒戦敗退を喫した。

「インターハイで仙台と競って自信をつけて、東北国体でも秋田と競って自信をつけた。インターハイ後、練習も集中してやってきたのに…。今日は何かわからないけど調子が出なかった。なんで負けたんだろう…」とエース#4近藤は茫然。

一発勝負の“怖さ”はこんなところに潜んでいる。インターハイで上位の成績を収めたからといって、また同じになるとは限らない。みんなが勝ちたいのだ。アクシデントや運はそこら中に転がっている。アクシデントを振り切り、運をつかむ。これらのすべての条件を乗り越えた者だけが勝ち上がっていけることを、“一戦必勝”のウインターカップは教えてくれた。

■ 月刊バスケットボール/小永吉陽子


★鵜澤、勝又の冬終わる・・・

 全日本ジュニアのセンターとして今年世界ジュニア選手権に出場した市船橋#7鵜澤、北陸#4勝又が揃って2回戦で姿を消した。

その瞬間、鵜澤はハーフラインでがっくり膝をついた。 「35分はうちのペースでしたが、すべてはガード。ガードの能力の差がそのまま出てしまった」(市船橋・鈴木コーチ)

 北中城のリズムを断ち切るために徹底したディレード・オフェンス。パスで展開、エース#7鵜澤で勝負せず、あえて対角に攻めさせ、鵜澤がリバウンドを処理することで流れが出来ていた。

「俺が中に入ってリバウンドを取る。みんなが外から打って落ちたら絶対取るから」と鵜澤はチームメイトに公言していた。実際、この試合鵜澤が稼いだリバウンド数は28本で、北中城全体の17リバウンドを大きく上回っている。昨年までは先輩たちについていくだけで良かったが、今年は責任の重みがまったく違う。

 しかし、試合は後半10分がらりと変った。北中城は#5澤岻を下げて#14TJを投入する。#4屋我が気迫のディフェンスでスティールを連発、持ち前の早い展開へと持ち込んだ。ラスト10分間で、市船橋のゴールはわずか3本。逆に北中城は#8與那嶺(聖)の3P、#14TJのポストプレイで26得点をゲット。明暗はくっきり分かれた。

 負けても泣かない、と決めていた鵜澤の頬をとめどなく涙が伝う。「最後のブザーが鳴った瞬間、3年間頑張っ

てきた部分が思い出されてしまって・・・止まらなかった」(鵜澤)  高校日本一は夢に終わったが、鵜澤の夢は大学へと続く。今年インカレ4連覇を達成した日体大進学が決まっている。「会う人ごとに来年から日体大は大変だぞ、と言われるんですが、この悔しさは大学で晴らします」と、夢を追い続けることを明かした。

* * * * *

 北陸のエース#4勝又は、左足首にアイシングをしたまま重い足取りで階段を上がってきた。試合開始直後、リバウンドで着地した際ひねったのだ。しかし、その足は手当てすることなく、そのまま仙台戦の40分間勝又はコートにいた。

 いつものことだが、勝又は徹底マークに会った。ボールが入ればその瞬間ディフェンスは前に後ろに斜めに2、3人は当たり前。仙台の佐藤コーチは、全日本ジュニアの監督でもあった。ことさら、勝又に対する徹底マークを指示していたはずだ。 「あれだけファウルされても、冷静に決めなければ勝てないんでしょうが。それにしてもひどすぎた・・・」と北陸・津田コーチはキャプテンを擁護する。

 当の勝又は「3年間全力でやってきたゴール下のプレイを出そうとしました。意識しすぎたかもしれない。でも、相手の気持、精神面のほうが上回っていたように思います」と冷静に振り返る。

 夏以降、インサイドに磨きをかけるとともに、ルーズボール、リバウンドの徹底に全員が取り組んできた。「1、2年生の成長はすごい感じました。今日もみんな最後まであきらめずに戦っていたと思います。ただ、力不足でした…」勝又の目の縁は真赤だ。

 クリスマスイブは高校バスケットボール最後の日となってしまった2人。大学バスケット界という次なるステージでの活躍をサンタクロースに祈ろう。

■ 月刊バスケットボール/清水広美



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