2010.08.08
男子日本代表の最大の目標
8月7日からスタンコビッチカップ(※)が始まった。
スタンコビッチカップに向けてウィスマンHCは「上位5チームに入ってアジア選手権へ出場する東アジア枠を増やせるよう結果を出したい」としながらも、「チームとして成長し、アジアの諸外国からリスペクトを得ること」を現時点の目標として掲げている。
ウィスマンHCは常々「私たちの成長のプロセスを見てほしい」という。それは十分わかるし、見せてほしいと願う。ただ、その成長の先には何があるのか。今の日本代表の最大の目標は何なのか?
ウィスマンHCは就任記者会見の時に「2014年世界選手権を目指す」とは言っていた。しかし、協会側の記者会見での発表は「アジアで覇権復活を目指す」「オリンピック出場ができる強いチーム作りを目指す」と発言され、それはいつの大会のことを目指しているのか、いつまでにやり遂げる目標なのか具体性に欠けていた。
また、ウィスマンHCも世界選手権を目指すと言いながらも、今現在は短期的な目標を口にし「チームの基盤を作ること」「アジア諸国で権威のある順位に復活すること」「諸外国からリスペクトされるようになること」「今年は直接上につながる大会がないことから準備期間とする」といった現在“再建”すべきことの大切さをクローズアップする。
8月4日、スタンコビッチカップ出発日に公開練習と記者会見、および囲み取材があった。この時に、再度、ウィスマンHCに聞いてみた。現在は準備期間であることは理解している。だが、最大の目標が明確にならないかぎり、スタンコビッチカップの位置づけや、今作っている日本代表の基盤の意味もわからなくなるからだ。この5月からスタートした日本代表はどこを目指しているのか?
ウィスマンHCはハッキリと言った。「2013年のアジア選手権で出場権を取り、2014年の世界選手権に出ること」だと。以下、ウィスマンHCのコメント。
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「世界大会やオリンピックという大会で、日本がしっかりと出場権を獲得することが最終目標になります。それは日本としての目標ですが、私が契約をしている期間のことでいえば、2013年のアジア選手権で結果を残して、スペインで行われる2014年の世界選手権に出場するのが最終的な目標になります。
これはロンドン・オリンピックの切符をあきらめたとか、来年開かれるアジア選手権を捨てるわけではなくて、現状として日本は去年アジアで10位だった。オリンピックに出場するにはアジア1位で出場権を獲得しなければいけないことを考えると、この短い期間で10位から1位になるのは目標として難しい。希望的な目標としては、次のオリンピック出場を考えたいこともありますが、現実的な最終目標としては、2013年アジア選手権でしっかりとした成績を残して、2014年スペインの世界選手権に出場したい」
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世界選手権の枠はアジアで「3」。アジアで枠が「1」しかないオリンピックよりも狙いやすいし、強化内容によっては実現可能な目標だ。2006年の自国開催を見ても、出場12ヶ国のみで順位決定戦のなくなってしまったオリンピックよりも、世界の強豪24ケ国の中で順位づけして揉まれる世界選手権こそ、“現状の”日本が目指すべき道だと個人的には思う。
オリンピック予選で出場権を獲得できなくても、アジア3位に入ることを続けていれば、オリンピック世界最終予選に出場することもでき、世界のレベルを常に肌で感じることもできる。そうすれば、世界を目指す継続的な強化にもつながる。だから当面日本は「アジア3位」を目標に強化を続けていってほしい。
しかし、本来ならばこの目標は、就任記者会見時に確固たる信念として語られるべきものだろう。ウィスマンHC自身が「アジア3位」を目標に掲げていながら、最終目標がぼやけてしまったのは、毎度毎度、協会が口にする「オリンピック出場」が簡単な道のりではないことを知っているから、目の前のクリアすべき改善点を語るのだと思う。
現場を任されたほうとしては「アジア10位からの再建」が、いかに大変な作業であることか。だから今は「日本代表の基盤を作ること」にすべてを注入しているのだと、取材をしていて感じる。
2014年の世界選手権を目指してのスタートは、先に続く大会という意味では、このスタンコビッチカップから始まる。
■FIBAスタンコビッチカップ公式サイト
http://beirut2010.fibaasia.net/Default.aspx
※スタンコビッチカップ…前FIBA事務総長の名を冠にした大会。優勝国は2011年アジア選手権の出場権が与えられる。さらに、2011年アジア選手権の開催地であるレバノンと、スタンコビッチカップ優勝国を除く大会最上位4チームが属するサブゾーンには、アジア選手権の出場枠が追加される。
【追記】
平成22年度男子強化部の活動方針では『2012年ロンドンオリンピック、2014年FIBA世界選手権、2016年リオデジャネイロオリンピック出場権獲得に向け、アジア地区予選突破に焦点を絞り、チーム一丸となって勝てる、逞しいチーム作りに邁進すること』を短中期目標として掲げている(日本代表公式ブログ参照)。
しかし、協会はいつでもすべての大会を照準に目標を掲げており(特にオリンピック出場)、ウィスマンHCが就任しての最大の目標が明確に伝わってこなかったので、改めてスタンコビッチカップを前に、現場で指揮を執るヘッドコーチに目標を質問しました。





