|
前回のパート1では、「オフェンスの大切な4つの要素」について述べました。今回はこれらの要素について、少し詳しく解説してみたいと思います。
[オフェンスで大切な四つの要素]
(1) 良いシュート(シュートセレクション)
選手個々にシュートセレクションが異なることと、コーチ自身がシュートセレクショ ンのフィロソフィーを持たなければならないことを説明しました。まずは選手個々のシ ュート範囲を見極めなければなりませんが、それが判断できたら確率が上がるように指 導していけばいいのです。シュート練習の時から、“シュートセレクション”を選手た ちに意識させるようにします。 練習のやり方も大切です。ただ単に多く打つだけでは、疲れてしまって正確なシュー トのタッチが身に付かず、かえってマイナスになることがあります。確率を上げるには 、いかに実戦に近い状態(ゲームライク)で、効率よく練習させるかが上達のカギを握 っています。具体的な練習方法として、決まった時間内に決まった本数を入れる(1分 間に20本入れる)とか、ペアになり、一人がシュートしたらすぐにリバウンドに行き、 素早くもう一人にパスバックする……等があります。例えば、3分間に20本入れる練習 を、インターバルを取りながら5セット繰り返すとか、工夫してみてください。シュー トは選手が最も良い状態で打てる範囲で、しかも実戦に近い状態で練習することにより 、自然と「良いシュート」が理解できるようになります。 次に、コーチのシュートセレクションのフィロソフィーを、選手たちが理解できるよ うにしましょう。コーチと選手がシュートに対する意識統一を図るため、ロシュートす る前に4回パスを回す、ワ4回のうち最低1回はポストにボールを入れる、ン同じ場所 に3秒以上止まらない……等というような簡単なルールを決めておきます。そうすれば 前回述べたような「ある時はOK!」「ある時はシュートが早い!」という意識のズレは なくなります。
(2) ミスの無いボールハンドリング
選手が練習のためにコートに出てきます。すると、どんなレベルでもほとんどの選手 はいきなりシュートから始めます。ボールハンドリングのミスを無くすための絶好のチ ャンスです。この時コーチは、ボールが手になじんでいないのにシュート練習をしては いけない、と指導します。まずはボールティップ、ドリブル、パッシング等を一通りや り、それからシュートをするように習慣づけます。また普段の練習においては、気を抜 いたためのハンドリングミス等、ターンオーバーに対して厳しくチェックすることも大 切です。ボールをていねいに扱う習慣づけをしましょう。
(3) オフガード(ボールが無い時の動き)
オフェンスがボールを受ける場合、気持ちはボールに行ってしまいます。しかし、ボ ールではなく自分のディフェンスに注意を払うべきです。ディフェンスの状態をよく見 ることで、そのディフェンスを振り切ること(オフガード)ができます。 例えば、自分の右側にディフェンスが付いたとします。そこでいきなり左にカットす るのではなく、一度右に引きつけてから左にカットとすれば、スペースが広がりプレー しやすくなります。相手がタイトならば外側に離れていく(これもスペースが大きくな る)とカットしやすく、ディフェンスからすれば守りにくくなります。ルーズならば中 に押し込み、すぐにシュートが打てるように飛び出します。 このように、常にディフェンスをよく見る(読む)ようにすれば、より簡単に振り切 ることができます。
(4) スクリーン(オープンマンを作る)
スクリーンの掛け方等については、細かい解説が必要になりますので、また別の機会 に述べることにします。 ラグビーではよく「ワン・フォー・オール」「オール・フォー・ワン」という言葉を 聞きます。しかしこれはラグビーだけの言葉ではありません。ボールゲームすべてに言 えることです。バスケットボールにも当てはまります。最も当てはまるのが「スクリー ンプレー」でしょう。スクリーンを掛ける選手は、相手がとてつもなく大きくても勇気 を持って行かなければなりません。しかし、この作業は、時として“痛い”作業なので す。味方をノーマークにするため、大げさに言えば自分を犠牲にしているのです。した がってこのプレーができるようになった選手を思い切り褒めてあげれば、技術的なこと を習得し、さらにこの地味な仕事が上達するようになります。
次回は、「オフェンスのフィロソフィー」のまとめを述べてみます。
|