| 第13回 モーションオフェンス (パート3) |
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前回に続き、私自身の体験を交えて「モーションオフェンス」について述べてみます。
早くアメリカから持ち帰った最新のプレーを選手たちに教えたい。未だ日本では誰も知 らないと思われる本場アメリカのバスケットを披露したい。ところが、ナンバーワンの コーチになるんだ、と考えれば考えるほど解らなくなってしまう──あのブルーミント ン(名門インディアナ大学の所在地)で見たモーションオフェンスは何だったのだ。せっかく貴重な時間とお金を費やして訪れたアメリカ。しかも、ボビー・ナイトから直々 に手に入れた情報なのに。これは絶対にモノにしなければ──毎日が焦りの連続でした 。でも、苦悩しながらも毎日コートに立たねばなりません。選手たちには「新しいオフ ェンスの考え方を導入するから」とミーティングで言ってしまったので、絶対に後戻りはできないと頑固に考えてしまったのです。しかし、やっている練習といえば、断片的な動きを何となく繋げただけのもの。今、考えれば形にはなっているものの、モーショ ンオフェンスの本当の意味を理解しないまま、格好だけをマネたつぎはぎだらけのプレーでした。まだコーチになって3年ほどしか経っていない時のことでした。 さあ、それからが大変です。何とか形はできたものの、練習試合などで試して見ると、 同じことばかり続けてしまうものですから、動きを読まれてしまい、思うようなオフェ ンスにならないのです。おまけに、うまく行かなくなると「やる気がないからだ!」と 精神面を理由にして怒鳴ったりしました。思い返してみると、自分がうまく理解できて いないプレーの未熟さを選手たちが悪いと責任転嫁する、何とわがままな指導だろうと 顔から火の出るような思いです。 結局、考え過ぎたあげくに形だけを決めたフォーメーションプレーになってしまったの です。あのブルーミントンで見たモーションオフェンスとは、かなりかけ離れたニセのモーションオフェンスでした。 翌年、悩みも抱き続けたまま、再びアメリカを訪れた時、目の前の霧がウソのように晴 れていったのでした……。 続きは次回。いよいよ核心に迫っていきます。 |
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